2015/05/26

医療被曝、線量に目安 CTやPETで関連12団体

(これまで、医療被ばく大国と言われながら、ほとんど一般には説明もされず、関心も低かったけれども、すでに原発事故による放射線被ばくを受け、現在も被ばくし続ける可能性もある現在、医療被ばくについても注意を払い、リスクを知った上で、特に子どもたちにはなるべく最小限にできればと考えます。「100ミリシーベルト」まではなどと考えず、判断に必要な情報を得た上で、医療上の必要度と天秤にかけて、選択できればと思います。子ども全国ネット)

2015/5/26  日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H2G_W5A520C1CR0000/

コンピューター断層撮影装置(CT)や陽電子放射断層撮影装置(PET)など、放射線を使った画像検査で受ける被曝(ひばく)線量を必要最小限にしようと、研究者や技師、業界の関連12団体でつくる「医療被ばく研究情報ネットワーク」が26日までに、検査部位や目的別に線量の目安をまとめた。今後、学会などを通じて周知する。

被曝線量が医療施設ごとにばらつきがあることから、一定の指針を示して撮影条件の点検や機器の調整に生かしてもらうのが狙い。検査の目的によっては線量を増やして画像を鮮明にする必要もあり、個別の患者に当てはめるものではないとしている。

放射線による画像診断は、がんなどの病気を発見し、適切な治療につなげるための有効な手段。これまでは診療放射線技師の団体などが個々に指針を定めていたが、欧米で公的に規制する動きが広がったこともあり、国内の関係団体が合同でまとめることにした。

医療施設への実態調査の結果、各施設で線量がばらついていることを確認した。使用線量の多い順に並べて、検査にもよるが、上から4分の1あたりの数値を「診断参考レベル」と呼ばれる目安にした。

体重50~60キロの成人の場合、全身への影響を表す実効線量に換算すると、頭部CTでは1回で約3ミリシーベルト、胸部CTでは約8ミリシーベルトとなる。欧州各国に比べると日本の頭部の目安はやや高いが、胸部は同水準という。

日本では年間の医療被曝は4ミリシーベルト、食品などからの自然放射線は2ミリシーベルトほどと推定されている。被曝線量は累積でおおむね100ミリシーベルト以上になると、がんなどの健康影響が表れるとされる。

目安は各施設での線量見直し状況や機器の進歩を踏まえて、今後、定期的に改定する方向だ。

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