2015/10/31

自主回収:県など検査前小豆出荷 棚倉 /福島

2015年10月31日 毎日新聞http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20151031ddlk07040039000c.html

県水田畑作課は30日、棚倉町の3戸の生産者が放射性物質のモニタリング検査前の小豆を同町のJA東西しらかわ農産物直売所「みりょく満点物語棚倉店」に出荷したと発表した。31袋(1袋300グラム)出荷し、うち21袋が販売された。県は直売所と連携し自主回収する。

同課によると、販売されたのは、3戸の生産者が9月26日、10月15、22、30日に同直売所に出荷した小豆。県が棚倉町の地区ごとにサンプル検査してから出荷することになっていたが、直売所の従業員がサンプル検査が実施されたか確認せず、店で行う簡易分析装置による自主検査をすれば出荷できると誤認していた。

29日に直売所を訪れた棚倉町の職員が同町産の小豆が出荷可能か県に照会し、問題が発覚した。販売されていなかった10袋については国の基準値を超える放射性セシウムは検出されなかったが、県は購入者に自主回収への協力を呼びかけている。

連絡先は同直売所(電話0247・33・1212)。
【横田香奈】

11/6小田原「食品に関するリスクコミュニケーション~食品中の放射性物質に対する取組について~」を開催します

2015年10月13日 厚生労働省

参加申込書もこちらにあります↓

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000100286.html

厚生労働省は、消費者庁、内閣府食品安全委員会、農林水産省、神奈川県と共同で、11月6日に神奈川県小田原市で、食品の安全に関する意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション~食品中の放射性物質に対する取組について~」を開催します。

食品中の放射性物質については、基準値を設定し、これに基づいて出荷制限などを行ってきました。関係者による低減対策などにより、現在では、基準値を超える食品はほとんど検出されなくなりました。その一方で、不安を訴える声も寄せられます。

この意見交換会では、食品中の放射性物質の現状や影響などについて、農産物、水産物それぞれをテーマに、2名の専門家が基調講演を行います。その後、消費者の皆さまが普段の生活の中で抱いているさまざまな疑問や不安に対して、専門家、行政関係者、参加者の皆さまと意見交換を行います。食品中の放射性物質とどう向き合っていくかなどについて、一緒に考える機会です。

参加募集人数は、100名です。お申込みは、インターネット、電子メールまたはFAXで受け付けます。締め切りは、11月2日(月)です。なお、取材のお申込みについては、「6 報道関係者の皆さまへ」をご参照ください。

本意見交換会は公開です。ただし、カメラ撮影は冒頭のみ可能です。

1 開催概要
  開催日時:平成27年11月6日(金)13時30分~16時15分(開場時間 13時00分)
  開催場所:小田原お堀端コンベンションホール  
       http://www.jumbo-nakbuilding.jp/access
      (神奈川県小田原市栄町1-14-48 ジャンボーナックビル5階)

2 募集人数  100名
  ※希望者多数の場合には、抽選とさせていただくことがあります。

3 主催  消費者庁、内閣府食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、神奈川県

4 プログラム内容
  ・ 開会
  ・ 基調講演
    1)「放射線の基礎知識と食品中の放射能」
      福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 農・環境復興支援部門 
      放射能汚染対策担当 特任准教授 博士(農学) 大瀬 健嗣氏
    2)「福島第一原発事故による水産物の汚染の今」
     国立研究開発法人 水産総合研究センター 中央水産研究所
     海洋・生態系研究センター放射能調査グループ 博士(農学)森田 貴己氏

  ・ 神奈川県担当者からの情報提供(食品中の放射性物質検査について)
  ・ 会場との意見交換
  ・ 閉会

5 参加申込要領 (1) 申込方法
参加を希望される方は、インターネット、電子メール、FAXのいずれかの方法でお申込みください。幅広い参加を図る観点から、同一団体からの複数名の参加はご遠慮いただく場合があります。
   

インターネット   http://2015riskcom.net/odawara/
「参加申込み入力フォーム」に必要事項を明記の上、お申込みください。

電子メール  shouhishacho@intergroup.co.jp 別紙の参加者記入欄の項目を明記の上、左記アドレスにお送りください。

FAX   03(5549)3201
別紙の参加申込書に、必要事項を明記の上、左記の申込先にお送りください。

・電話でのお申込みはご遠慮ください。
・複数名でお申込みの場合は、お一人ずつお申込みください。
・お申込みによって得た個人情報は厳重に管理し、
参加確認に関する問い合わせなど、
 ご本人への連絡を行う場合に限り利用いたします。

・保育ルームを用意しています。

 ご希望の方はお申込みの際にその旨お書き添えください。
 詳細について、改めて事務局より連絡します。

(2) 申込締切 平成27年11月2日(月)17時
   

※保育ルームのご利用については、10月30日(金)12時までにお申込みください。

(3)留意事項
1)参加の可否については、開催前日までにお申込みいただいた方法(電子メールまたはFAX)でご連絡します。参加者には「参加証」をお送りしますので、当日に会場の受付でご提示ください。開催前日までに何も連絡がなかった場合には、「8 申込に関するお問合せ先」までご連絡ください。

2)今回の意見交換会は、質疑応答での発言内容を含め、公開です。発言者、参加者の写真や映像が配信、報道される可能性があることをあらかじめご了承ください。

3)参加に当たっては、次の留意事項を遵守してください。これらを守れない場合は、参加をお断りすることがあります。
 (ア) 携帯電話などの電源はお切りください。
 (イ) 会の開催中は静粛を旨とし、以下の行為を慎んでください。
  ・発言者の発言に対する賛否の表明または拍手
  ・意見交換時における長時間の発言
  ・開催中の入退室(ただし、やむを得ない場合を除く)
  ・報道関係者を除き、会場においてのカメラ、ビデオ、ICレコーダー、

   ワイヤレスマイクなど録音・録画機器の使用
  ・新聞、雑誌その他本件に関係のない書類などの読書
  ・飲食(お茶などを除く)、喫煙
 (ウ)その他、事務局職員の指示に従ってください。

6 報道関係者の皆さまへ 

今回の意見交換会は公開ですが、写真や動画撮影は冒頭のみとさせていただきます。取材を希望される方には、別途席をご用意しますので、開催前日までに、「5 参加申込要領」に従い、お申込みください。お申込みの際、報道関係者である旨を必ず明記してください。
また、開催日当日は受付で名刺をお渡しください。

7 その他

この意見交換会の開催案内や参加者の募集は、関係府省庁や神奈川県においてもプレスリリースを行っています。

8 申込に関するお問合せ先
 「食品に関するリスクコミュニケーション」運営事務局  担当: 高田
  電話:03(5549)6912 
  Email:shouhishacho@intergroup.co.jp

検査前のアズキ販売 福島県「食べても問題はない」

2015年10月31日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151031-024503.php

県は30日、棚倉町にあるJA東西しらかわの農産物直売所「みりょく満点物語棚倉店」で、出荷の可否を判断するための放射性物質検査が行われる前のアズキ計21袋(1袋300グラム)が販売され、流通したと発表した。検査前のアズキが市場に流通したのは初めて。県が自主回収を始めた。売れ残っていた袋は全て放射性セシウムが不検出だったことから、県は「食べても問題はない」としている。

県によると、同町の旧棚倉町、近津村、高野村の3地区の農家3戸が9月26日から今月30日にかけてアズキ31袋を出荷、このうちの21袋が販売された。

アズキは、旧市町村単位で県が毎年行う抽出調査で安全性が確認されたものだけが販売可能となるが、同直売所の職員は、店舗で自主検査をして問題がなければ出荷できると誤解していたという。

県は関係者に周知するとともに「再発防止に努める」としている。自主回収に関する問い合わせは同直売所(電話0247・33・1212)へ。

松戸市甲状腺超音波検査判定結果


2015年10月16日  松戸市HPよりhttp://www.city.matsudo.chiba.jp/chuumoku/houshasen/taisaku_taiou/kenko/koujousenn.html

松戸市では、平成26年6月より甲状腺超音波検査を実施し、その費用の一部助成をしています。これまでに検査を受けた方の判定結果をお知らせします。

甲状腺超音波検査判定結果(平成26年6月1日から平成27年9月30日)単位:人



平成27年度甲状腺超音波検査の実施及び検査費用の一部を助成についてはこちらから
http://www.city.matsudo.chiba.jp/chuumoku/houshasen/taisaku_taiou/kenko/koujousen.html


健康福祉部 健康推進課
千葉県松戸市竹ヶ花74番地の3 中央保健福祉センター内
電話番号:047-366-7485


2015/10/31 福島民報
国内の金属加工の研究者らでつくる日本塑性加工学会の第66回塑性加工連合講演会は31日まで、いわき市文化センターで開かれている。二日目の30日は福島高専の佐藤正知特命教授が「福島第一原子力発電所の廃炉に関する技術開発と人材育成」と題し、特別講演した。

佐藤特命教授は原子力規制委員会が新設する特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会の外部委員に選ばれている。東京電力福島第一原発の現状について説明した上で、喫緊の課題として溶融燃料取り出しのための廃炉ロボットの開発などを挙げた。福島高専が取り組む教育プログラムについて説明し、「復興に貢献したいと考える若者の思いに応える教育が重要」と強調した。
 
30日は富岡町や東京電力福島第二原発を視察した。最終日はいわき市で放射性物質の本県産米全量全袋検査の取り組みなどを視察する。
 
講演会は東日本大震災の復興支援を掲げており、研究者をはじめ金属加工に携わる企業関係者ら約400人が参加している。


廃炉に向けた教育の在り方
などを説明する佐藤氏

2015/10/30

柏市甲状腺超音波(エコー)検査判定結果

2015年10月30日 柏市HPより

柏市甲状腺超音波(エコー)検査判定結果

柏市では、平成27年7月より、甲状腺超音波(エコー)検査による費用の一部を助成しています。これまでに測定を受けた方の結果をお知らせします。

(補足)甲状腺超音波(エコー)検査測定費用の助成制度についてはこちらをご覧ください。
甲状腺超音波(エコー)検査測定結果(平成27年7月1日~平成27年9月30日) 






お問い合わせ先 柏市保健所 総務企画課 / 電話:04-7167-1255 / メールフォーム

東日本大震災から4年半(下) 【インタビュー】「うけいれネットワーク ほっと岡山」の服部育代さん

2015年10月9日 山陽新聞
http://www.sanyonews.jp/article/239931/1/

2011年3月11日に発生した東日本大震災で、被災エリアや周辺地域から多くの被災者らが岡山県に避難、移住してきた。その数は西日本で最も多く、あらためて自然災害が少ない岡山の「安心・安全」を全国にアピールすることになった。その背景には県内に避難してた被災者らが組織した支援ネットワークの活動があった。民間支援団体のネットワーク化した「うけいれネットワーク ほっと岡山」(岡山市北区南方)。共同世話人の服部育代さん(43)=同建部町=に大震災発生から4年半を経た県内の被災者の現状や今後の課題などを聞いた。(おかやま財界)

食の安全や環境など共通テーマで地域住民と交流を

―被災エリアやその周辺から岡山県に移住してきた被災者たちの現状は。


復興庁の9月10日現在の数字では、県内に自主避難を含めて1134人の被災者がいる。その数は岡山が西日本で最も多い。地域的には岡山、倉敷市を中心に県内18市町村にまたがっている。しかしこの人数は総務省の避難者登録システムや避難先の自治体などに登録した人たちが中心で、実際にはこのほかにも関東圏などから脱出してきた人がかなりいる。大気や土壌の放射能汚染を心配して自主避難してきた人を含めると、実際はその2倍から3倍は確実にいるという指摘もある。地域的にも県内全域に拡大しているのではないか。被災エリアの避難指示解除で帰還する人がいれば、逆に放射能汚染を警戒して関東圏から新規に移住してくる人が今も後を絶たない。ふるさとに帰還する人、新規に入ってくる人で、県内にいる避難、移住者の数はほとんど変わっていない、と聞いている。

