2014/10/23

給食食材の安全性確保 富士見町が放射性物質を独自測定/長野


 富士見町は町内の保育園、小中学校の給食で使う食材の安全性を確保するため、今月から独自に放射性物質の測定を始めた。週1回、町民有志の「町給食食材測定ボランティアの会」(小林幸子代表)が測定し、町教育委員会のホームページで公表する。諏訪地方の市町村は同町を含め、学校給食の食材の放射性物質検査を県に依頼して行っており、独自の測定は初めて。

 小中学生の子どもをもつ保護者らの要望を受けた事業で、今年度、放射線濃度測定用システム(約230万円)を購入した。放射性物質の中でも健康への影響が大きいとされる放射性セシウム(134、137)の食物中の含有量を測る。

 ボランティアの会は、子育て中の母親や放射能問題に関心を寄せる人が中心となり、メンバーは約10人。毎月2校ずつ調査対象の学校を定めて、給食献立の中から調査する食材を指定し、町教委を通して各校の栄養士がサンプルを調達、提供する。

 測定は食材を粉砕し、350ミリリットル~1リットルを専用の容器に入れて測定器にセットし、放射するガンマ線の波高を分析する。検査時間は1品15~30分かかり、毎回9~10品目を調べる。

 測定結果が1キログラム当たり10ベクレル(国が定めた食品からの年間被ばく線量上限100ベクレル)以上を検出した場合は給食に使わず、代わりの食材を調達する。県の基準値(25ベクレル)を上回った食材は、県に再検査を委託する。

 同会は「福島第1原発事故の魚介類への影響はこれから表われると思う。データを集積し、食の安全、環境の変化について正しい知識を持てば、子どもの健康を守り、風評被害を防ぐことにも役立つ」。町教委は「子育て支援と町民の安心・安全の確保、町の魅力づくりとして取り組む。食材の仕入れ先選びの目安として役立てたい」としている。独自測定開始後も当面は県の検査も続けていく考え。

 測定作業は毎週水曜日の午前10時から5時間ほど町役場隣接の役場分室で行い、「多くの町民に関心を持ってもらえたら」(同会)とスタッフも募っている。問い合わせは町教委(電話0266・62・9235)へ。

http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=32594
長野日報
2014-10-23

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