2012/03/12

3.11を迎えての子ども全国ネット ーよりネットワークを活かした第2ステージへー

 311日の震災、東電福島第一原発事故から1年がたちます。この間に亡くなられた震災と原発事故の被害者に心から哀悼の意を捧げ、今なお自宅や故郷を追われ、生活を奪われている人たちへ心を寄せながら、この1年を思い返したいと思います。

■子ども全国ネットの8ヶ月 〜立ち上げから今日まで〜

 全国各地のみなさんと全国ネットを立ち上げた7月12日から8ヶ月。私たち子ども全国ネットは、「こどもたちを守りたい」とその思い一つで必死に声をあげ、つながり、行動してきました。キックオフ以降も、ネットワーク団体への登録は週に数団体ずつ増え続け、この3月には300余団体になります。また賛同者も1800人に増えています。この8ヶ月間、この全国にまたがるネットワークがあったことが、苦境の中で試行錯誤しながら活動を続ける各地の団体にとっての支えになったという声をいただき、あらためてこのつながりがあることに感謝しています。

 子ども全国ネットでは、この間、5回のミーティングを開催。園・学校や議員との交渉、自治体への要望書提出や署名集めなどのみなさんの活動情報を共有したり、不安を抱えるお母さんたちがつながることができました。放射線計測・福島支援・疎開保養・市民測定所開設・行政や議員交渉・食の安全など、テーマ別のワークショップが活動の種まきとなり、呼びかけ人やグループ参加メンバーから成る運営スタッフが世話人の役割を担いながら、プロジェクトやワーキングチームとして活動してきました。

 生産者・流通業者・消費者による三者テーブルでは、食品の基準値や検査体制についてなど対話を重ね、放射能基準値パブリックコメントへの呼びかけを行ないました。超党派の議員と連携を模索しながら、厚労省大臣、文科省大臣への申し入れを行うこともできました。福島支援チームは、福島の状況や署名などの情報をつなげたり、「送料無料プロジェクト」、健康相談会支援、避難・保養支援団体をつなぐ「いのち全国サミット」開催支援にも取り組みました。そして、市民測定所プロジェクトの活動を通じて、昨年12月には、東京の国分寺に「こどもみらい測定所」が生まれ、その後「全国市民放射能測定所ネットワーク(市民測定所ネット)」が立ち上がりました。まもなく全国各地に開所する予定の市民測定所は、60カ所にも届きそうな勢いです。

■「今こそ、全国でつながることで前進しよう」〜子ども全国ネットのこれから〜

 事故から1年たって、原発事故の不安が風化しつつあるような空気の反面、今、不安に感じ始め、悩んでいるお母さん、活動を始めた団体が増えてきたようにも感じます。放射能と向き合う暮らしは、悲しいかな、これからが本番です。解決したと言えるその日が来るまで、私たちの活動をいかに続けていくかが大きな課題です。キックオフ以来、火急の課題に取り組んできた「立ち上げ期」である第一ステージを経て、現在、ようやくではありますが、これまでの運営体制やHPを整理検討しています。事故から1年たった今、今後は「第二ステージ」として、これまでの活動経験を活かし、地域を越えて、県単位、地区単位、全国規模でつながることで互いの活動を円滑化・活性化することや、こうしたネットワーク団体間の活動の連携の中から行動アクションを起こすしくみを作ることで、県単位、地区単位、全国規模の取り組みへつなごうと考えています。子ども全国ネットがさまざまなアクションを生み出していくプラットフォームとなるよう、皆さんと共に歩んでいきたいと思います。

 放射能汚染の対応は長期戦で、まだまだ余談を許さない状況です。世界でも類のない大事故を前に、声をあげ、子どもたちを放射能から守る動きを止めることなく少しずつでも前へ進み、奮闘し続ける子ども全国ネットは、いつか社会を変えていく原動力となるだろう貴重なネットワークです。未来への危機の中でこそ歴史に学び、海外からも学び、将来あってほしい社会や世界の有りようを思い描きながら、「あきらめない。休んでもいいから、やめない。そして、福島の現状を忘れない」を合言葉に、放射能から子どもと未来を守っていきましょう。

※ 市民測定所ネットに関しては別途報告をしています。

※ 子ども全国ネットのリーフレットを作成しました。合わせてご覧ください。
(下記画像をクリックすると、大きい画面で見ることができます。
 また、下記から印刷用PDFをダウンロードできます。表裏に印刷し、三つ折してご使用ください。) 




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