―なぜ多くの被災者が避難、移住先として岡山県を選んだのか。

私の場合は大震災が発生した年の2011年8月に東京都国分寺市から子ども2人と一緒に岡
山市北区建部町に引っ越してきた。移住を決断したのは東電福島第1原発の事故だった。建部町地区はまったく地縁、血縁がなかったが、夫を残しても子どもの健康を考えると一刻も早く東京を脱出したかった。移住先を選定するため日本地図を見回し、まずは原発のないところ、原発からより遠く離れている地域に住みたいと思った。岡山県南部がその絶好のピンポイントだった。もちろん津波や地震の発生が少ないことも大きな理由だった。県内に住む多くの避難者もたぶん私と同じ気持ちだったと思う。大震災を機に被災エリアや関東圏から、自然エネルギーの研究・実践者などキーパースンとなる人が次々と岡山に移住してきた。福島原発事故による子どもたちの放射能汚染問題で、持続的に検診を続けていた東京都内の内科医が、突然に安全な岡山市内に引っ越し開業したことに大きな衝撃を受けた。県内に先に移住した被災者がいち早く支援ネットワークを立ち上げ、現地情報を全国に発信したことも、岡山へ避難者が目を向けるきっかけになったのでは。

―地域コミュニティーに溶け込む難しさを指摘する声もあるが...。

最初は地縁も血縁もない土地だけに、本当に大変だったと思う。共通のテーマが子育てだったり、環境問題だったりするが、地域住民とのそうした話し合いから徐々に溶け込んでいったケースは多い。例えば建部町地区や和気郡和気町、総社市は被災者グループ仲間で人気スポットになっている。和気町では日ごろのお礼に被災者たちが定期的に地域の人を招く交流会があるし、笠岡市でも同じような試みを計画しているようだ。地域とともに子育てや環境について考え、行政を巻き込んで新しい動きが広がっている。地域の人は日常に慣れっこになって、ふるさとの良さに疎いが、外から入ってきた人にはよく分かる。お互いが刺激しあって、地域が変わっていけば新しい可能性が生まれる。

特に「食の安全」の問題は重要な共通テーマだと思う。避難者は放射能汚染に敏感なので、学校給食などをめぐって地域とよく議論したこともあったようだ。私も子どもの学校給食が不安だったので、当初は弁当を持たせて登校させた。文部科学省が大震災直後に学校給食では柔軟な対応をするよう通達を出し、岡山市はこれに沿ってある程度、弁当持参を容認してくれたので、これが被災者には好評だった。総社市の学校給食では被災家族と地域の人たちが何度も議論して、今でも放射線量を測定することになっている。食材が全国流通していることを考えれば、できれば家庭の食事も学校給食も地産地消が好ましいとは思う。

2012年に手にしたシイタケの放射線量をたまたま測ったら、360ベクレルの線量が測定されたことがあった。100ベクレルを超えると表示が必要になるので、相当なショックを受け
た。そのシイタケは広島県産だったが、よく調べてみると実は種菌を植え付けたホダ木が福島県産だった。風評被害は良くないが、食材は全国で流通しているので神経質にならざるを得ない。

食の安全や環境の問題などで地域の人たちととことん話し合うことは、コミュニティーを作っていくうえで大切なプロセスになる。安全や環境は被災者だけの問題ではないから。

―行政への注文は。

国、県、市町村の支援システムが非常に複雑で、被災者が問い合わせても即答できない行政担当者がかなりいたと聞いている。県や市町村は窓口を一本化してほしい。鳥取県は定住化促進のため、被災(罹災)証明がある被災家族には2018年度まで住宅を無償提供することにしている。それに比べ岡山県は今年3月から県営住宅の無償入居を打ち切った。市町村の公立幼稚園、保育園でも今年3月に無料化を廃止するところが出ている。被災家族はふるさとにマイホームを残したまま、住宅ローンを抱えながら移住してきた人も多く、経済的な負担が厳しい。関東圏の被災者の声を聞くと当初、岡山はダントツに移住先候補として人気が高かったが、最近は広島県などが定住化促進対策として、被災者の移住誘致に積極的に動いている。岡山はこれまでの評価を持続するため、もっと積極的な支援策を打ち出してもらいたい。

うけいれネットワーク ほっと岡山

被災地や関東圏から避難、移住してきた服部育代さんら5人が共同で2012年10月に設立。2014年6月から岡山市北区南方のNPO会館ゆうあいセンターに事務局を置き、活動している。県内にある被災者を支援組織する「おいでんせぇ岡山」(県下全域)、「子ども未来・
愛ネットワーク」(同)、「おかげデザイン」(総社市)、「よりはぐプロジェクト」(倉敷市)、「やすらぎの泉」(和気町)など11団体が参加。各支援団体と連携しながら避難者の受け入れ相談などの窓口となり、支援コーディネート、情報発信、政策提言などを行っている。

毎週火曜日から木曜日までの午前10時~午後4時、事務局で被災者相談に応じている。事前に電話(070-5670-5676)、またはメール(hotokayama@gmail.com)での予約も受け付ける。
支援者のコーディネート役を
つとめる服部育代さん




東日本大震災から4年半(中) 【記者メモ】被災者の声を地方創生に

2015年10月08日  山陽新聞
http://www.sanyonews.jp/article/239961/1/?rct=okayama_business

東日本大震災で被災者が一時避難、移住している岡山県内の主だった地域を訪ね、多くの被災者に会った。取材の動機は「なぜ岡山が西日本で飛び抜けて一時避難、移住者が多いのか」という素朴な疑問だった。地震など天災が少なく気象条件がいいし、「全国各地の原発にコンパスの芯を合わせて一定の半径で円を描いてみて、円内からすべて外れたのが岡山県南部」と話す被災者もいた。岡山の恵まれた立地条件が、放射能汚染に敏感になった関東圏などに住む多くの自主避難者を呼び込んだことは間違いない。

とはいえ、多くの被災者が岡山県を移住先に決めた要因は立地条件だけではない。大震災直後に避難してきた被災者が、仲間の被災者のための支援ネットワークを立ち上げたことも見逃せない。


インターネットや地域新聞を利用し、今住んでいる岡山の地域情報を東北や関東の被災エリアに向けて絶えず発信してきた。この「支援の連鎖」がうまく機能したことは大きい。被災者が一番に知りたいことは、移住先の絶対条件となる住宅の確保と子どもの教育環境、放射能汚染などがない「食の安全」に関する現地情報だ。

実は被災者支援については県、市町村がネットで支援メニューの情報を流している。しかし、内容がわかりにくく、情報が一元化されていないことなどから、不親切だとの指摘が多かった。

支援に積極的な自治体は危機管理室(課)などで窓口を一本化しているケースもあるが、そこでさえ実際に問い合わせてみると「住宅の問題は住宅課や都市計画課へ。公立幼稚園の授業料免除、小中学校の就学援助は教育委員会へ。保育料は...」と電話のたらいまわしが少なくなかったという。ワラにもすがる思いの被災者にとって、対応が適切でないと言われても仕方ない。

こうした中で被災者が一番頼りにしたのが先に移住してきた被災者による支援ネットワークの存在だ。倉敷市や総社市では被災者たちがいち早く支援ネットワークをつくり、現地の情報をはじめ、移住のための「お試し住宅」などの一時避難用の住宅を確保し、ネットを通じて全国に情報を届けた。いま定住する県内の被災者は、この情報を頼ってきた人が多い。行政にはもっとスムーズな情報提供システムの整備が必要だ。

移住先の選定でもうひとつ重要なファクターになっているのが、被災者グループと地域住民との交流がうまくいっているかどうか。被災者が最終的に移住先の条件にしたのは、自治体の支援制度だけでなく、受け入れてもらう地域コミュニティーの問題だったことがそれを裏付けている。被災者でつくる支援グループは、多くの壁を乗り越えながら地域に溶け込んでいった。岡山市北区建部町のケースでも取り上げたが、移住者が地域に同化するのはそう簡単ではない。地域住民との共通テーマは「食の安全」や「子育て」だったり、環境問題だったりした。さまざまな取り組みで、新住民との交流で地域の意識が変わっていった面も見られた。岡山県が全国の避難、移住先の「モデル県」になったのは、実は先に移住してきた“先輩被災者”の地道な努力があったからだろう。

被災者にとって残念だったのは、岡山県が被災自治体との間で「災害救助法」(※)の適用を
結んでいないという事実だ。同法は避難先の自治体エリアで被災者の住宅費を「みなし仮設住宅」として扱い、被災者に民間住宅を無料で提供することができる。福島県の場合、避難指示が出されていない比較的に放射能汚染が低い地域からの自主避難者にも、同制度が適用される。住宅費を国と被災自治体が負担することで被災者の経済的負担を軽減するのが目的だ。同法の適用を受けてない自治体は、岡山県など全国でもわずか。


岡山県は当初から独自の支援体制で対応するとして、空きがあれば県営住宅を4年間の期限付きの無料で提供、市町村でも公営住宅をある程度優先的に有料、無料で提供してきた。しかし、公営住宅は老朽化していたり、空きが少ない場合が多く、家族で移住してくる被災者からは敬遠されがち。結果として、県内にいるほとんどの被災者は親族、知人宅を除けば、大半が民間住宅に有料で入居し、経済的負担を強いられているのが現実だ。

さらに問題は、県営住宅の無償提供は県独自の判断で今年3月に新規分が打ち切られていること。それに比べ福島県の災害救助法は先ほど2017年3月までの延長が決まり、適用している避難先の自治体はその恩恵を受けることになった。なぜ岡山県は災害救助法の適用を受けなかったのか。疑問が残る問題だが、この点について県危機管理課は「いきさつがはっきりしない」と言うだけで要領を得ない。鳥取県は定住化促進の一環として支援の延長策を検討している。岡山県にも何らかの形で被災者の救済策を望みたい。

全国で地方創生計画が策定され、自治体は新規定住者を呼び込み、人口減少の歯止めにしようと躍起となっている。岡山県も例外ではない。外から人を呼び込める「安心で住みやすい地域」にするにはどうすればいいのか。被災者問題を定住化促進にどう位置づけるのか。自治体の定住化促進が掛け声倒れにならないよう、足元をしっかり見つめた施策が求められる。


(※)災害救助法
自然災害などで大きな被害が発生した地域で、被災者の収容施設や仮設住宅の確保などの応急的な救助を行い、被災(罹災)者の保護と社会秩序の保全を図るのが目的。被災都道府県がそれに関わる費用を負担、場合によっては国が一部を負担する。東日本大震災では岩手、宮城、福島、千葉県、東京都など10都県の全域、あるいは一部で適用され、被災者が避難した他の都道府県でも弾力的に運用。被災者が他地域に避難、移住する際、現地で被災者が住む民間住宅を「みなし仮設住宅」とし、原則被災エリアの自治体や国が家賃を肩代わりする。

東日本大震災から4年半(上) 岡山県の避難者の現状と課題

2015年10月07日 山陽新聞
http://www.sanyonews.jp/article/239930/1/

東日本大震災発生から4年半余り。震災直後、被災県から一時避難、あるいは定住目的で他府県への移住が相次ぎ、現在も被災エリアへの帰還は進んでいない。西日本で最も避難者、移住希望者が多い岡山県では、被災エリアからの一時避難は一段落したが、放射能汚染を懸念して東京をはじめとする関東圏から自主避難してくる移住組はいまだに後を絶たない。これに対し受け入れ側の県、市町村では公営住宅の新規提供などの支援措置を打ち切るケースも出ており、被災者からはもっと手厚い支援を求める声が高まっている。(おかやま財界)

岡山県への避難者数は西日本一


復興庁が発表した東日本大震災被災エリアからの全国避難者数は約19万5000人(9月10日現在)。このうち岡山県への避難者数は18市町村で1134人。被災エリア別では東電福島第1原発事故で放射能汚染があった福島県が317人、宮城県が68人、岩手県が5人。残りの744人は放射能汚染を避け、関東圏などから避難、移住してきた人たちだ。県内への避難、移住者数は西日本で一番多く、中国地方全体(1915人)の約60%で、四国4県(407人)の3倍弱に相当する。

岡山市北区建部町。旭川の近くで民家のリフォーム工事が進んでいる。近く東日本大震災の被災区域・栃木県からの移住家族が入居する予定だ。現場で忙しく大工仕事をこなす同町吉田、大工大塚愛さん(41)。大塚さんも実は大震災直後に福島県から両親がいる岡山市に家族で一時避難、翌2012年に建部町に来た移住組だ。福島県の実家は福島原発から約30キロ圏域にある双葉郡川内村。村内の一部が汚染エリアに指定されたが、今年10月1日に避難指示が解除された。汚染エリア以外の地域でも2年前から村が避難者に帰還を呼びかけているが、実際に帰還したのは500人程度で村内人口約3000人のうち、約1000人が他地域に“流出”したまま。大塚さんも今のところ帰還の意思はなく建部町に定住を希望している。

