質問者:
「SARIという科学者の団体がありまして、たとえばオックスフォード大学のウェード・アリソン先生、「放射能と理性」という本を出されていますけれども。そういった科学者の知見を聞きますと、年100ミリシーベルト程度の低線量放射線は、健康に害を及ぼすどころかむしろ、癌が減るとかですね、健康にいいとか、そういうことを言われているんですね。その観点に立つとですね、もちろん除染も必要ないし、子どもたちは学校の校庭で元気よく外で遊んだらいいし、汚染水も全然貯める必要はないし、すぐ全部、海に流したらいいと。今、すごい放射線量が空気中に出たと言っても、放射線量は低線量、全然健康に問題ないし、癌にもならないみんな、というようなことになるんですが、そういう人が増えているんですよ、今。その辺、どう思われていますか」
小出裕章先生
「あまりにも愚かな主張だと思います。人類が放射線を発見したのは1895年で、それ以降、たくさんの放射線被ばくと健康への研究が積み重ねられてきました。その結果、現在の学問の到達点としては、『被ばくというものは、どんなに低いものであっても、必ず健康に影響がある』というのが、現在の学問の定説なのです。
だからこそ、この地球上でほとんどすべての国に、放射線の被ばくに関する法律の規制があるという、そういうことになっているわけです。日本の場合にも、被ばくには危険が伴うから、一般の方々は、1年間に『1ミリシーベルト』しか被ばくをしてはいけないという法律があるわけだし、私のような放射線業務従事者という労働者であっても、1年間に20ミリシーベルト以上の被ばくはしてはいけないということを法律で定めているわけです。
それがまったく間違いで、被ばくは健康にいいんだというのであれば、法律でそういう制限を撤廃するというのがまずはじめにやるべきことだと私は思いますし、世界中の国々がそういう法律を決めている以上は、法律の定めによって国をきちんと運営するというのが国の責任だと私は思います。」
2015/04/25
日本外国特派員協会主催 元京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏 記者会見
https://www.youtube.com/watch?t=84&v=oo4jAYwvw-Q記者会見全体の動画はこちらにアップされています。
https://youtu.be/DrLFNQpsv_g
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