2016/03/08

イノシシに線量計とGPS 被ばく調査、汚染マップと比較へ/福島

2016年3月8日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160308-055931.php 

福島大環境放射能研究所は7日、福島市で成果報告会を開いた。トーマス・ヒントン教授(放射生態学)は、浪江町で捕獲したイノシシに線量計と衛星利用測位システム(GPS)を搭載した首輪を付け、野生動物の被ばく量を調べる研究に着手したことを明らかにし、「調査結果は、人が入れない地域の放射線量の把握につなげることができる」と意義を語った。

成果報告会は昨年に続き2回目。河川・湖沼・海洋での放射性物質の動きや、環境中での放射性物質の存在形態、放射線の生物への影響など、各分野の研究者がそれぞれ成果を発表した。

ヒントン教授は1月、浪江町でイノシシを捕獲し、首輪を付けたことを紹介。首輪からは30分ごとに位置情報と外部被ばく線量データが送られてくる。チェルノブイリ原発事故の汚染地帯のオオカミについて同様の調査に取り組んできたヒントン教授は「野生動物は行動範囲が広いので新しいツールが必要。得られたデータを従来の汚染マップと比較したい」と話した。

報告会ではこのほか、奥田圭特任助教(野生動物管理学)が避難区域でイノシシやアライグマ、ハクビシンが激増している実態について発表。「アライグマとハクビシンは、地震で損傷した部分などから空き家に入り込み、繁殖場所やねぐらとして使っている」と話し、将来の帰還に向けて野生動物管理や感染症のリスク対策に取り組む必要性を指摘した。

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