2016/03/08

「働きたい」5割 県意向調査 自主避難 金銭面厳しく/新潟

2016年3月8日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160308239822.html

東京電力福島第1原発事故から間もなく5年を迎える中、県が7日に発表した避難者の意向調査結果で、現在就労していない人の中にも「就労したい」と思っている人が数多くいることが分かった。本県に生活の基盤を置く人が増えていることの表れだが、雇用側の理解が十分でない実態も浮かび上がってくる。

調査によると「就労していない」「一部が就労している」世帯のうち、「就労したい」世帯は55%。避難指示区域外からの自主避難者を中心に、パートタイム勤務を希望する人が多かった。



県は「自主避難者への支援打ち切りが来年3月に迫り、母子避難世帯の中で働きたい人が増えてきたのでは」と分析する。

福島県内から新潟市に母子避難する40代の女性は、まさにパートタイムの仕事を探している。住宅支援の打ち切りが近づき、「金銭的に厳しくなる」との不安からだ。

これまでも「働きたい」という思いはあったが、小学生の長女が病気をした時などに頼れる人が誰もいない。「この状態で働くと、職場に迷惑を掛けそうだ」と思い踏み切れずにいた。現在は「頑張って働いて生活を守りたい」と語る。

だが、就職活動で心ない言葉を掛けられた経験を持つ避難者は少なくない。

福島県いわき市から新潟市秋葉区に避難する女性(39)は県内自治体の臨時職の採用試験で「母子避難か。夫が病気になったら福島に戻るのだろう」「県内の自治体名が全部言えるか」と言われた上、採用されなかった。「避難者だからと否定されたのが悔しかった」と憤る。

避難指示区域から本県に避難する男性(41)も、面接を受けた企業で「賠償金をもらえていいね。働かなくてもいいじゃないか」と言われて落ち込んだと話す。

郡山市から新潟市西区に娘2人と避難する女性(41)は2年ほど前から事務の仕事をしている。裁判などに参加する際に早退することもあるが「避難者だと知った上で採用してもらった。職場の理解があるので助かる」と話す。「企業には避難者に関心を持って採用をしてほしい。私たちの支えになる」と訴えている。

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