現在、建部町地区には大塚さんと同じように大震災を機に被災県や放射能汚染を心配して関東圏から一時避難、永住希望で移り住んできた家族が10世帯いる。多くの家族が大震災直後に大塚さんらが運営する支援団体「子ども未来・愛のネットワーク」の情報を頼りに建部町に移った。同ネットワークは大塚さんが代表を務め、2011年5月に被災者仲間らで立ち上げた。移住希望者の「お試し宿泊」施設を提供するシェアハウスを運営し、岡山産の野菜を福島県に直送する野菜プロジェクトなどを企画。メール会員などを募って被災地と岡山を結ぶ情報ネットワークを持ち、岡山の情報を被災者に発信している。また、福島原発事故の影響で、将来移住を検討している福島県内の被災者やその周辺被災者を対象に1週間程度、玉野市に滞在してもらう「保養プラン」を2012年冬から毎年実施、これまで9回開催し被災者約400人を招待した。こうした努力が実って過疎地域の建部町吉田に相次いで避難者が移住し、現在地元の竹枝小学校の全校児童33人のうち3分の1が避難家族の子どもで占められている。

避難移住者と地域住民との交流が大切

「被災者の意見を聞くと、希望の移住先は現地に被災者ネットワークがあり、放射能の安全性が確保されていること。教育環境も大切。それに食物が安全であること。もちろん原発から遠距離にあることが絶対条件。加えて地域住民とうまくやっていけるコミュニケーション組織があるかどうかが課題」と大塚さん。新規移住者と地域住民との壁をどう乗り超えるか。それは移住者にとって最大の関心事であり、避難者・移住者を支援する団体のネットワーク「うけいれネットワーク ほっと岡山」の服部育代さん=岡山市北区建部町=は「移住者と地域住民との交流がうまくいっている地域が、結果的に移住、定住先としての人気が高いところ」と言う。

ただ、建部町地区でも移住者と地域住民との交流が最初から順調だったわけではない。地元の竹枝小学校児童の3分の1が避難家族の子どもだったことで、一時は「村が乗っ取られる」という根も葉もない噂(うわさ)が一部に出たことがあった。学校給食の問題もあった。放射能汚染に敏感な移住者は一部で弁当持参を要望し、学校と話し合いで了解を得た。食品放射能測定器を使って地域の食材を検査するなど、「食の安全」を確保する運動を進め、移住者と地域住民との意識の溝を埋めていった。小学校活動で旭川の動植物を守る運動にも地域と一緒になって取り組んだ。「共通のテーマでお互いが理解を深め合い、地域住民との交流を深めていく作業は地道で多くの時間が必要」と大塚さん。地域住民との交流の場「よりカフェ」を定期的に開催し、3カ月に1回の割合で地域住民と一緒に町内新聞「タネピリカ」を発行。大塚さんは「いろいろ課題はあったが、地域に溶け込むことを考え、自然保護や原発問題など共通したテーマで地域の人とともに考え行動することができたのがよかった」と振り返る。


総社市、和気町でも民間の受け入れ態勢を充実

岡山市北区建部町、倉敷市と同様に、被災者の受け入れネットワークが進んでいるのが総社市と和気郡和気町。総社市北部の昭和地区では、被災地域からの避難者、移住者らがメンバーの被災者支援ネットワーク「おかげデザイン」を中心に、総社市、地区社会福祉協議会、地区婦人会、民間のまちづくり団体など6団体が協力して「おかやま昭和暮らしプロジェクト」を推進中。

これまで地域の歴史を紹介するドキュメンタリー映画を製作、まちづくりなどをテーマに定期的な公開ミーティングを開催している。9月21日には被災住民と地域住民ら約50人が参加して、同市内の吉備路で戦争反対、原発反対などのプラカードを持って「ピクニックデモ」も企画。その中心的なリーダーで大震災の年の2011年に東京から家族5人で移住した小林ふみこさん(39)=同市三須=は「被災者が地縁のない場所で住宅を探すのは大変。地域の温かい協力があったので総社市を選んだ」と話す。現在、正式に届け出たケースだけで約100人の被災者、自主避難者が同市で生活している。

和気郡和気町衣笠地区も、被災者の間で注目されている避難、移住先候補地。その拠点となっているのが母子避難シェアハウス「やすらぎの泉」。2011年7月に、地域のボランティアが空き家の古民家をリフォームして被災母子を受け入れ、翌年には別館を整備した。格安の料金で部屋を提供し、多くの被災母子が一時避難的に共同生活を送っている。施設を退去後は地域内に定住する被災者も多く、地域住民と協力して無(減)農薬の野菜を宅配したり、合唱団を結成して県内の被災者に呼びかけた定期的な合唱ミーティングを開くなどの活動を続けている。

県外から移住してくる被災者のためリフォームを手伝う
「子ども未来・愛の
ネットワーク」代表の大塚愛さん=岡山市北区建部町
地域住民と一緒になって「おかやま昭和暮らしプロジェクト」の一環で
実施
したピクニックデモ=総社市の吉備路

【報道まとめ】「『避難の権利』を求める全国避難者の会」設立集会

福島原発事故:住宅や健康・医療保障要求へ 避難者の会
2015年10月29日 毎日新聞 

http://mainichi.jp/select/news/20151030k0000m040114000c.html

東京電力福島第1原発事故の避難者らでつくる「『避難の権利』を求める全国避難者の会」が29日、参院議員会館で設立集会を開いた。避難者同士が団結し、避難生活を支える住宅や健康・医療の保障などを国や自治体に求めることを決めた。

集会には約130人が参加した。政府と福島県は2017年3月までに「帰還困難区域」を除いて避難指示を解除し、自主避難者へのみなし仮設住宅の提供を打ち切る方針を示しており、「原発避難者が消されようとしている」との危機感を訴える声が相次いだ。

福島県いわき市から埼玉県内に2人の子どもと自主避難する河井加緒理さん(34)は「子どもたちから『いつここを出ていかないといけないの』と聞かれてつらい」と訴えた。 避難指示区域内からの強制避難者、区域外からの自主避難者のほか、やむを得ず帰還した人も入会できる。問い合わせはhinannokenri@gmail.com。12月12日に京都市で第2回集会を開く予定。【日野行介】


原発事故で「避難者の会」設立
2015年10月29日 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151029/k10010287201000.html

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて避難を続ける人たちが29日、全国規模の組織を設立し、政府に対して住宅の無償提供の継続などを求めて活動していくことを決めました。

設立されたのは、「『避難の権利』を求める全国避難者の会」です。29日、東京の議員会館で開かれた集会には原発事故で自主的に避難している人などおよそ130人が出席しました。

福島県は、避難指示区域の外から自主的に避難している人に対する住宅の無償提供を再来年3月で打ち切ると決めています。出席者からは避難の現状が報告され、福島県いわき市から埼玉県に2人の子どもと避難している女性が、避難が要因となって夫と離婚し現在は生活保護を受けていることを報告し、「子どもたちを守ろうと避難しただけで、私たちは一切、悪いことをしていません。これ以上、生活環境を変えたくありません」と訴えました。そして、今後、会として避難者の声を集め、政府に対し、住宅の無償提供の継続や健康診断の充実など、避難区域と同様の支援を求めていくことを決めました。

会の共同代表で福島市から札幌市に自主避難している中手聖一さんは「避難者に対する支援が先細りするなかで、避難の継続が非常に難しくなってきている。私たちには被ばくせずに生活する権利があり、必要な支援を求めていきたい」と話していました。


原発事故避難者ら、全国組織を結成 支援継続など求める
2015年10月29日 朝日新聞

http://www.asahi.com/articles/ASHBY0BY3HBXUGTB01R.html

東京電力福島第一原発事故で福島県や近隣から各地に避難した個人や、避難先で支援団体などを組織した約130人が29日、東京に集まり、初の全国横断組織「『避難の権利』を求める全国避難者の会」を結成した。

政府は帰還困難区域を除く避難指示区域について、2017年3月までに避難指示を解除する方針。福島県も同じ時期に、避難指示区域以外からの自主避難者への住宅無償支援を打ち切る構えだ。避難者の会は、避難指示区域からの避難者と協力し、国や自治体に支援策の継続や、東電に賠償継続などを求めていく。
 共同代表に選ばれた、介護サービス業の中手聖一さん(54)は、福島市から家族で札幌市に自主的に避難している。中手さんは「低線量でもリスクはある。特に支援の薄い自主避難者は貧困か帰還しての被曝(ひばく)生活の二者択一を迫られる」と話す。


「当たり前の生活」訴え 原発事故避難者が全国組織
2015年10月30日 農業新聞

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35180

東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う避難者らが「『避難の権利』を求める全国避難者の会」を結成し、29日に東京・永田町の参議院議員会館で設立集会を開いた。福島から全国に散らばった避難者同士のネットワークを立ち上げることで、「避難者が当たり前の暮らしができる」ための権利を保障する法律や支援策を政府などに求めていく。

設立集会には避難者30人と支援者ら140人が出席。会の共同代表を務める中手聖一さん(54)は「避難者の権利という基本的人権が保障されていない現状に対して声を上げたい」とアピール。

避難当事者も口を開いた。福島県大熊町で有機農業に取り組んでいた大賀あや子さん(42)は「今でも田植えをしている夢を見る」と農への思いを明かし、「当事者で会を設立することで、さまざまな避難者が一つになれる」と期待を寄せた。現在は新潟県阿賀野市で暮らし、農業再開を目指す。

避難を機に夫と離婚、母子で避難生活を送っているという女性は、生活保護をもらわざるを得ないと告白、「(自主避難者への)住宅提供が打ち切られたら生きていけない。避難する権利を奪わないで」と訴えた。

原発事故からの避難については、政府の命令に基づく強制避難と自主避難がある。政府は住民が帰還できる環境が整ったとして2017年3月までに帰還困難区域以外の地域に出している避難指示を解除し、福島県も同時期までに自主避難者に対する住宅の無償提供を打ち切る方針だ。

このため会は避難者同士のネットワークを作りながら、住宅補償や実態把握などを求める活動に取り組んでいく。


原発事故の避難者ら全国組織結成 東京で設立総会
2015年10月30日 新潟日報

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20151030214453.html

東京電力福島第1原発事故による本県などへの避難者らが、「避難する権利」を求めて全国避難者の会を結成、29日に東京都内の参議院議員会館で設立総会を開いた。避難の権利確立への立法や住宅保障などの支援策を求めるほか、避難者の連携強化、実態把握などにも取り組んでいく。

福島県大熊町から阿賀野市に避難する大賀あや子さん(42)ら全国の避難者有志が呼び掛け、全国の避難者や支援者、国会議員ら約140人が集まった。

代表の中手聖一さん(54)=札幌市在住=は「福島への帰還を否定しないが、政策があまりに偏っている。被ばくなき居住、貧困なき避難は生きる権利だと思う」と述べた。

福島県では県内外に現在も約10万人が避難。本県では9月末現在、福島県以外の人も含め3718人が確認されているが、全国的な避難者の全容は把握されていない。会では東電からの賠償内容や立場の違いで溝が生まれがちな強制避難、自主避難を区別せず、被災時の居住地も問わない。

除染が続く福島県では避難指示の解除や、解除に向けた準備宿泊が始まっており、自主避難者への住宅無償提供は2016年度末で打ち切られる。しかし、会の賛同者には小さな子どもの親も多く、避難指示の有無にかかわらず放射線被ばくの懸念を拭えずにいる。

会の役員を務める大賀さんは「避難者同士、距離や立場を超えて出会い直したい。新潟でも会への関心の高まりを感じている」と期待を語った。問い合わせは中手さん、080(1678)5562。


福島第1原発事故の避難者らが交流を深めた
「全国避難者の会」の設立総会=29日、東京都内




 

トリチウム事故前と同水準 県内の海水、南相馬の河川

2015年10月30日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2015103026360

東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質トリチウムの濃度を県内の沿岸部の海水と南相馬市の河川で調査した結果、原発事故前とほぼ同水準にまで低減していることが、福島大うつくしまふくしま未来支援センターの島長義特任研究員の研究で明らかになった。時間の経過とともに攪拌(かくはん)されるなどして希釈されたためとみている。

