2014/06/17

国と4市による除染の効率的な進め方などを議論する意見交換会 6/15・福島市

国と福島、郡山、相馬、伊達の4市、有識者らが除染の効率的な進め方などを議論する意見交換会が 15日、福島市で行われ、市からの要望に添うような形で、「毎時0.23マイクロシーベルトは除染目標ではない」「伊達市では0.3~0.5マイクロでも個人線量計の数値は1ミリを下回っていることから、空間線量が約2倍高い状態が、個人線量の年1ミリに相当する」「除染対象の絞り込みや目標の明確化、復興事業に財源を移す意見が相次ぐ」「1ヶ月以内に方針出す」など、今後の大きな問題になる内容が話されたようです。

以下、新聞社による報道をピックアップしました。


除染目安 1カ月以内に国方針  朝日新聞2014年6月16日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/CMTW1406160700004.html?_requesturl=articles%2FCMTW14

●個人線量にも着目
 環境省の井上信治副大臣は15日、今後の除染の目安などについて1カ月以内に国の方針を
示すと明らかにした。同省や福島市など4市が専門家を交えて福島市で開いた、除染のあり方に
関する意見交換会で発表した。これまで除染の目安では考慮していなかった、個人の被曝線量に
も着目するという。

 意見交換会に参加したのは福島市のほか郡山市と相馬市、伊達市。それぞれ独自の計画に
基づき除染している。この日は「何を基準に除染すべきか国がしっかり判断を」(小林香福島市長)
「国が基準を示さないと市民は安心できない」(仁志田昇司伊達市長)との要望が相次いだ。

 福島市をはじめ県内の自治体には、「毎時0・23マイクロシーベルト」を長期的な除染目標と
するところが多い。これは、長期的な県民の被曝の低減目標である年1ミリシーベルトを空間線
に換算した数値として、国が例示しているものだ。ところが、国は「この数字は除染の目標ではない」
と否定。その一方で、具体的な数値目標は示していない。

 井上副大臣は、年1ミリシーベルトという長期的目標は変更しないとした上で、「もっと個人線量
を活用し、国の方針をまとめたい」と話した。

 「個人線量」は一人ひとりが実際に被曝する線量。この日、伊達市は、市民約5万2千人の調査
から、個人線量と空間線量の関係を発表。政府の例示する「空間線量の毎時0・23マイクロシーベルト
が個人線量の年1ミリシーベルトにほぼ相当」に比べ、空間線量が約2倍高い状態が、個人線量の
年1ミリに相当する、と示した。

 この知見を使えば、空間線量がこれまでの2倍多くても、長期的な個人の被曝目標を達成できる
という計算になり、実質的には除染の目安の緩和となる。除染の簡素化などにつながる可能性がある。

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個人の被曝線量低減重視…4市など方針(読売新聞)2014年06月16日
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20140615-OYTNT50145.html

 国と福島、郡山、相馬、伊達の4市、有識者らが除染の効率的な進め方などを議論する意見交換会が
15日、福島市で開かれた。除染の目標として、これまで目安としていた空間の放射線量ではなく、
今後は個人の被曝線量の低減を重視していく方針を確認した。来月中に除染のあり方などを盛り
込んだ文書をまとめる。

 原発事故から3年以上経過して除染に関する知見が蓄積されてきたほか、線量が低下して除染の
効果が表れにくくなってきたことから、4市の要望を受けて開催された。除染の対象地域を決める際に
設定された「毎時0・23マイクロ・シーベルト」の基準が、除染の目標値や安全基準と誤解されて
いるのを払拭する狙いもある。

 会合では、伊達市民約5万2000人を対象に行った調査で、空間線量が毎時0・3~0・5
マイクロ・シーベルトの地域でも、実際の被曝はおおむね年1ミリ・シーベルト以下だったことや、
事前に線量を測定して汚染度の高い部分を重点的に除染していく福島市の方針などが紹介された。

 参加者からは、国の除染方針が明確に伝えられておらず、今後の情報発信を改善していく必要が
あるとの指摘もあった。
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環境副大臣、除染の進め方「1カ月以内に」
2014/6/15 23:56
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO72785010V10C14A6CR8000/

 環境省の井上信治副大臣は15日、東京電力福島第1原子力発電所事故を
受けた福島県の市町村による除染の今後の進め方について「国としての方針を
1カ月以内に示す」と表明した。福島市内で開かれた有識者や同市を含む県内
4市との除染に関する意見交換会で語った。

 井上副大臣は自然減衰も含めた個人の被曝(ひばく)線量の長期目標である
「年1ミリシーベルト」が、除染で目指す空間線量として一般に浸透している
ことについて「(国の説明不足との指摘を)真摯に受け止め反省しなくては
ならない」と述べた。

 意見交換会では、福島県内で放射線量の低下が進んでいることなどを踏まえ、
除染対象の絞り込みや目標の明確化、復興事業に財源を移すことなどを求める
意見が相次いだ。

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除染のあり方に関する意見交換会(福島中央テレビ)
http://news24.jp/nnn/news8656559.html

県内で進む除染のあり方について、自治体の担当者や専門家らが、
意見を交わした。環境省が開いた意見交換会には、福島市や郡山市など4つの市
の担当者や放射線の専門家らが出席。この中では、自治体側が、住民の実際の
被ばく線量が空間線量を元にした推測よりも低いことを報告し、「市民のほとんど
は国が目標とする年間の追加被ばく線量=1ミリシーベルトを下回っている」などと、
現状の除染の進め方を見直す提案があった。専門家からは、同調する声の一方、
「徹底した除染を続けるべき」との意見も出された。きょうの意見は、国と
4つの市によってとりまとめられ、今後の除染の進め方に生かされる。

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