2014/10/02

放射性物質汚染除去の土 横浜市内の4学校敷地内に埋めたて判明/神奈川

 東京電力福島第1原発の事故により土などが放射性物質に汚染された問題で、横浜市が市立学校内で除去し保管している土を学校敷地内に一部埋め戻していたことが1日、分かった。
 市教育委員会によると、市は事故後に除去目安(地表1センチメートル地点で毎時0・59マイクロシーベルト、地表1メートル地点で毎時0・23マイクロシーベルト)を設け、学校敷地内での除去を実施してきた。
 昨年12月に放射線対策本部会議を開き、目安未満の土は敷地内に埋め戻して10センチの土で覆うほか、目安以上の場合は水が入らないようプラスチック容器などに入れた上で30センチ以上の地中に埋設保管し、掲示板などを設置する方針を決めた。
 土は昨年12月時点で計20校に1790リットルが保管されていたが、今年9月末までに目安未満の土を保管していた4校が50リットルを埋め戻し、現在は16校が1740リットルを保管している。この16校で空間線量を再測定したところ、最大で毎時0・98マイクロシーベルト(地表1センチメートル地点)が確認されたが、7校は目安を下回っていたという。
 同日の市会決算第1特別委員会で井上さくら氏(無所属クラブ)は、保護者に説明するよう求めた上で「空間線量が低くても核種検査で高濃度が発覚したこともある」と指摘。核種検査の実施と処理方針の再検討を訴えた。
2014年10月2日
神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/article/78449/cms_id/104508



放射能汚染の除去物 学校敷地内埋め立てへ


 福島第一原発事故後、横浜市立小中学校二十校が保管している放射能汚染を伴う除去物について、市教育委員会は一日の市議会決算特別委員会で、それぞれの学校敷地内の地中に埋める方針を明らかにした。除去物の放射線量が下がった一部の学校は、すでに埋めたという。
 市は、対象物から一センチの距離で毎時〇・五九マイクロシーベルトの空間線量が測定された場合を、除染などを行う基準(目安)にしている。二十校では原発事故後、屋上側溝や雨どいの下などで基準を超える数値が出て、砂や落ち葉などの除去物を袋に入れて倉庫などに保管していた。
 委員会で市教委側は、事故後三年以上たち、放射線量が低下していることから「線量が目安未満の場合は埋め戻し、十センチの土で覆う。目安以上の場合は水が入らないよう容器に入れ、深さ三十センチ以上の地中に保管する。埋めた場所が分かるように掲示板を設置する」と答弁。健康教育課によると、すでに基準未満の四校で埋め戻し、七校で今後埋める予定という。
 残る九校の除去物の放射線量は最高で毎時〇・九マイクロシーベルトほどで、これから各校と具体的な協議を行う。土には遮蔽(しゃへい)効果があるが、埋める方針は公表しておらず、保護者や地域住民への説明は「必要があれば行う」(健康教育課)としている。
 質疑で井上さくら氏(無所属)が「空間線量が低くても、放射性物質濃度が高い事例がある」などと指摘したが、岡田優子教育長は「空間線量で影響を把握している」として、除去物そのものは調べない考えを示した。
 基準値以上で埋め立てるのは、小学校が鶴見、南、港南、金沢、緑、戸塚区の各一校と港北区の二校。中学校が緑区の一校。

東京新聞 神奈川

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