県内沿岸部の調査地点は相馬市尾浜、南相馬市原町区、富岡町仏浜、いわき市四倉町の4地点。平成25年4月から6月にかけて、海水1リットル当たりに含まれているトリチウム濃度を調べた。その結果、4地点とも0.25ベクレル以下だった。原発事故前の22年に県が実施した調査では0.4ベクレル以下(検出限界値未満)だったため、原発事故前の水準にまで低減したと判断した。

河川の調査は原発事故後の23年3月26日に南相馬市鹿島区の真野川、原町区の新田川と太田川で、24年6月に同市小高区の小高川で開始した。真野、新田、太田の3河川のトリチウム濃度は23年3月に1リットル当たり3.3~1.9ベクレルと比較的高い値だったが、約9カ月後の12月には各河川とも1ベクレル程度に低下した。県が14年に実施した数値とほぼ同じだった。小高川は1ベクレル程度で大きな変動は認められなかった。

トリチウムは福島第一原発事故で発生した汚染水から十分に除去できない物質として処理方法が課題となっている。


原発事故前と同程度 福島県沿岸、海水・河川の水調査
2015年10月29日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151029-023894.php


東京電力福島第1原発事故で放出され、環境中の水に含まれて存在している放射性物質のトリチウム(三重水素)の濃度について、本県沿岸の海水や南相馬市の河川の水を調べた結果、いずれも原発事故前と同程度となっていることが分かった。海流などで薄まったとみられる。環境放射能が専門の島長義福島大うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員(38)が28日、調査結果を明らかにした。

福島第1原発で保管中のトリチウムの処分をめぐり、経済産業省の作業部会は「海洋への放出」や「深い地層に注入」などの方法を模索している。島氏は、トリチウムの人体への影響について、放射性セシウムの約千分の1にとどまると指摘した上で「どの方法でも環境中の濃度変動を確認するには処分前の濃度を調べる必要がある」と調査の意義を語った。福島大が28日に福島市で開いたシンポジウムで発表した。

海水は原釜尾浜(相馬市)北泉(南相馬市)富岡(富岡町)四倉(いわき市)の4海水浴場で採取した。第1原発の汚染水漏れが問題となった2013(平成25)年4~6月に採取した海水1リットル当たりのトリチウム濃度は、検出限界値未満から0.25ベクレル以下だった。東電が事故前の10年、第1原発付近で測定した際は同0・50ベクレル以下で、それよりも低い結果となった。

一方、河川は南相馬市の真野川、新田川、太田川、小高川で調査。事故直後の11年は同2~3ベクレルと比較的高い値を示したのに対し、13年は同0.50ベクレル前後で事故前と同程度だった。

【栃木】 抗議したばかりの塩谷町へ 環境省が再度DM

2015年10月30日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201510/CK2015103002000201.html

高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)の候補地がある塩谷町の全世帯に、環境省が処分場の必要性を訴える二度目のダイレクトメールを送ったことが、同省への取材で分かった。国は九月、処分場計画への質問を募る返信用封筒入りの手紙を町の全世帯へ初めて送り、町が今月二十二日、「町民の不安をあおる」と抗議文を送ったばかり。町は今後、再度の抗議も視野に、対応を協議する。

環境省によると、今回の手紙は二十七日付で郵送。前回の手紙を送った後、町民から寄せられた「なぜ指定廃棄物を県内一カ所に集めるのか」という質問への回答を文面で紹介した。一時保管場所の写真とともに、「自然災害で飛散・流出するリスクがある」「複数に点在した場所での管理は災害時の早急な対応が難しい」などの見解を載せた。

同省の担当者は「町が前回の手紙に抗議したことは承知しているが、町が処分場計画に関する地元説明会を拒否している中、町民の疑問に直接答える方法を考えた」と説明。手紙は町の全世帯に当たる約四千世帯へ送り、数百通の返信があったという。国は今後、同様の手紙を随時送る方針。

塩谷町総務課の担当者は「国に抗議をしてから間もないのに、どのような考えで送っているのか分からない」と不信感をあらわにした。 (大野暢子)

【カンパ呼びかけ】小さき花 市民のための市民のGeラボ  東北初の市民によるゲルマニウム半導体放射能測定機器導入のためのカンパ呼びかけ


(これまでさまざまな集会等でお会いしてきた、仙台に測定所を開設し続けている石森さん。こんな取組みを始めるそうです。やはり測定能力を考えると、ゲルマニウム半導体検出器を使える環境が欠かせません。市民の力で前に進もうとする小さな測定所にぜひ支援の輪が広がりますように。   子ども全国ネット)

小さき花 市民のための市民のGeラボ より
シェア、拡散、どうかよろしくお願いいたします。

http://ameblo.jp/foreston39/entry-12087500394.html
  
東北初の市民によるゲルマニウム半導体放射能測定機器 導入予定日2015年11月

ひとり ひとり かけがえのない命 すばらしい命 何よりも重い 大事な命
僕は震災で亡くなっていった人の命 自分の畑の肥料にもなれず捨てられて行った野菜の命を思う度、すべての命がちゃんと全う出来るように願うのです。

原発事故後、を、僕たちは生きています。放射線がどこまで安全でどこまでが安全じゃないか、どうにもよくわからない中を、僕たちは生きています。
そんな僕たちが今できること 今やらなければならないこと
それは命を守ること 命のリスクをできるだけ減らすこと 放射線被曝を少なくすることだと思います。
僕たちは、東北に住んでいます。
厚生労働省が、全国の放射性物質の摂取量を報告しました。
ナンバーワンが宮城県でした。 ナンバーツーが岩手県でした。
不安に駆られる宮城県のお母さんたちは今秋田県へと甲状腺の検査のために行かなければなりません。
僕たちは今、小さな放射能測定室を運営しています。東北の被曝の被害をなるべく少なくするためいのちを守ろうと一所懸命測定を続けています。
でも、機械の限界があるのです。
水や母乳や尿を測ることは、とても難しい。空気の中の放射性物質を測るのは難しい。
だから僕たちは、あつまりました。
こどもや母親のために、どうしても、「ゲルマニウム半導体放射能測定機器」が必要です。私たちは、「小さき花 市民のための市民のラボ(市民ラボ)」を設立しました。
これは、市民の放射能測定室です。
放射能測定を必要としている人の測定室です。一番小さく弱い立場の人の測定所です。一番困っている人の測定室です。本当に必要なものはお金がなくても測れ、本当に測定必要なものから測る本当に困ってる人が利用できる測定室です。

未来の東北のための測定室です。・・・そんな測定室にしていきたいと思っています。
「小さき花 市民のための市民のラボ」。
ここが、東北の放射能測定所が集う場所になればと願いながら、
ここに、いのちのための施設を設立します。
  「小さき花 市民のための市民のラボ」 石森秀彦


カンパのお願い 運搬、搬入だけで160万円、その他測定室の工事などを含め200万円がどうしても必要です。
現在、小さき花市民の放射能測定室(仙台)は、代表( 石森) 持ち出しは690万円になっており2011年以来、人件費、経費はいただいておらず、4年間無報酬でやっております。

あらためてカンパよろしくお願いします。
カンパはちょっとという方も測定を依頼して頂けると、うれしいです。
決して皆様のカンパは無駄にしません。人件費、家賃をかけない自立した測定室をめざしています。

小さき花市民の放射能測定室(仙台)
代表者 石森秀彦


口座:ゆうちょ銀行 チイサキハナシミンノホウシャノウソクテイシツ( センダイ)
店名:ハ一ハ( ハチイチハチ) 
店番:818 
普通預金 

口座番号:25981911

PeyPal.ペイパル、ネット.カードからのカンパはこちらからhttps://www.facebook.com/chiisakihana/posts/564700586954391

 

2015/10/29

アカデミーキャンプより クラウドファンディングサイトにて寄付呼びかけ中!

(学生たちが関わりながら、福島の子どもたちの保養&学び活動を長く続けている「アカデミーキャンプ」。昨年夏には、伊達市の子どもたちと「動く英語教室」を実現してくださいました。クラウドファンディングの呼びかけが海外向けに展開されています。ぜひシェアで広がり、海外のみなさまにも届きますように。 子ども全国ネット)

【少しずつ、少しずつ】社会貢献活動のための国際クラウドファンディング

アカデミーキャンプ http://academy-camp.org/ では、
福島の子どもたちに安心して学び・遊べる環境が戻るまで、
継続的に開催していく気概で取り組んでおります。
つきましては、本キャンプの趣旨をご理解いただききまして、
協賛・寄付のご協力をいただきますようお願い申し上げます。


米国・英国のクラウドファンディングサイト GlobalGiving にて、ご寄付を募集しております。クレジットカードや PayPal をご利用できます。

GlobalGiving UK (英国) では、日本時間の 10月26日(月) 23:00 から 1週間、用意された £7,500 の資金が尽きるまでの間、おひとり様 £50 (約9,000円) までのご寄付に 50% が上乗せされる "Little by Little by Little" キャンペーンを開催しています。
この機会に、より多くのみなさまから福島のこどもたちへのご支援を賜りたく、ぜひアカデミーキャンプを応援いただけたら幸いです。http://www.globalgiving.co.uk/projects/academy-camp/


School Of Fun For Children In Fukushima
http://www.globalgiving.co.uk/projects/academy-camp/



Summary

Many children in Fukushima, Japan, are affected by the fear of health risks from radioactivity having been released in the air by the nuclear disaster since March 2011. We conduct a series of outdoor/indoor camps to give such children what they miss and more: playing and learning opportunities in an extreme fashion, with university professors, corporate researchers, artists, athletes and other professionals, assisted by university students as elder friends of the children.

What is the issue, problem, or challenge?

Many parents in Fukushima have been reluctant to let their children play outside, because of uncertain health risks of radioactivity. The uncertainty leads to differences in opinions, which in turn often lead to discords within families and communities. Healthy growth of children is at risk. Studies show slight decrease in physical strength of elementary school students and large increase in child abuse (75.8% more in 2012) in Fukushima, presumably caused by the limited activities and discords.

How will this project solve this problem?

We provide what those children and their families need: diversity of experiences and lots of fun. We bring about 40 elementary, junior high or high school students at a time to areas with lower radiation levels, to conduct a series of camps during vacations (5-day camps in summer and winter) and weekends (almost monthly), packed with playing, learning and team-building facilitated by professionals in a variety of fields. We also promote communication among parents of participating children.

Potential Long Term Impact

Fundamentally, problems lie in the political and economic gap between Tohoku region including Fukushima and Tokyo metropolitan area, which brought nuclear power plants to the region to begin with. Our camps are intended to bring up young leaders in Tohoku, and at the same time to increase the number of concerned people in the metropolitan area by recruiting our volunteers there. We expect to continue our camps for many years, estimating that a total of over 20,000 children will be benefited.

Funding Information

Total Funding Received to Date: £66,915
Remaining Goal to be Funded: £14,485
Total Funding Goal: £81,400
Additional Documentation
This project has provided additional documentation in a PDF file (projdoc.pdf).

