2016/11/16

がん発生率「原発事故の影響なし」 国連委、従来の見解を維持

2016年11月16日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161116-127485.php

国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)のマルコム・クリック事務局長は15日、外務省を訪れ、東京電力福島第1原発事故の被ばく影響に関連する論文の調査結果をまとめた2016年白書を武井俊輔政務官に提出した。15年末までに公表された文献を精査し「がんの発生率に影響はない」とする委員会の従来見解に変更はないと結論付けた。

白書によると、福島原発事故による大気や海洋、河川への放射性物質の放出量や食品への影響のほか、住民の被ばく線量の評価に関する学術論文などの内容を点検。委員会が13年に発表した「福島事故による被ばくを原因とするがん患者の増加は考えられない」とする報告書の主要な知見に影響を及ぼすものはなかったとした。

また、事故当時18歳以下の全県民を対象にした甲状腺検査について13年報告書は、チェルノブイリ原発事故と比べ、被ばく線量が大幅に低いことや環境省が実施した他県との比較調査などを踏まえ、「(甲状腺がんなどの相当量の発生は)網羅的な検診の結果で事故による影響ではないだろう」と指摘。今回の報告書では、「13年報告書の知見は、新規情報の影響をほとんど受けていない」と結論付けた。

委員会は13年に報告書を発表した後、内容に影響を与えるような新たな知見がないか継続調査している。昨年10月にも同様の白書を公表しており、今回が2回目となる。



「がん増加考えられない」 第一原発事故、国連委改めて示す

2016年11月18日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016111836540

国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)のマルコム・クリック事務局長は17日、会津若松市の會津稽古堂で東京電力福島第一原発事故の被ばく影響に関する追跡調査の結果を学校、医療、行政の関係者に説明した。クリック氏は「原発事故による被ばくを原因とするがんの発生率の明らかな増加は考えられない」との見解を改めて示した。

追跡調査は平成27年までに各種機関などが公表した原発事故による大気や海洋、河川への放射性物質の放出量や食品への影響、被ばく線量についての論文などを検証。福島第一原発事故は予防的措置を講じたため、チェルノブイリ原発事故と比べて被ばく量は極めて低いとみている。

子どもの甲状腺がんの発生状況については、チェルノブイリ原発事故に見られた傾向と大きく異なると指摘。「網羅的で高精度の検査により、通常は発見できない小さながんが見つかり、有病率が上昇する傾向を示している」とした。

低線量の放射線を受け続けた場合の影響を問う声には委員会専門家グループのロイ・ショア氏が「福島の場合、健康被害が出るほどの状況ではないと考えている」と述べた。


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