2014/08/01

国連自由権規約委員会による日本国内の人権状況の審査結果

ヒューマンライツナウより、下記の報告がありました。

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7月24日に国連自由権規約委員会の日本審査の勧告が出され、グローバー勧告に引き続いて強い勧告が出されましたので、ご報告します。
特に避難区域解除・帰還政策に対して、より踏み込んだ勧告となっています。

勧告は以下のとおり。
24 パラグラフ
・委員会は、締約国が福島に許容する公衆の被ばく限度が高いこと、数か所の避難区域が解除され、人々が放射能で高度に汚染された地域に帰還するしか選択肢がない況に置かれていることに懸念を表明する(6条、12条、19条)
締約国は福島原発事故の影響を受けた人々の生命を保護するために必要なすべての措置を講ずるべきであり、放射線のレベルが住民にリスクをもたらさないといえる場合でない限り、避難区域の指定を解除すべきでない。
・締約国は放射線量のレベルをモニタリングし、こうした情報を時機にかなった方法で、原発事故の影響を受けている人々に提供すべきである。

Fukushima Nuclear Disaster24.        The Committee is concerned that the
high threshold of exposure level set by the State party in Fukushima, and
the decision to cancel some of the evacuation areas, gives no choice to
people but to return to highly contaminated areas (arts. 6, 12 and 19).
The State party should take all the necessary measures to protect the life
of the people affected by the nuclear disaster in Fukushima and lift the
designation of contaminated locations as evacuation areas only where the
radiation level does not place the residents at risk. The State party should
monitor the levels of radiation and disclose this information to the people
affected in a timely manner.

なお、6条は生命に対する権利、12条は、移動の自由と例外(健康等)、19条は情報・表現の自由です。

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なお、ヒューマンライツナウのHPには、以下のようにまとめがあがっています。

http://hrn.or.jp/activity/area/cat147/post-287/

第6回 自由権規約日本審査 総括所見公表

2014年7月、自由権規約委員会による、日本国内の人権状況の審査がジュネーブで行われました。自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)は、国連総会によって1966年に採択された国際条約のひとつです。主に、生命に対する権利、表現の自由、集会の自由、差別等の禁止、などに関して規定されており、締約国はここに示された権利を実現するために必要となる法的措置などをとらなければなりません。日本は1979年に批准しています。

同規約の実施を監視するために、自由権規約委員会が設置され、1976年から活動を開始しています。同委員会によって、日本では2008年に前回の審査が行われました。今回はその審査から6年が経つにも関わらず、そこで出されたほとんどの勧告が実施されていない状況や、秘密保護法やヘイト・スピーチ、福島原発事故後の人権状況といった新しい問題についても注目が集まり、ヒューマンライツ・ナウおよび他の人権団体はメディア向けの事前ブリーフィング、現地でのロビー活動および情報提供、総括所見公表直後の院内集会と、活発に活動を続けてまいりました。結果、力強い勧告を勝ち取ることができました。

ヒューマンライツ・ナウはこれからも政府がこの勧告に基づいて、人権状況改善のために然るべき努力をしていくようにアドボカシー活動などを続けてまいります。

実際の勧告内容は総括所見に含まれております。以下よりPDFのフォーマットでダウンロードすることが可能です。

総括所見の日本語訳
http://hrn.or.jp/activity/%E7%B7%8F%E6%8B%AC%E6%89%80%E8%A6%8B%E3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E.pdf

(上記訳文より、福島原発事故部分のみ↓)


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