ResourcesThe official web site of Academy Camp
The official Facebook page in English

相馬の食、安全発信…食材付き情報誌

2015年10月29日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20151028-OYTNT50155.html


「そうま食べる通信」創刊号を手にする小幡さん(28日、相馬市で)

東京電力福島第一原発事故の風評を払拭するため、相馬地方の魚介類や農産物の安全性と生産者の素顔を紹介する情報誌「そうま食べる通信」が28日、創刊した。紹介した食材をセットで届けるのが特徴で、創刊号は相馬沖の試験操業で取ったシラス200グラムと一緒に県内外の購読者約70人に発送された。

編集長を務める相馬市の建設会社社長、小幡広宣さん(39)は8~9月、取材のためシラス漁に3回同行。漁師の情熱や漁の思い出などを8ページの特集記事にした。「放射性物質検査で安全だと言うだけでは消費者に届かない。真摯しんしに取り組む生産者の姿を伝えることが風評払拭につながる」と力を込める。

2013年7月に岩手県のNPO法人が発行した「東北食べる通信」をきっかけに全国各地で創刊され、「そうま食べる通信」は14番目となる。県内では「高校生が伝えるふくしま食べる通信」もある。

創刊号はA4判16ページのフルカラーで3500円(税・送料込み)。年4回発行予定で、次号は来年1月に相馬市の若手農家が育てた自然卵を特集する。購読はホームページ(
http://taberu.me/soma/)で申し込む。

原発避難者が全国組織を発足~「避難の権利」求め

2015年10月29日 ourplanet tv
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1996


 
東京電力福島第一原発事故によって避難を余儀なくされている避難者らが29日、当事者組織「「避難の権利」を求める全国避難者の会」を発足した。東京都内で設立記念集会が開かれ、全国に散らばった避難者30人を含む140人が会場を埋めた。

「つながろう!はじめの一歩~たしかめあおう足跡、そして未来へ~」と題された設立総会。福島市から札幌に避難している中手聖一さんと郡山から京都の避難している宇野朗子さんが共同代表に選ばれた。宇野さんは、「「避難の権利」とは、原発事故による放射能汚染をこうむった地域の人々が被曝による被害を避けるために、避難を選択することができ、実質的な支援が存在するための権利」であるだけでなく、「現在も汚染のある地域で暮らす人々が保養や医療支援が存在し、避難するか、そこにとどまるかを自己決定できるための大切な権利だと思う」と延べ、避難の権利を保障させるために動いていきたいと呼びかけた。

この後、リレートークでは、福島から札幌市に自主避難した高校教師の宍戸俊則さんをはじめ、東京都から石川県小松市に避難した奈良井伸子さん。大熊町から大熊町から新潟に避難した大賀あや子などがスピーチし、原発事故による避難者の人数さえも把握しようとしない政府に対し批判した。

また、いわき市から埼玉県へ母子避難した河井かおりさんは、夫と離婚後、体調を崩して生活が困窮し、生活保護を受給するようになった厳しい現実を吐露。1年半後に迫る自主避難者の住宅支援打ち切りに対し、憤りをあらわにした。郡山市から大阪市へ自主避難し、大阪で東電に対する損害賠償裁判で原告団長を務める森松明希子さんも、憲法上の権利が奪われている現実について、政府の政策を厳しく批判した。
 

 
 
避難者の会は原発事故による避難者および避難経験者を対象として会員を募集し、年明けに総会を開催する。避難区域内か区域外は問わず、福島県以外からの避難者でも参加できる。次回の集会は12月12日、京都で開催される。


「避難の権利」を求める全国避難者の会(準備会)

http://blog.livedoor.jp/hinannokenri/archives/940942.html
 

福島、国道6号線清掃活動――抗議無視の安全神話作り

2015年10月29日 週刊金曜日
http://blogos.com/article/141736/

東京電力福島第一原発の被災地を南北に走る福島県の国道6号線延べ50キロ・8区間で、10月10日、中高生を含む約1400人がごみ拾いをする清掃活動「みんなでやっぺ!! きれいな6国」があった。事務局はNPO法人ハッピーロードネット(西本由美子理事長、広野町)。

開催前から、全国70を超える市民団体が中止を求める提言書を提出。理由は放射能問題で、活動ルートの放射線測定値も公表されず、参加可否の判断材料に乏しいことや、被曝防護措置の不十分さを挙げた。西本理事長は「多数の抗議の電話やファクスがあった」ことを明らかにし、「親から参加承諾をもらい、強要はしていない。中高生のごみ拾いは高校の通学路で、線量も低い。線量計も持ち、事前に落ちていたごみの線量も測っている」と弁明する。

広島・長崎の原爆降下物と健康影響に詳しい沢田昭二・名古屋大学名誉教授(素粒子物理学)は「最近の原爆の放射性降下物の研究では、原子雲から降った黒い雨よりも、広がった原子雲から降下した放射性微粒子を呼吸などで人体に取り入れた方が大きな影響を与えたことが分かっている。ほこりなどに含まれる放射性微粒子を取り込んで、がんのリスクを高めるのではないかと心配だ」と話す。

国道6号線は昨年、佐藤雄平知事(当時)が東京五輪組織委に聖火リレーを要望した道路。10日は動員された除染関連業者ののぼりが目立った。経済効果を狙う地元の思惑も透ける。これは善意で彩られた無償奉仕と表裏一体で、被曝リスクを個人負担させる足がかりなのか。

西本理事長からは筆者に「対応できない」と取材お断りの電話があった。地元のメディアは抗議について伝えないが、十分な説明が求められる。かつて福島第一、第二原発で働いていた今野寿美雄さんは言う。「新たな安全神話が今、まさに作られようとしている」。
(藍原寛子・ジャーナリスト、10月16日号)

2015/10/28

宮城・加美町の処分場候補地、現地調査また着手できず

2015年10月28日 産経新聞
http://www.sankei.com/region/news/151028/rgn1510280007-n1.html

東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分場建設に向け、環境省の職員らは27日、加美町の候補地を12日ぶりに訪れた。しかし、待ち構えた住民らの抗議活動にあい、現地調査を見合わせた。訪問は今月に入り8回目だが、いずれも住民に阻まれて撤収している。

加美町の候補地周辺には住民ら約140人が集まった。午前11時半に環境省の職員が訪れ、「そこは公道です」と道をあけるよう説得したが、住民らは「帰れ」などと叫び、立ちふさがった。

自営業の小林由美子さん(66)はマイクを手に「あなたたちは(候補地の)山だけを見て住民を見ていない」と批判した。

現地調査は昨年10月から、住民の抗議で着手の見合わせが続いている。環境省は今月29日に開く井上信治副大臣と猪股洋文町長の意見交換会で、状況打開を図りたい考えだ。

【栃木】 田中正造大学 処分場考える 来月1日に秋期講座

2015年10月28日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201510/CK2015102802000205.html 

市民グループ「田中正造大学」(佐野市)は十一月一日、同市金井上町の市中央公民館で、高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場候補地に選ばれた塩谷町の学習塾経営、大山昌利さん(54)を講師に招いて講座を開く。

田中正造大学の秋期定期講座として開催。処分場の受け入れに反対する大山さんは「一声、関東に不平あり 塩谷町指定廃棄物処分場問題の報告」と題して話す。

午後一時半~四時半。受講料千円。

問い合わせは、田中正造大学=電0283(23)2896=へ。

子供がセシウムを吸い込む”被ばく”イベントが福島で決行された!

10月28日(水) 女性自身
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151028-00010000-jisin-soci
 

「復興の役に立ちたいから参加しました。”6国”がきれいになったら、除染作業員さんも作業しやすくなる。放射能? 私は気にしていません。積極的に参加してほしい」
そう話すのは、10月10日に国道6号線沿いで実施された清掃活動に参加した、相馬東高校一年生の女子生徒。彼女は帰還困難区域となっている浪江町の出身だ。

「自宅には戻れないから家族で相馬市に避難しています」 
そう言って目をうるませた。

『みんなでやっぺ! きれいな6国』と題したこの清掃イベントには、地元の中高校生ら約200人を含む千400人あまりが参加。しかし、6国といえば、昨年9月に全線が開通したものの、福島第一原発の間近を通るため、いまだ車内でも毎時10μsvを越える場所がある高汚染エリアだ。 

前出の女子高生と話しをした「道の駅・相馬」も今回の清掃拠点のひとつ。取材班は地元で測定活動をする「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」の小澤洋一さん、深田和秀さんとともに近辺の土を調べてみた。 

すると、なんと4万Bq(ベクレル/平米)で適用される、放射線管理区域の4倍以上、事故前の140倍以上(注1)もある16万4千Bq(ベクレル)/平米(注2)の放射性物質が検出された。

放射線管理区域とは、一般人は立ち入り禁止、放射線従事者でも10時間以上の滞在は禁止と法令(電離放射線障害防止規則・労働安全衛生法に基づく)で定められている場所。そんなところで子供に清掃活動させるのは違法行為では? だが、主催者のチラシを見て合点がいった。

”後援”には、国土交通省や環境省、復興庁、地元自治体などの名がズラリ。”協賛”には、東京電力や東北電力までが名を連ねている。子供を使って、形だけでも「復興」をアピールしたい。このイベントから、なりふり構わぬ国の思惑が透けて見えた。

記者は事前に、主催のNPO法人ハッピーロードネット(福島県広野町)に「現場は安全なのか?」と問い合わせたところ、「留守番の者」と名乗る女性がこう答えた。

「帰還困難区域には入りませんし、放射線量の高い富岡町や浪江町などは、大人だけで清掃するので(子供の)安全は確保されています」続けて、「そういう問い合わせが多くて困っているんですよね」
と、グチをこぼす始末。

子供の被ばくを案ずる全国の母親たちから、開催の見直しを求める電話やファクスが連日寄せられていたという。  
さらに、開催の数日前には、市民団体「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山」が、全国66の賛同団体をつのり、開催中止を求める提案書を福島県と教育委員会に提出していた。が、結局どこも取り合わず、この危険極まりないイベントは予定通り決行されることになった。

■空間線量が低くても、土中には原発事故前の100倍以上の放射性物質があるんです
10月10日、朝9時。開会式の会場となった二つ沼公園(福島県広野町)には、地元住民や、中高生ら数百人が集まった。開会式のあいさつで主催の西本由美子理事長(62)は、清掃活動をするに至ったワケをこう説明した。

「相馬市の高校生が提案してくれたんです。『国道にゴミがたくさん捨てられているのは、ふるさとを大事にしていない大人がいるから。僕たちでできることをして、大人たちに示していこうよ』って」

「子供が清掃したいと言うから開催した」と言いたいらしい。寄せられた批判の隠れ蓑に子供を使おうというのか。

開会式後、記者は清掃に出発する子供たちにこのイベントに参加した理由を聞いた。
「所属しているサッカー部のみんなが参加するから。6国がキレイになったら、避難している人が帰ってきてくれるかなと思って。放射能の影響? 難しいからよくわからない。特に気にしていません」(ふたば未来学園高校一年・男子)「私は学校の美化委員だから参加しなくちゃいけなくて。放射能? とくに注意点などは聞いていません」(同一年・女子)

引率の先生の考えはどうか。
「ここは学校の通学路ですし、とくに放射性物質が集まりやすい側溝などに近づかなければ大丈夫でしょう。空間線量も下がってきていますから」

そう先生が話し終わらないうちに、近くの植え込みでピーピーという放射線を感知する音が。記者が駆けつけると、前出の深田さんが、生徒がゴミを見つけて拾った道路横の植え込みを測定していた。

空間線量は毎時0.37μsv。環境省の除染基準、毎時0.23 μsvを超えている。土中からは、放射線管理区域の4倍の15万9千Bq/平米もの放射性物質が検出された。

「空間線量が低くても、土中には原発事故前の100倍以上の放射性物質があるんです」 
と小澤さんは指摘する。

後日、現場で拾った吸い殻や紙くずなどに付着している放射性物質を測定してもらうと、一般ゴミからは890Bq/kg、吸い殻からは600Bq/kg、小澤さんが測定時に利き手にはめていた軍手からは421Bq/kgという数値が出た。

「法令(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)に従えば、100Bq/kgを越える汚染物質は、ドラム缶に入れて厳重に管理しなければならない。なのに、それをはるかに越える汚染ゴミを、子供に拾わせるなんてどうかしています」(小澤さん)

このあと取材班は、6号線を車で北上し、別の清掃エリアである「道の駅・南相馬」へ向かった。途中、清掃エリアに入っていないはずの富岡町検問所付近で清掃隊を見かけたので、車を降りて付近を測定すると、毎時5.92 μsvあった。土中からは、事故前の8千900倍近い1千40万Bq/平米が出た。それもそのはず。前方には、「ここから帰還困難区域」という看板が。

ここから浪江町までの約6.5キロは、年間被曝量50ミリシーベルトを越えるエリアとして立ち入りが制限されている。二輪や自転車での通行は禁止、車外に出ることも禁止なのだ。

だが、看板のむこうには、オレンジ色のTシャツを着た清掃隊の人々が、ゴミを拾いながらゆったり歩いている。

「汚染エリアに入ると放射性物質をあちこちに運んでしまうから危険です」(小澤さん)

実際に、この日、小澤さんが付けていた靴カバーを測定したところ、450Bq/kgの放射性物質が検出された。

しかし、さらに深刻な事実が明らかになる。当日、小澤さんが約5時間付けていたN95という防塵マスクから、なんと20.6Bq/kgの放射性物質が検出されたのだ。測定してくれたちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター)の青木一政さんは、次のように指摘する。

「N95のマスクは0.1~0.3ミクロン程度の粒子まで吸着します。このマスクをしていなかったら、1ミクロン以下の粒子まで肺の奥に吸い込んでいた可能性があります」

この日、マスクや軍手を付けている子供はほとんどいなかった。

「放射性セシウムには水溶性と非水溶性のものがあり、非水溶性のものは、体内に取り込まれると4~5年くらい排出されず、心臓にとどまって放射線を出し続けます。結果、若くても心筋梗塞などになるリスクが上がるのです」
と話すのは、呼吸器や放射線の専門医である松井英介氏。

