2016/03/11

山梨/原発事故で避難の宇治さん卒業 「震災でみなと仲間になれた」 富士河口湖・勝山中


毎日新聞2016年3月11日 地方版
mainichi.jp/articles/20160311/ddl/k19/040/066000c

県内の市町村立中学校など85校で10日、卒業式があった。被災地の福島県川俣町から富士河口湖町に避難した宇治尚哉さん(14)も町立勝山中学校を卒業し、「さくやホール」で行われた式で卒業証書を受け取った。

震災当日は川俣町立福田小学校4年生。社会科の授業中だった。「ただただ怖くて、机の下に隠れた。学校がきしむ音がした」という。東京電力福島第1原子力発電所事故後、学習塾経営の父憲彦さんの指示で、避難者を受け入れていたタレントの清水国明さんが経営する「森と湖の楽園」(富士河口湖町小立)に弟の陽介さん(12)と2人で避難した。その後、町立勝山小に転入。両親も避難し、地元で仕事に就いた。中学時代は卓球部に所属した。

避難した当初は福島にすぐに戻れると思い、地元の友人ときちんと「お別れ」できなかったのがつらい出来事という。卒業式後の最後の学級会では「震災でみんなと仲間になれた」とあいさつした。

卒業後は北麓(ほくろく)の高校に進学し、医師を目指すという。「この5年間、地域の人々はやさしく、多くの仲間ができた」と振り返った。【小田切敏雄】

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