2016/05/05

滋賀/癒えぬ3・11、心は共に 被災者寄り添う書と音楽

2016年05月05日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20160504-OYTNT50116.html

東日本大震災の被災者に改めて思いを寄せる催しが、5、6月に高島市で開催される。「共に生きる」をテーマに筆を振るうダウン症の書家・金澤翔子さん(30)の「全国巡礼展」と、被災地の流木で制作された「TSUNAMIバイオリン」の演奏会。関係者は「熊本地震とともに、今も苦しんでいる人が大勢いることを思い起こしてほしい」と話している。(宮明敬)

◇金澤さん屏風など展示 6日から巡礼展
書展は「忘れない、東北」「心に光を」と題して、6~8日、同市今津町の今津東コミュニティセンターで開かれる。

金澤さんは東京生まれ。5歳で書道を始め、NHK大河ドラマの題字も手がけた。津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市を訪れ、普門寺に作品を奉納しており、巡礼展は同市商工会女性部と京都・西陣の織元らによる実行委員会が各地で開催している。

今回は奉納された「心に光を」の西陣織屏風をはじめ、約30点を展示。実行委員長の蔦田文男さん(69)は「翔子さんの作品は見る人に希望を与えてくれる。大勢の人に来場してほしい」と呼びかけている。無料。

◇TSUNAMIバイオリン 西川さん来月演奏会
バイオリン演奏会は6月11日午後2時から、高島市勝野のガリバーホールで開かれる。

演奏で使われるバイオリンは、震災で発生した津波の流木で制作されたもの。「魂柱」と呼ばれる部品には陸前高田市の「奇跡の一本松」の木片が使われ、裏にはその姿が描かれている。

現在、1000人のバイオリニストがリレー形式で演奏し、募金を呼びかける「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトが続けられており、高島市出身の新進気鋭のバイオリニスト・西川茉利奈さんの出演が実現した。

入場料は協力金として、1000円(18歳以下500円)。諸経費を除いた収益は、福島県など放射能汚染が残る地域の子どもを琵琶湖周辺に招待する「びわこ☆123キャンプ」に寄贈する。会場には熊本地震の被災地を支援する募金箱も置く予定だ。

関係者は「世界で活躍する西川さんの演奏に触れると同時に、琵琶湖西岸断層帯が走り、原発の風下に立つ地元の安全を見つめ直す機会にしてほしい」と話している。

問い合わせは実行委員会事務局(0740・25・0777)へ。

金澤さんの書を原画とした西陣織の屏風 








演奏会でTSUNAMIバイオリン
を弾く西川さん

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