2016/03/07

乳歯は被ばくの証拠品 藤野健正さん


2016年3月7日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160307/dde/007/070/038000c

東京電力福島第1原発事故後の子どもたちの内部被ばくの調査に役立てようと、放射性物質ストロンチウム90が取り込まれやすい乳歯の保存を呼びかける運動が広がっている。学識者らが昨年設立した「乳歯保存ネットワーク」の共同代表で、首都圏3カ所で歯科を運営する医療法人理事長の藤野健正さん(67)は「乳歯は被ばくの証拠品となる。将来のため捨てないで」と話す。

藤野健正さん=2016年2月23日午後3時38分、田中洋之撮影

歯科のある千葉県松戸市が事故で放射線量の高い「ホットスポット」とされ、住民の不安が高まるなか、「歯科医として子どもの命と健康を守るためにできることを」と震災の年から取り組みを始めた。これまでに約500本の乳歯が提供され、一部はスイスの放射線測定所に解析を依頼した。同ネットワークは来年、中部圏に独自の測定施設を造る計画だ。

乳歯は母親の胎内にいる時に形成される。「5年前の事故当時に胎児だった子どもの歯が、ちょうどこれから抜けてくる時期。保存運動はさらに重要になります」【田中洋之】


0 件のコメント:

コメントを投稿