2016/03/06

風評被害 苦しみ今も 福島大教授講演 富山で報告会

2016年3月6日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20160306/CK2016030602000032.html

二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災から五年を迎えるのを前に、福島県の現状への理解を深める報告学習会が五日、富山市奥田新町のボルファートとやまであった。農業経済などが専門の小山良太福島大教授が講演し、福島の農産物の安全性を力説した。(杉原雄介)

福島の農産物の安全検査などについて講演する小山良太教授
=富山市奥田新町のボルファートとやまで 

小山教授は「原発事故直後の汚染されたイメージがいまだに消費者に残っている」と、福島の農家が風評被害に苦しんでいることを説明。福島産の全ての米に対する放射能検査や、同県内の田畑十万カ所での土壌汚染調査など、安全対策の取り組みが国民に知られていないと指摘し、「徹底した福島での検査の実態を国やマスコミが伝えないのはおかしい」と訴えた。

同県生活協同組合連合会の佐藤一夫専務理事は、福島の親の95%が子どもの放射能汚染を心配しているというデータを紹介。全国の生協が協力し、福島の子どもを県外の山や海で遊ばせるプロジェクトを推進していることを報告した。

報告学習会は、福島産の農作物を買い支えるきっかけをつくろうと、富山県生協と生協「CO・OPとやま」が開催。両生協の関係者ら約九十人が参加した。一、二月に福島県内の被災地を視察した両生協組合員たちの報告もあり、道路に「帰宅困難区域」と書かれた看板やバリケードが置かれている写真を紹介し、「自分のふるさとにこんなものがあったらと思うと胸が痛む」と語った。

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