2016/03/12

野生の山菜、放射性物質ちょっと心配・・・ゆでる調理で摂取軽減 栃木県保健衛生事業団が実証

2016年3月12日 下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20160312/2262650 

東京電力福島第1原発事故を機に「食品の放射能汚染」が大きな関心事となり、今も模索が続いている。県保健衛生事業団は本年度、食品をゆでることで放射性セシウムを低減できることを確認した。

食べ方の知恵の一つになりそうだが、生の状態で基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超えていないことが大前提。これから季節を迎える山菜など野生の食品は依然高いセシウム値が検出されるとみられる。県や市町の無料検査を利用し、きちんと測ってから調理したい。

同事業団は昨年4~5月に採れた山菜などを検体として、下処理(ゆでる)による効果を調べた。使用したのは、基準値以下であることが確認されている市販のタケノコ13件(湯2リットルで1時間ゆでた後、2時間放置)、コゴミ7件(湯2リットルで1分間ゆで、流水で冷却)、ワラビ8件(湯1・5リットルで3分間ゆで、約9時間放置)の計28件。

ゲルマニウム半導体検出器で1万秒測定したところ、生の状態では14件から微量(3・9ベクレル~38・6ベクレル)の放射性セシウムが検出されたが、このうち9件は下処理後「検出せず」に。生の状態で38・6ベクレルだったワラビは13・9ベクレルになるなど、全ての検体で下処理後は半分以下となった。

実験を行った同事業団技術部食品検査所の石塚昌美(いしづかまさみ)副主幹は「放射性セシウムは水に移行しやすいといわれているが、データ的にも裏付けできた」とした上で、「下処理に使った湯や水は調理に使わない方が、より放射性物質の摂取を低減できる」と話す。

県の簡易検査窓口は、県消費生活センター028・625・2227。

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