2015/04/05
「避難先から帰還」に地域差 周辺4町「戻らない」半数 6市町村「戻る」4〜6割 住民調査
毎日新聞 2015年04月05日
http://mainichi.jp/shimen/news/20150405ddm002040094000c.html
東京電力福島第1原発事故で被災し、避難指示区域となった福島県東部11市町村の2014年度の住民意向調査で、避難住民の約4割が、避難指示解除後も事故前に住んでいた市町村に帰還しない意向を示したことが分かった。各市町村の調査結果をもとに毎日新聞が集計した。福島第1原発周辺の4町では帰還しないとの回答が半数前後に上ったのに対し、その他6市町村では逆に帰還するとの回答が4〜6割を占め、地域による違いも浮き彫りとなった。
住民の帰還について意向調査を行ったのは、全世帯対象が大熊、双葉、富岡、浪江、楢葉の5町と飯舘、葛尾の2村。その他の4市町村は一部地区または世帯が対象で▽南相馬市=旧警戒区域(福島第1原発から半径20キロ)などの小高、原町の2地区▽川俣町山木屋地区▽川内村=避難指示解除準備区域外も含めた未帰還世帯▽昨年4月1日に避難指示が解除された田村市都路地区の未帰還世帯。11市町村の調査対象は計4万1328世帯で、2万1662世帯が回答した。
避難指示解除後も「戻らない」などと帰還しない意向を示した世帯は全体の40・3%。「戻りたい」など帰還に前向きな回答は全体の25・5%にとどまった。全体の28・1%が「判断できない」などと保留した。
福島第1原発が立地または隣接の4町(大熊、双葉、富岡、浪江)の回答世帯数は、11市町村全体の66・2%にあたる。この4町では「戻らない」との回答が半数前後(48・4〜57・9%)に上り、「戻りたい」は1割台(11・9〜17・6%)にとどまった。4町の平均を避難指示区域の種類別にみると、「戻らない」が▽帰還困難区域(年間積算放射線量50ミリシーベルト超)55・7%▽居住制限区域(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)47・9%▽避難指示解除準備区域(同20ミリシーベルト以下)47・8%。「戻りたい」は▽帰還困難区域13・2%▽居住制限区域14・5%▽避難指示解除準備区域18・4%。
◇飯舘は「保留」最多
避難指示解除準備区域が比較的多い南相馬、田村、楢葉、川俣、葛尾、川内の6市町村は4〜6割(45・5〜62・2%)が帰還の意向を示し、帰還を否定したのは1割弱〜2割強(7・8〜22・9%)。居住制限区域の多い飯舘村は「判断できない」が最も多く32・5%、「戻りたい」29・4%、「戻らない」26・5%。
11市町村いずれも、2〜3割(23・2〜34・7%)が「判断できない」などと帰還を迷っている。
◇集計の方法
単独調査の南相馬市、葛尾村以外の9市町村は復興庁と福島県との共同調査。調査時期は2014年5月〜15年1月。富岡、浪江、大熊、双葉、川俣の5町と飯舘村は「戻りたい」「戻らない」の二択で、それぞれ帰還、帰還せずと集計。楢葉町、葛尾村は、帰還の意向を示した複数の回答を一つにまとめた。南相馬、田村の2市と川内村は、今後の住まいの設問で、市村内との回答を帰還、市村外を帰還せずとした。
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