2016/03/11

「終わりではない 支援必要」 福島から移住・浅野さん/山口

2016年03月11日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20160310-OYTNT50051.html

東日本大震災から11日で5年を迎える。震災や東京電力福島第一原発事故後、県内に避難し、今なおとどまらざるをえない人も多い。福島県から移ってきた「山口県避難者移住の会」代表の浅野容子さん(63)は、避難者同士を結びつける交流活動を続けており、「5年たっても終わりではない」と語る。(北川洋平)

浅野さんは下関市出身。原発事故の避難指示区域となった福島県葛尾かつらお村から、宮城県出身の夫・隆造さん(64)とともに阿武町に移り住んだ。2012年9月に会を設立、月1回程度、避難者らが語り合う交流会を開いている。

参加者には、関東など東日本各地から自主的に避難してきた人も多く、「なぜ避難するのか」と住民から問われるという。浅野さんは「原発事故により東日本の広範な地域が放射能に汚染され、いまだに収束していない。また、事故は身近に起こりうることも理解してほしい」と強調する。

政府は、放射線量が最も高い区域を除いて、来年3月までに避難指示を解除する方針で、福島県も県内外の自主避難者に対する住宅無償提供を打ち切るとしている。だが同県では現在も、子育て中の若い親などが県外への移住を考えるケースも少なくないという。

浅野さんは、山口県でも住宅支援の充実などで、受け入れに積極的な姿勢を見せてほしいと願う。「5年たっても終わりではない。被災者、避難者への支援は、これからも必要とされている」。そう、訴えた。

福島県の自宅の写真を眺める浅野さん夫妻(阿武町で) 

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