2015/03/08

宮崎/震災後、宮崎県内への避難・移住者 交流会で体験や悩み語り合う



2015年03月08日 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/miyazaki/article/154351

 東日本大震災や福島第1原発事故で宮崎県内に避難・移住した人でつくるネットワーク団体「うみがめのたまご」(古田ひろみ代表)は6日、宮崎市の県男女共同参画センターで体験を語り合う交流会を開いた。
 団体によると、東北、関東から約350世帯が県内に移り住んでいるという。故郷を離れたことへの葛藤や、慣れない土地での生活に悩む人も少なくない。同じ経験を持つ者が語り合うことで孤立感を和らげてもらおうと、11日で震災から4年を迎えるのを前に「ふくしまと結ぶ交流会~県内避難者と考える被災者それぞれのこれから」と題して会を開催。約30人の避難・移住者や支援者が集まり、2人が体験談を語った。
 埼玉県から2011年9月に夫と同市に移住した畠山容子さん(37)は昨年、長女を出産した。原発事故の影響の心配もなく、定住を考える畠山さんは「宮崎の生活を楽しんでいいのか悩んだ時期もあった。でも時間とともに意識しないようになった」と素直な思いを語った。
 福島県南相馬市出身の坂本美和さん(32)は避難先を転々とし、12年8月に家族で日向市に移住した。坂本さんも定住を希望し、「大震災を体験した立場から南海トラフ巨大地震への備えを伝えたい」と語った。
 宮崎県出身で、福島県内で支援活動に取り組む富田愛さん(45)も講演。故郷に戻っても、残った人との関係に悩む人もいて、母親や父親が集う「ままカフェ・ぱぱカフェ」を開いていることを紹介した。講演後、参加者が手をつないで思いを伝え合い、あらためて交流の大切さをかみしめた。古田代表は「定住か、戻るかはそれぞれの判断ですが、交流事業が幸せをつかむきっかけになれるように活動していく」と話した。

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