2016/03/07

子を連れ「自主避難」54% 県内園児保護者アンケート 柏崎原発で事故起きた場合/新潟

2016年3月7日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160307239571.html

東京電力福島第1原発事故で、子どもの放射線被ばくを恐れるなどして多くの自主避難者が生じたことを受け、新潟日報社は県私立幼稚園協会の協力を得て、県内の園児の保護者を対象に自主避難についてのアンケート調査を行った。東電柏崎刈羽原発で事故が起きた場合、国の避難指示がなくても「避難する」「避難する可能性が高い」と回答した人が合わせて54・6%に上り、「避難しない」「避難しない可能性が高い」の24・7%を大きく上回った。



調査は1月下旬~2月上旬に実施。協会加盟の14の幼稚園で保護者2530人に調査書を配布(設問は5問)、任意で1612人から回答を得た。回収率は63%。

設問では、柏崎刈羽原発の事故で放射性物質が拡散したと仮定。住んでいる所に国の避難指示が出ていない段階でも子どもを連れて避難するかを聞いた。賠償や支援がなくても「避難する」が14・6%で、「避難する可能性が高い」は40%。「避難しない可能性が高い」22%、「避難しない」2・7%、「想定できない」20%だった。

現在、県内には国の避難指示がない地域からの自主避難者が2千人以上いる。指示区域内の避難者と比べ、はるかに低い賠償で避難生活を続けている。調査結果は、柏崎刈羽原発で福島第1原発と同様の事故が起きれば、県内でも多くの自主避難者が生じるおそれがあることを示した。

国の避難指示の有無によって自主避難と強制避難の区別があることを知っていた人は87%。福島から自主避難する人の判断を理解するかの問いには、「理解できる」「どちらかと言えば理解できる」が合わせて96%に及んだ。

原発や放射線への関心については、「関心がある」「どちらかと言えば関心がある」が合わせて84%。

放射能の知識や情報について「理解している」が19%、「あまり理解していないので教育や広報が必要」が77%に上った。


自主避難 県内保護者の決断難しく
どうする?被ばくへの不安、乏しい補償

2016年3月7日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160307239568.html

県内の幼稚園児の保護者を対象に新潟日報社が行ったアンケート調査で、柏崎刈羽原発に万一の事態が起こった時には国の指示がなくても自主避難を考える人が多数いることが分かった。しかし、十分な賠償や補償がない長期の自主避難を現実的にできるのか判断に迷う回答も目立ち、福島から自主避難している人には「苦労が想像できる」と共感する声が多く寄せられた。

避難を肯定する人は、放射線被ばくの子どもへの影響回避を最優先している。

上越市の5歳児の母親(38)は「人ごとではない。神経質すぎることはない。親なら自主避難は当たり前」と回答。新潟市の3人の子どもの父親(37)は「迷わずに家族を連れて避難する。低線量被ばくの健康への影響は科学的に解明されていない」と答えた。

現実的に避難ができるのかについて、複雑な心情を吐露したのは長岡市の母親(36)。「住み慣れた地を離れ、子どもを抱えて仕事も探すとなると不安。決断できない」とつづった。

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