「もっと心配なのは、ストロンチウム90です。こちらは測定すらされていませんが、セシウム10に対して1の割合で存在しています。特に原発周辺は多いと言われています。これは人間の血液を作っている骨にたまるので、白血病などのリスクが上がる。わざわざ子どもにリスクを押し付けるなんて犯罪的です」(松井氏)

松井先生によると、風邪予防のマスクでは取り込みを防げないという。汚染されたホコリを吸い込むリスクを子供に負わせてまで、このようなイベントを決行したのは、そもそもなんのためか? 主催NPOに何度も電話したがずっと留守だった。

NPOのホームページには、「汚染水はコントロールされている」と、五輪誘致で世界に”放言”した安倍総理と満面の笑みの西本理事の写真が。彼女自身「聖火リレーを6号線に」と、再三インタビューで答えている。子供をリスクにさらす先に見えているのは、国家的規模のイベントなのか。

■国も福島県も調査しようともせず、あくまで国が立ち入りを制限しているエリア以外は「すべて安全」という立場を崩さない。

「原発が爆発しても、それでうるおっている人間がいるから、その理不尽さを払拭するために子供を利用している」  
と指摘するのは経済学者で東京大学教授の安富歩さん。

「放射能がばらまかれた福島の子供が尻ぬぐいするなんて理不尽極まりない。本当は東電がやれって話し。でも、一度そういう理不尽なことを飲み込ませると、あとは言うことを何でも聞く都合のいい人間に育つ。国家としては、従順な人間を増やす目的もあるんでしょう」(安富さん)

清掃活動が終了した正午、「道の駅・相馬」の広場で閉会式に参加していた高一の男子生徒は、記者にこう言った。「放射能が危ないことも、ここが汚染されていることも知っています。だけど、僕はまだ学生だから自分の判断で動くことができない。母には、なるべく地元の食材は使わないで、と言っているけど」

彼はリスクを承知していながらも、「いろんな経験を積みたい」と、この清掃活動に参加した。将来の夢は看護師になることだ。進学に合わせて福島を離れるつもりだが、「中1の妹が心配だ」とも……。

後日、「後援」に名を連ねる環境省福島環境再生事務所に汚染の実態を知らせると、「清掃コースの放射線量は確認してないのでわからない。主催はハッピーロードネットなので」と無責任な答え。さらに福島県も、「立ち入り制限されているエリアには入らないと聞いているので安全なのでは? 吸い込みによる被曝リスクがあることは承知しているが、県から開催の見直しを求めることはできない。主催はハッピーロードネットだから」と、環境省に輪をかけた無責任ぶりを披露。

環境省も福島県も、あくまで国が立ち入りを制限しているエリア以外は「すべて安全」という立場を崩さない。調査しようともせず、「主催者の問題だから」と、NPOに責任をなすりつけてオワリなのだ。共催している東電も、「”復興”に関する事業には積極的に協力させていただいております!」との能天気な返答。西本理事に至っては、「子供の希望があれば来年も開催する」と他メディアの取材に答えていた。

国も東電も主催者も、見せかけの「復興」に邁進し、健康リスクは子供に押し付ける。こんな卑劣な行為を止めさせるために、大人たちの責任が改めて問われている。

※注1
09年度文部科学省「日本の環境放射能と放射線」の福島の土壌測定値18bq/kgを平米あたりに換算(65倍)したものと比較。

※注2
一般に放射能汚染を表す単位はBq/kgが用いられているが、土壌の汚染に関しては放射線管理区域の管理基準やチェルノブイリ原発事故との比較のため、Bq/平米に換算している。文中の放射性物質は、すべて測定時における放射性セシウム134と137の合算値。

(取材・文/和田秀子)

被ばく線量目標、国が設定せず〜原子力規制委員長

2015年10月28日 ourplanet tv
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1995

原子力規制委員会の田中俊一委員長は28日の定例会見で、帰還のための被ばく線量の目標値(参考レベル)は、政府が定めるのでなく、自治体ごとに設定すべきとの考え方を示した。原子力規制委員会が、国際放射線防護委員会の勧告に記載されている参考レベルの設定を行う必要がないとの考えを明確したのは初めて。田中委員長は7月末の会見内容では、国が参考レベルを検討することは重要だと述べており、見解が180度変わった格好だ。

国際的には生涯1000ミリ基準がある


先週1週間、福島県の被災自治体をまわり、首長との懇談を重ねた原子力規制委員会の田中俊一委員長。22日には、南相馬市の桜井市長と懇談し、被曝線量の安全基準を提示して欲しい求められたが、「被曝については直線モデルという考えがあり「安全基準」を示すのは難しいと説明。その一方、「国際的には生涯1000ミリという基準がある」との発言していた。

28日の記者会見で、この発言の真意を問われると、田中委員長は生涯1000ミリという基準は「国際放射線防護委員会 ・ICRPの勧告で出されたもので、日本ではまだ採用されていない」と解説。「(一生を)50年(とすると)、生涯線量として年間20ミリが出てきてる」とした上で、「数年間1ミリを超える状況があったとしても、できるだけ速やかに線量を下げる努力をしていけば、ここにいる人よりは、何年かの間に少し余分な被ばくを受けるという意味だ」と述べた。

また、参考レベルについては、政府が検討するのではなく、自治体ごとに設定すべきだとの考え方を提示。「除染レベルを1ミリでないと嫌だというところもあるし、飯舘などは当初から5ミリと決めている。」「戻らないかは個人の選択だ。集団としての市町村単位で帰還をどうするか議論されているので、そこはそう言うことで決めてほしい」との見解を示した。
 



現存被ばく状況の「参考レベル」めぐり、方針変更

田中委員長は3ヶ月前の今年7月22日の定例記者会見で、参考レベル(被ばく線量の目標値)について「今後、福島県民がどう復興に取り組んでいくかという点で非常に重要な課題」と述べ、国として参考レベルを検討する必要があるとの考えを示していた。

さらに「1ミリと20ミリの間には、随分幅があるので、子どもやお父さんお母さんが別々に生活するわけにはいかないので、子どもの感受性を考えてせいぜい5ミリじゃないかと申し上げたことはあります。」と延べ、今日の会見と180度異なる見解を表明していた。

国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、原発事故後、一定の汚染がある状況が続く「現存被曝状況」においては、1ミリから20ミリの間のできるだけ下方部分に「参考レベル」を設けるとするとする防護体系があるが、福島原発事故後、日本政府は避難基準を20ミリシーベルトに設定したまま、この参考レベルを設けていない。

チェルノブイリ原発事故では事故5年目に年間5ミリシーベルト生涯350ミリシーベルトを強制的な避難基準とし、おおむね年間1ミリ、生涯70ミリのを汚染ゾーンとして指定し、住民全てを被災者として登録。希望者はほかの地域に移住できるほか、健康診断や保養などの支援策が講じられている。

 

2015/10/27

まもなくです!10/29東京「避難の権利」を求める全国避難者の会設立記念集会

 つながろう!はじめの一歩
~たしかめあおう足跡、そして未来へ~

東京電力福島原発事故は、未曾有の放射能汚染を引き起こし、福島県のみならず、東日本の広範な地域が影響を受けました。

事故から4年7か月、けれどもこの国の政府は避難を福島だけの問題にし、「原発事故子ども・被災者支援法」を骨抜きにして、「避難の権利」をないがしろにしてきました。避難指示解除・賠償打ち切り・帰還政策が、当事者不在のまま進められて行っています。それは大勢の避難者の生活破壊を引き起こしながら、〈被ばくか貧困か〉の選択を強いること。私たちは決してそれを望みません。

「被ばくなき居住」「貧困なき避難」は、私たちの生きる権利であり基本的な人権です。

「避難の権利」保障を求め、全国避難者の会を設立します。一人一人の力は小さくても、つながることでできることがきっとあります。

全国の避難者の皆さん、避難後帰還をした皆さん、手をつなぎ、私たちの声なき声を形にしていきませんか?


設立記念集会 つながろう!はじめの一歩

≪日 時≫ 2015年10月29日(木)
13:30~16:30 (13:00開場、12:55~入館証配布)

≪会 場≫ 参議院議員会館 101会議室

≪内 容≫ 設立宣言 ~ 説明会

リレートーク ~知ることからはじめよう~

ディスカッション ~はじめの一歩~

≪費 用≫ 資料代として500円(未成年は無料)

≪定 員≫ 100名

≪申込み≫ こくち~ず、メールまたはFAX のいずれかでお願いします
こくち~ず
https://ssl.kokucheese.com/event/entry/346227/
メール hinannokenri@gmail.com
FAX 011-398-9769

「1029申込み」と件名を入れ
①お名前(ふりがな) ②お住まいの都道府県(避難者の方は避難元→避難先、帰還)
③メールアドレスまたは電話番号 ④メッセージ をご記入ください。

【主 催】 「避難の権利 」を求める全国避難者の会
     問合せ 080-1678-5562 中手

★ 会 場 の ご 案 内 ★
参議院議員会館(千代田区永田町2-1-1)
≪最寄駅≫永田町駅1番出口より徒歩2分(南北線、有楽町線、半蔵門線)
     国会議事堂駅1番出口より徒歩7分(丸ノ内線、千代田線)

参議院議員会館に入場するには入館証が必要となります。 
参議院議員会館に着いたら、まず、玄関右側のセキュリティチェックを受けてください。そのまま受付せずに、ロビーで、設立集会スタッフから、入館証を受け取ってください。入館証は12:55から配布します

※メッセージで参加しませんか?!※
設立集会には参加できないけれど、メッセージで参加したい!というお声をいただきメッセージを募集することにしました。メールまたはFAXなどでお寄せください。会場またはブログなどでもご紹介していきます

メール hinannokenri@gmail.com
FAX 011-398-9769
「1029メッセージ」と件名を入れ
①お名前(ふりがな) ②お住まいの都道府県(避難者の方は避難元→避難先、帰還)、③連絡先④公開の場合の匿名有無 ⑤メッセージ をお送りください。(10月27日締切)


▲準備会のブログもご覧ください▲
ブログにて最新情報等の更新がごらんいただけます。ぜひご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/hinannokenri/


〇会に設立時会員として加入されたい方々へ〇
まもなく入会申し込みのご案内が出来るようになります。避難者・帰還者の方々はぜひブログ等をご覧ください。
また、hinannokenri@gmail.comにメールいただければ、準備が整い次第ご案内します。












八千代で初の甲状腺検診 市民団体が主催 子どもら95人参加/千葉

2015年10月27日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201510/CK2015102702000184.html
医師から甲状腺エコー検査の説明を聞く親子=八千代市で

東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質による健康影響を調べる子どもの甲状腺検診が二十五日、八千代市市民会館の会議室を会場に行われた。

「放射能から子どもを守る会@やちよ」の主催。四年七カ月前の原発事故時に十八歳未満だった人を対象に実施。同市での検診は初めてで、市内に住む子どもら九十五人が受診した。

子どもの喉元にある甲状腺は原発事故で大量に放出された放射性ヨウ素を取り込むことで知られる。福島県の県民健康調査では、甲状腺検査を受けた約三十八万人のうち百三十七人ががん化した悪性または悪性の疑いと診断されている。

この日、子どもたちは親とともに医師の説明を受け、超音波エコーで甲状腺の状況を調べた。その結果、ほとんどの人が現時点で異常は見られなかった。検診にかかる運営経費はカンパとして受診者から募った。

同会共同代表の高山敏朗(としあき)市議は「検診で安心していただいたのは良かった。今後も継続的に実施し、助成が出る公的な取り組みとなるよう市に働きかけていきたい」と話した。

子ども全国ネット通信No.21 2015.10.27号

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  子ども全国ネット通信 No.21
 〜子どもたちを放射能から守る
    全国ネットワーク〜
              **2015.10.27**
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北海道からは雪のたよりが届き、東京も一番の冷え込みということで、風の冷たい季節がやってきました。風邪気味という方も周りに多いのですが、この時期は「秋の土用」とかで、体調を崩しやすいのだそうです。どうぞみなさん、お気をつけてお過ごしくださいね。

◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
明日、学びカフェ2015 第1回です!
振津かつみ先生のおはなしを伺います。
◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
原発事故からまもなく5年。チェルノブイリの健康被害の推移を思うと、やはり気になる5年です。「これから」をキーワードに、私たちは何をすべきなのか、何ができるのか。一緒に考え合いたいと思います。振津かつみ先生は、兵庫医科大学講師(内科医)で、チェルノブイリの支援を続けてこられた方。また事故後は、福島での測定や健康影響の調査にも取り組まれてきました。先生の見解をお聞きしつつ、関心を寄せる皆さんで、話していくカフェタイム、シェアタイムで、子どもたちの健康を守りたい思いをどう形にしていけばいいのか、知恵を出し合いましょう。
http://goo.gl/vfNM6j


◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
10/29午後 設立記念集会があります!
「避難の権利」を求める全国避難者の会
◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
原発事故子ども・被災者支援法市民会議で一緒に働きかけを続けてきた避難者の皆さんが、避難者の会を立ちあげます。「この国の政府は避難を福島だけの問題にし、『原発事故子ども・被災者支援法』を骨抜きにして、『避難の権利』をないがしろにしてきました。避難指示解除・賠償打ち切り・帰還政策が、当事者不在のまま進められて行っています。それは大勢の避難者の生活破壊を引き起こしながら、〈被ばくか貧困か〉の選択を強いること。私たちは決してそれを望みません。『被ばくなき居住』『貧困なき避難』は、私たちの生きる権利であり基本的な人権です。 『避難の権利』保障を求め、全国避難者の会を設立します。」
http://goo.gl/eCu2n5


◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
11/1 上映後トークに登壇します! 
映画「種まきうさぎ フクシマに向き合う青春」
◆◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇◆
原発事故後、被ばくという問題に向き合う高校生たちを描いたドキュメンタリー映画です。この映画をつくった森康行監督は、これまで、高知県の高校生がビキニ被災漁船を追い、856隻もの日本の漁船が被曝していた事実を描いた「ビキニの海は忘れない」など、優れたドキュメンタリーの数々を撮ってこられた方。この森監督と、子ども全国ネットの伊藤恵美子が、11月1日の15:30〜の回の上映後にトークします。ぜひ予告編をご覧ください。大竹しのぶさんのナレーションがいいです。1日はぜひポレポレ東中野へどうぞ。
http://goo.gl/MWVchU


◆◇◆ーーーミニミニ伝言板ーーー◆◇◆
「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」、雪の降る前に土壌を確保しなくては! とばかり、各地でレクチャー会など活発に行い、広がっているそうです。ぜひこちらをご覧の上、あなたの地域でもぜひ。
http://www.minnanods.net/soil/

◆―――編集後記―――――――――――◆
秋の味覚は、やっぱり汚染が気になりますね。栗も、きのこも、山の恵み。どうしてもセシウム汚染は避けられないようです。「マダムトモコの厚労日報ダイジェスト」(http://goo.gl/RQ3mze)や「フクシマンの福島日報ダイジェスト」(ameblo.jp/masa219koro/)なども参考にしながら、とりわけ子どもたちの食を守っていきましょう。(ito)

◆―――発行者情報――――――――――◆
【発行者】NPO子ども全国ネット 事務局
【連絡先】info@kodomozenkoku.com
【HP】http://kodomozenkoku.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/zenkokunet
【twitter】https://twitter.com/kodomozenkoku
※アドレスの変更・登録解除はinfo宛に連絡を!
◆――――――――――――――――――◆

11/1 上映後トークに登壇します! 映画「種まきうさぎ フクシマに向き合う青春」

「種まきうさぎ フクシマに向き合う青春」というドキュメンタリー映画
http://www.tanemakiusagi.net/

ぜひ予告編をご覧ください。
思わず涙が、という人も…次世代への希望の涙でもあります。

予告編 → https://goo.gl/SaUA0l



今、ポレポレ東中野で上映中です。11月1日(日)には、15:30〜の上映後に、子ども全国ネット・伊藤恵美子が、監督とのトークショーに出ます。

トークショースケジュールはこちら → http://goo.gl/iClUOe


■森康行監督はこんな人!

高知県の高校生がビキニ被災漁船を追い、856隻もの日本の漁船が被曝していた事実を描いた「ビキニの海は忘れない」(キネマ旬報文化映画ベストテン10位)。
高知県の高校生が在日コリアンの高校生との友情を育む「渡り川」(キネマ旬報文化映画ベストテン1位・毎日映画コンクール記録映画文化賞)。
夜間中学を描いた「こんばんは」(キネマ旬報ベストテン文化映画部門1位・毎日映画コンクール記録映画文化賞・第1回日本記録映画大賞)。
93歳の教育学者大田堯を描いた「かすかな光へ」(キネマ旬報ベストテン文化映画部門第8位)。
みんなで働く=みんなで生きる<協働労働という新しい働き方>を描く「ワーカーズ」(2013年)。

■Facebookページもあります!
https://www.facebook.com/official.tanemakiusagi
ぜひ「いいね!」してください。

■試写会をご覧になった方の感想!
「安保法案に声をあげる若者たちがSEALDsとして活躍しているように、原発・ 放射能問題にしっかり向き合い、活動している彼女たちも、少し穏やかで 照れがちな、福島らしいSEALDsのように感じられた。」

2015/10/26

福島避難支援の自衛隊員ら 被ばく上限以上38%

2015年10月26日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015102602000227.html

内閣府は二十六日、東京電力福島第一原発事故直後に住民避難の支援に当たった自衛隊員や警察官、消防隊員計約三千人のうち38%の被ばく線量が、一般の年間被ばく限度である一ミリシーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、原発の敷地外で住民の支援などをした自衛隊員らの詳細な被ばく調査は初めて。原発事故が発生した際、住民避難を担うバス運転手らの被ばく対策を議論する検討会で示した。

調査は二〇一一年三月十二~三十一日に第一原発の半径二十キロ圏で住民の避難誘導や救出、除染などに当たった二千九百六十七人が対象。一ミリシーベルト未満が62%、一ミリシーベルト以上が38%だった。一ミリシーベルト以上のうち一~二ミリシーベルトが19%、五~一〇ミリシーベルトも5%いた。一日当たりの被ばく線量は三月十五日ごろまでが高く、同十八日以降は〇・一ミリシーベルトを下回っていた。


38%が被曝1ミリシーベルト以上 原発事故時の自衛隊員ら
2015年10月26日 
内閣府は26日、東京電力福島第1原発事故直後に住民避難の支援に当たった自衛隊員や警察官、消防隊員計約3千人のうち38%の被曝(ひばく)線量が、一般の年間被曝限度である1ミリシーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、調査は2011年3月12~31日に第1原発の半径20キロ圏で住民の避難誘導や救出、除染などに当たった2967人が対象。1ミリシーベルト未満が62%、1ミリシーベルト以上が38%だった。1ミリシーベルト以上のうち1~2ミリシーベルトが19%、5~10ミリシーベルトも5%いた。

国は今後事故が起きた場合、バスの運転手など住民避難を支援する民間人らの被曝限度を1ミリシーベルトにする方針。原発がある地域のバス協会などは1ミリシーベルト以上の被曝に難色を示しているが、内閣府は調査結果により「作業工程や被曝管理を行うことで1ミリシーベルト以下に低減できる可能性が示された」としている。


 事故直後の救助4割、1ミリ・シーベルト超被曝

2015年10月26日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151026-OYT1T50085.html

内閣府は26日、東京電力福島第一原発事故の際、直後に住民避難などの支援にあたった自衛隊員や警察官、消防隊員計約3000人のうち、約4割が一般人の年間被曝ひばく限度とされる1ミリ・シーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、敷地外で救助活動などをした自衛官らの被曝線量が公表されるのは初めて。原発事故の際、住民避難に携わる民間のバス運転手らの被曝抑止策を検討する有識者会議で示された。

調査対象は2011年3月12~31日、第一原発の半径20キロ圏で活動した2967人。1ミリ・シーベルト未満が62%で、1~10ミリ・シーベルトが38%だった。

自衛隊員らの年間の被曝限度は内規で50ミリ・シーベルトと定められており、内閣府は「1ミリ・シーベルトを超えても問題はない」としたうえで、バス運転手らが1ミリ・シーベルト以下で活動するための対策などをまとめた報告書を、年内に策定する。


 救助などの隊員ら 約4割が1mSv超の被ばく
2015年10月26日 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151026/k10010282951000.html



東京電力福島第一原子力発電所の事故の際、敷地の外で避難誘導などに当たった自衛隊員や警察官など、およそ3000人の外部被ばくの量を国が調べた結果、1ミリシーベルトを超えた人はおよそ4割に上り、内閣府では、今後、事故の際の被ばく低減策などを検討するとしています。

これは、原子力施設で事故が起きた際に敷地の外で住民の避難誘導などに当たる関係者の被ばく管理の在り方などについて考える内閣府の検討会で示されました。

今回調査したのは、4年前の原発事故の翌日から20日間にわたり行方不明者の捜索や救助活動などに当たった自衛隊や消防、警察の職員のうち、合わせて2967人で外部被ばくの量を調べました。

その結果、62%の人が一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルト未満で、残りの38%が1ミリシーベルト以上、そのほとんどが5ミリシーベルト未満でした。

当時、原発の敷地の外で防災業務に当たる関係者の被ばく限度は、国の防災指針で50ミリシーベルトとされていて、これを超えた人はいませんでした。

内閣府では、今回の結果から、被ばく管理を適切に行えば、避難誘導など防災業務に当たる関係者の被ばく量を1ミリシーベルト未満に抑えられる可能性があるとして、今後、原発事故の際の具体的な被ばく低減策などを検討するとしています。



福島第1原発事故 救援4割、被ばく上限 1ミリシーベルト以上 3000人調査
2015年10月26日 毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20151026ddm001040199000c.html




東京電力福島第1原発事故の際、原発周辺で住民の救援活動などに従事した自衛隊員や警察官、消防隊員約3000人のうち、4割弱が約20日間で一般住民の線量上限(年1ミリシーベルト)以上被ばくしていたことが政府の調査で分かった。警察官らについては緊急時は積算で「100ミリシーベルト」が上限と定められており、全員がこれ以下にとどまった。一方、警察官と同様に現場で避難誘導を指示する市町村職員などの地方公務員や、バス運転手については一般と同じ線量が限度として適用されており、今回の結果が被ばく対策に影響を与える可能性がある。【酒造唯】

原発敷地内で事故対応した作業員らの被ばく線量は公表されているが、周辺の被ばく線量の全容が明らかになるのは初めて。政府は26日に、地方公務員などの被ばく対策を検討する作業部会を開き、この調査結果を今後の被ばく低減対策に活用する方針だ。

調査対象は、事故翌日の2011年3月12日から同31日の間に、住民の避難指示が出された原発の半径20キロ圏内で避難誘導や救助捜索、けが人の搬送などに携わった自衛隊員約2800人と、警察官・消防隊員約170人。全員が全面マスクや防護服を着用していたとして内部被ばくはゼロと想定し、個人線量計のデータ(外部被ばく)だけを集計した。

その結果、自衛隊員の62%は1ミリシーベルト未満だった一方、1ミリシーベルト以上は38%で、最高は10・8ミリシーベルトだった。警察官・消防隊員は12%が1ミリシーベルト以上で、最高は2・2ミリシーベルトだった。これらを合わせると36%が1ミリシーベルト以上被ばくしていたことになる。省令などでは、警察官や消防隊員らについて緊急時は「100ミリシーベルト」が上限とされているが、これを上回った人はいなかった。
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■解説
 ◇避難体制の空白生まない対策を
福島事故で、周辺住民の救援活動に従事した自衛隊員らのうち、4割弱が一般の被ばく上限(年1ミリシーベルト)以上で被ばくしていた実態は、原発の避難体制の「空白」をあぶり出した。

地元市町村職員などの地方公務員や、バス運転手は自衛隊員らと同様、住民の避難誘導に欠かせない存在にもかかわらず、緊急時も一般住民と同じ「1ミリシーベルト」が適用されている。

再稼働した九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で、同県と住民避難に携わるバス会社は、運転手の被ばく上限を「1ミリシーベルト」とする協定を交わしているが、この制限で活動不能になれば住民避難の足かせになりかねない。

政府は、放射線量の高い場所での活動を自衛隊や警察官らが担い、地方公務員らは低い場所で活動するなどの「役割分担」で、1ミリシーベルト未満に抑えることは可能と説明する。

