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福島第一原子力発電所事故に伴う健康問題に対応するために、福島県の放射線リスクアドバイザーに就任していた長崎大学の山下俊一教授が事故直後の5月、「福島県は世界最大の実験場」などと発言していたことが分かった。また、この会議の中で、山下氏は1ミリシーベルト以上の被ばくした人への生活補償や医療補償について言及していた。OurPlanetTVが議事録を入手した。
「福島県は世界最大の実験場」
発言があったのは、2011年5月1日に、福島県立医大が開催した「健康管理調査スキームについての打ち合わせ」。福島県と福島県立医大の関係者14人が出席した。県立医大の竹之内副理事長はまず冒頭で「早く枠組みを作りたい」と発言。県の阿久津部長は「県民の不安を取り除きたい。県が主体で調査をやらないと不信感を取り除けない」と続けた。
これに対し、山下教授は「国際的には最大の実験場という見方がある」と発言。広島や長崎よりも被ばく者数の多い福島事故のデータが、国際機関などの研究者から熱い注目を集めている事実を強調した上で、「福島県が主体的に調査を行い、プレッシャーをはねのけるべき」だと、大規模な予算を組むよう働きかけていた。
年間1ミリシーベルトでの生活補償・医療費に言及〜年1500億円
同会合にいて山下氏は常に主導的な立場をとり、関係者に様々なアドバイスや提案を投げかけている。山下氏は、比較的線量の高い飯館村や川俣町山木屋地区などをモデル地区に指定し、同地区での試行が急務であると指摘。また会津を対照地域(コントロール群)とすることを提案した。
さらに予算にも言及。「データの保管・管理には膨大な予算がかかることも留意すべき」として、予算の要求時期についても質問。「JCOと事故と同じ考え方であれば1ミリシーベルトで補償の問題もでてくる」「JCO事故での補償・医療費を含めた総額は100〜200億円。財務省に対して要求するならば生活補償、医療費まで含めると毎年1500億円か。かなり大規模になる」と発言していた。
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