2016/03/11

福島第一原発から半径80キロ 放射線量65%減少

2016年3月11日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160311/k10010439071000.html

東京電力福島第一原子力発電所から半径80キロの地域でヘリコプターを使って行われている地表付近の放射線量の調査について、原子力規制委員会は最新の去年秋に測定された値が事故の起きた年の秋に比べて、平均でおよそ65%減少したとしています。

原子力規制委員会は福島第一原発の半径80キロの地域で、ヘリコプターを使って、およそ300メートル上空から放射線の調査を行っていて、測定された地上1メートルの1時間当たりの放射線量を9つの色に塗り分けた地図を作成しています。

それによりますと、現在とほぼ同じ測定方法になった事故から7か月後の平成23年10月の調査では、年間の被ばく線量に換算すると避難指示解除の目安となる20ミリシーベルトにあたる1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の黄色や赤の範囲が原発から北西方向に30キロを大きく超えていました。それがおよそ4年後の去年9月の最新の調査では、30キロより外側で1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上になっている範囲は狭まり、飯舘村や浪江町の一部になっています。

原子力規制委員会によりますと、この2つの調査結果を80キロ圏全体で比較すると放射線量は平均でおよそ65%減少したということです。このうち53%は、時間の経過に伴って放射性物質が放射線を出さない別の物質に変化したことによるもので、残りの12%はそれ以外の要因によって起きたと推計されています。

事故で放出された放射性物質の分布や動きを調べている筑波大学の恩田裕一教授は「時間の経過以外に、放射性セシウムが土の深い所に徐々に浸透することや、除染などによって放射線量が低減していることがわれわれの調査で分かっている。除染などが進むにつれて放射線量はさらに下がってくるだろう」と話しています。

放射線量の測定について原子力規制委員会は詳しく調べることで、線量の高い場所と低い場所がよりきめ細かく分かるようになり、住民の帰還を促進したり、帰還の検討に役立てたりすることができるとして、避難指示が出されている区域を中心に、モニタリングポストと呼ばれる設備を増やすほか、専用の車両などによる移動式の測定を重点的に行う方針を示しています。

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