しかし、福島事故が示したように線量の予測は不可能。風向きなどの自然環境で線量は常に変わりうる。政府は新基準を満たした原発については順次再稼働させる方針だが、被ばく低減策の徹底を進めるべきだ。

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■ことば
 ◇被ばく線量限度
放射線から人体を守るため、国は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を採用し、一般の人については年間1ミリシーベルトを線量限度としている。原発作業員については平時は「年50ミリシーベルト」「5年間100ミリシーベルト」、緊急時は積算で「100ミリシーベルト」(来春「250ミリシーベルト」へ引き上げ予定)を上限としている。



被ばく対策:救援活動、政府が議論 来月に報告書案

2015年10月27日 毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20151027ddm008010066000c.html

政府は26日、原発事故時に住民の避難誘導などに携わる地方公務員やバス運転手などの被ばく対策を検討する作業部会を開いた。東京電力福島第1原発事故の際、敷地外で活動した自衛官や警察官、消防隊員約3000人の4割弱が一般住民の年間被ばく上限である1ミリシーベルトを上回ったことが報告されたが、政府側は「事前に作業計画を作るなどして、地方公務員やバス運転手の被ばくを1ミリシーベルト以下に低減できる可能性がある」と説明した。

政府によると、全体の約8割が2ミリシーベルト以下だった。委員からは「被ばく線量だけでなく、どの場所でどの程度の時間作業をしたかというデータが重要だ」「作業時間を減らすことが有効だ」などの意見が出た。

作業部会は11月19日の次回会合で、具体的な被ばく低減策を盛り込んだ報告書案をまとめる。【酒造唯】

坪倉医師招き公開授業 福島大「ふくしま未来学入門」

2015年10月26日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151026-023266.php



放射線や被災地での医療支援の役割について紹介する坪倉さん

福島大は26日、福島市の同大で、東大医科学研究所や南相馬市立総合病院などに勤務する医師坪倉正治さんを講師に迎えた公開授業を行った。受講生が放射線や被災地での医療支援の役割について学んだ。

原発事故からの地域復興を目指す福島大の「ふくしま未来学入門」の授業の一環。「震災と復興」をテーマに地域課題の解決に取り組む企業や団体の担当者を講師に計14回開かれる。今回は4回目。

同大の学生や地域住民約180人が受講。坪倉さんは「原発23キロでの医療支援・今現場で何が起きているか」と題し、放射線に関する基礎知識を紹介した上で、「健康に影響を及ぼすのは放射線だけではない。大切なことは安定した日常生活を送れるようにすること。孤独にならず、より良い人間関係を築くことが復興、健康への近道になる」などと説明した。

自主避難者 交流深める/新潟

2015年10月26日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20151026213524.html

東京電力福島第1原発事故の影響で福島県から自主避難している人を対象にした「交流の場・ままカフェ@にいがた」が25日、上越市下門前で開かれた=写真=。上越地域に避難する3人が参加、故郷の状況や避難の悩みなどについて語り合い交流を深めた。

ままカフェは新潟、福島両県が共催。本県の担当者が、2017年3月末の借り上げ住宅無償提供終了後の支援策について、本年度内に取りまとめる方針を説明した。ふくしま子ども支援センター(福島市)の職員は避難先や、避難先から福島に戻った母親への支援について語った。

参加者はお茶を飲みながら近況を話したり、福島県職員や弁護士に個別の相談をしたりしていた。家族で福島県三春町から糸魚川市に避難している女性(30)は「上越では自主避難者の集まりが少ないので、なかなか悩みを話せない。参加できてよかった」と話した。

ままカフェは今後、新潟市西区、柏崎市、燕市、胎内市で開かれる。

栃木・塩谷町 環境省に「処分場」反対訴え

2015年10月26日 読売テレビ
http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20190210.html


福島第一原発の事故で発生した「指定廃棄物」の栃木県の処分場候補地に指定された塩谷町の町長らが環境省を訪れ、改めて処分場の建設計画に反対した。

放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場をめぐっては、環境省が指定した栃木県塩谷町の候補地が先月の関東・東北豪雨の際に冠水し、土砂が流れ込んでいたことが確認されたため、町側が建設に強く反対している。

26日に環境省を訪れた塩谷町の見形町長は、井上環境副大臣に対し、改めて建設計画の撤回を訴えた。

塩谷町・見形和久町長「冠水したということが結果としてご確認いただけた。そもそもが候補地になりえない」

環境省の基準では、浸水や土石の流入などが想定される区域は、処分場の候補地から除外されることになっている。環境省は建設が可能か、さらに詳しい調査を行いたい考えだが、塩谷町は「基準から考えて候補地にはなりえない」と訴えている。


指定廃棄物の処分場候補地の町長ら、環境省に抗議

2015年10月26日 テレビ朝日

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000061271.html

放射性物質に汚染された指定廃棄物の処分場候補地となっている栃木県塩谷町の町長らが、現地が先月の豪雨で浸水したとして、処分場リストから外すよう環境省に強く求めました。

那珂川の源流域にある塩谷町の候補地は、先月の関東・東北豪雨による増水で一部が浸水していたことが国や県の合同調査で分かりました。栃木県の市町村長会議が決めた処分場の候補地として、「避けるべき地域」に「洪水や浸水が起きる場所」と明記されていることから、選考をやり直すべきだとの声が強まっています。

栃木県塩谷町・見形和久町長:「この場所が今後、引き続き候補地であるということは私はないと思っている。(選考の)今までの流れからいっても当然、そうすべきと思っています」

また、先月のような豪雨が17年前にもあったとして、過去にさかのぼって調査することも要請しました。





NPO、資金確保に悩む 薄れる関心、減る寄付・助成 東日本大震災5年目

2015年10月26日 朝日新聞
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12035079.html?rm=150


東日本大震災の被災地で生まれたNPO法人が、財政難に悩んでいる。震災後、4年間で岩手、宮城、福島の3県で739法人が新たにでき、行政サービスの届かない分野で課題の解決に取り組んできた。だが、震災への関心は薄れ、寄付や助成が減っている。支援活動を続けるため、模索が続いている。

■送迎支援、赤字1000万円見込み
宮城県石巻市郊外で暮らす女性(74)は週に3日、人工透析を受けるため約9キロ離れた病院に通う。

両足が不自由で、市内のNPO法人「移動支援Rera(レラ)」に2キロごと100円の「協力金」を支払い、車いすのまま乗れるリフト付き車両による送迎サービスを受けている。片道500円で、タクシーの約5分の1で済む。「本当に助かっています」と話す。


Reraの送迎車へ乗り込む女性=宮城県石巻市

ただ、Reraの財政は厳しい。来年度も利用できるかどうかわからない。

Reraは震災の翌月、札幌市のNPO法人が中心となって設立した。津波でマイカーを失った人の送迎を始め、全国から寄贈された車両8台で、高齢者や障害者ら自力で移動するのが難しい約400人の外出を支えている。これまでの送迎人数はのべ9万4千人を超え、新たに利用を希望する人も増えている。

しかし、2年前と比べ、寄付金は半分以下、企業などからの助成金は8割ほどに減りそうだ。送迎を担う有償ボランティアの報酬を1日3千~4千円に抑えるなど節約に努めるが、今年度は1千万円ほど赤字を見込んでいる。

このままでは年度末には繰越金も底をつく。送迎の協力金を一律700円に引き上げても、多額の赤字は解消できない。村島弘子代表(40)は「車の台数を減らすことも含め、あらゆる可能性を考えたい」。




11年から販売する手作りジャムは13年に売り上げががくっと落ちた。「被災者手作り」というだけでは売れないと考えた、佐藤賢理事長(38)はマーケティングを学び、中身や商品名を一新した。赤ちゃんのタオルやおくるみとして使える「万能布」も作って売っている。関心をもった企業の協力で、近く輸出を始められそうだ。「売り上げを安定させ、30人のお母さんを雇用できる体制を作りたい」と佐藤さんは話す。

石巻市で絵画教室や遊びを通し、震災で遊び場を失った子どもの居場所づくりに取り組むNPO法人「にじいろクレヨン」は4月、市の事業を受託した。

市に子育て支援拠点の運営計画案を示し、約480万円の委託費を受ける。事業規模の約1割だが、柴田滋紀代表(40)は「基盤があるのは大きい」という。

被災地の団体を資金以外で支える動きもある。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京)は、資金を集める力を身につけられるよう、行政との連携や寄付集めの方法を考える勉強会を12年から開いている。NPO法人「ETIC.」(東京)は団体のリーダーの「右腕」となる人材をこれまで220人派遣。人材がほしい現場と、スキルを生かしたい人を結びつけている。

NPOの資金調達に詳しい神戸大学の奥山尚子准教授(公共経済学)は、「資金にはそれぞれ特徴があり、NPOが長く活動するには、特定の財源に集中、依存しないことが重要。行政は資金の提供だけでなく、NPOが多様な財源にアプローチできる仕組みを整えることも大切だ」と話す。(茂木克信、中林加南子)

福島第1原発事故 救援4割、被ばく上限 1ミリシーベルト以上 3000人調査

2015年10月26日 毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20151026ddm001040199000c.html


 



東京電力福島第1原発事故の際、原発周辺で住民の救援活動などに従事した自衛隊員や警察官、消防隊員約3000人のうち、4割 弱が約20日間で一般住民の線量上限(年1ミリシーベルト)以上被ばくしていたことが政府の調査で分かった。警察官らについては緊急時は積算で「100ミ リシーベルト」が上限と定められており、全員がこれ以下にとどまった。一方、警察官と同様に現場で避難誘導を指示する市町村職員などの地方公務員や、バス 運転手については一般と同じ線量が限度として適用されており、今回の結果が被ばく対策に影響を与える可能性がある。【酒造唯】

原発敷地内で事故対応した作業員らの被ばく線量は公表されているが、周辺の被ばく線量の全容が明らかになるのは初めて。政府は26日に、地方公務員などの被ばく対策を検討する作業部会を開き、この調査結果を今後の被ばく低減対策に活用する方針だ。

調査対象は、事故翌日の2011年3月12日から同31日の間に、住民の避難指示が出された原発の半径20キロ圏内で避難誘導 や救助捜索、けが人の搬送などに携わった自衛隊員約2800人と、警察官・消防隊員約170人。全員が全面マスクや防護服を着用していたとして内部被ばく はゼロと想定し、個人線量計のデータ(外部被ばく)だけを集計した。

その結果、自衛隊員の62%は1ミリシーベルト未満だった一方、1ミリシーベルト以上は38%で、最高は10・8ミリシーベルトだった。警察官・ 消防隊員は12%が1ミリシーベルト以上で、最高は2・2ミリシーベルトだった。これらを合わせると36%が1ミリシーベルト以上被ばくしていたことにな る。省令などでは、警察官や消防隊員らについて緊急時は「100ミリシーベルト」が上限とされているが、これを上回った人はいなかった。

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■解説
◇避難体制の空白生まない対策を
福島事故で、周辺住民の救援活動に従事した自衛隊員らのうち、4割弱が一般の被ばく上限(年1ミリシーベルト)以上で被ばくしていた実態は、原発の避難体制の「空白」をあぶり出した。

地元市町村職員などの地方公務員や、バス運転手は自衛隊員らと同様、住民の避難誘導に欠かせない存在にもかかわらず、緊急時も一般住民と同じ「1ミリシーベルト」が適用されている。

再稼働した九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で、同県と住民避難に携わるバス会社は、運転手の被ばく上限を「1ミリシーベルト」とする協定を交わしているが、この制限で活動不能になれば住民避難の足かせになりかねない。

政府は、放射線量の高い場所での活動を自衛隊や警察官らが担い、地方公務員らは低い場所で活動するなどの「役割分担」で、1ミリシーベルト未満に抑えることは可能と説明する。

しかし、福島事故が示したように線量の予測は不可能。風向きなどの自然環境で線量は常に変わりうる。政府は新基準を満たした原発については順次再稼働させる方針だが、被ばく低減策の徹底を進めるべきだ。

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■ことば
 ◇被ばく線量限度
放射線から人体を守るため、国は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を採用し、一般の人については年間1ミリシーベルトを線量限度としてい る。原発作業員については平時は「年50ミリシーベルト」「5年間100ミリシーベルト」、緊急時は積算で「100ミリシーベルト」(来春「250ミリ シーベルト」へ引き上げ予定)を上限としている。