福島市によると、同市から県内に避難している人たちは約750世帯。山形、米沢両市に集中している。
 懇談会では、市側が除染の進み具合や内部被曝検査の結果のほか、市西部に整備を進める「子育て定住支援住宅」などを説明。その後、参加者からの質問に小林市長らが答えた。
 山形市で高校生、中学生の子どもと暮らす女性は住宅に関して「受験などを考えると、なかなか福島に戻れる状況にない。3年、5年という長い期間での借り上げ延長をお願いしたい」と求め、小林市長は「国に対しても要望していきたい」と答えた。
 懇談会後、小林市長は「避難している方はいろいろな不安があると想像していたが、その通りだった。この場で回答できなかったことは持ち帰って検討し、県や国に声を届けたい」と語り、小学生の長男と避難生活を送る女性(45)は「聞ききれないこともあったが、市の取り組みを知ることができて良かった」と話した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
避難を続ける人には、何の支援もない一方で、「子育て定住支援住宅」など、帰還する人への支援は広がる。経済的、精神的に追い詰められて、帰還せざるを得ない避難者が、そうした施策に頼らざるを得ないのを見越してのことかと思わざるを得ない。実際の場では、どうだったのだろうか。帰還に偏った説明でなく、子ども・被災者支援法の理念にのっとって、居住する人も、避難する人も、帰還する人も同じように支援が受けられるようにすべきなのだから。