2012/10/29

【原子力規制委員会への緊急署名】委員会発足 たった1か月での防災指針の策定は拙速すぎます 被災者・市民の声を盛り込んでください


「原子力規制委員会」が決めようとしている防災指針に対する要請書への賛同募集が、30日(火)正午期限で、FoE Japan、福島老朽原発を考える会、などの団体から呼びかけられています。
 
ぜひ多くの方にご賛同いただきたいと思います。
署名はこちらから(1次締め切り10月30日正午)

「原子力規制委員会」は、10月24日、原発で深刻事故が発生した場合の放射性物質の拡散予測を発表しました。
この拡散予測で最も犯罪的なことは、「原子力規制委員会」が、避難の基準となる被曝線量」を「100ミリシーベルト/1週間」としていることです。

この基準は、2007年にICRP(国際放射線防護委員会)が出した「勧告」に基づいているものと思われます。
ICRPは、何度かの「勧告」を出していますが、1990年の勧告に基づき、現行では、
  「一般公衆の線量限度」は1ミリシーベルト/年
  「放射線作業に従事する作業者の線量限度」は20ミリシーベルト/年(5年平均)
となっています。
ICRPによれば、「線量限度」とは、「受け容れることができないレベル」の被曝線量と、「進んで受け容れることはできないが耐えることはできる(我慢できる)レベル」の被曝線量との境界を意味しています。
(誰が「我慢できる」とか「我慢できない」とか決めるのでしょう?)
「線量限度」が根拠としているのは、ICPRの考え方では、「年齢別死亡確率の放射線被曝による増加」が、「放射線作業に従事する作業者」の場合であれば65歳まで「100万人あたり1000人以下」、「一般公衆」の場合であれば65歳まで「100万人あたり50人以下」であるということです。
 


ICRPの計算は、「ガンによる死亡」しか計算に入れていません。死亡に至らなくてもガンにかかって苦しむこと、また、その他の健康障害は計算に入れていません。
また、この計算自体が、原爆被爆者の生涯調査(LSS)という、母集団や対照集団の取り方に問題のある調査結果に基づいた、甘い計算になっています。
2007年勧告で、ICRPが「緊急時被曝状況」の「20~100ミリシーベルト/年」という枠や、「現存被曝状況」の「1~20ミリシーベルト/年」という枠を持ち出してきたのは、核施設を動かしていれば、このような事態が発生することがわかったからでしょう。そして、核施設を動かしつづけるためでしょう。

「原子力規制委員会」が、「避難の基準となる被曝線量」を「100ミリシーベルト/1週間」とした、ということは、「原子力規制委員会」が何のための機関であるかということを明確に示しています。
「原子力規制委員会」は、核施設を動かし続け、核施設の事故から住民を守る義務を国に対して免除し、日本列島上の全住民に被曝を強要する(死をも強要する)ための機関だということです。

私たちは、原発から何の利益も受けていません。にもかかわらず原発からの放射性物質による被曝を「我慢する」ことは、一切拒否します。

現在福島で適用されている「年間20ミリシーベルト」という「目安」は犯罪です。
これは、ICRP自体が「放射線作業に従事する作業者」が「我慢できる」上限だとしている被曝線量です。
胎児や乳児、幼児、児童は「放射線作業に従事する作業者」ではありません。
そもそも、この子どもたちが、なぜこれだけの被曝線量を「我慢」しなければならないのでしょう? 被曝によって余計に死ぬことを我慢しなければならないのでしょう

国には、すべての住民に「被曝ゼロ」の環境での生活を保障する義務があります。
被曝を「我慢する」ことなど、ましてや、ICRPが2007年に持ち出してきた「緊急時被曝状況」や「現存被曝状況」における被曝線量の枠など、私たちは受け入れません。

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