◇帰還困難区域を除き
自民党東日本大震災復興加速化本部(額賀福志郎本部長)は21日、復興加速化のための第5次提言案をまとめた。最も放射線量の高い帰還困難区域(年間積算放射線量50ミリシーベルト超)を除く避難指示区域については、避難指示解除の時期にかかわらず、避難者への精神的賠償の支払いを2018年3月までとすることなどが柱。週明けに与党間で合意し、今月末に政府に提出する。
東京電力福島第1原発事故に関する精神的賠償は現在、避難指示区域の住民1人当たり月10万円。提言では、除染やインフラなどの環境整備を進め、遅くとも17年3月に避難指示を解除すると明記。「(支払期間は)避難指示解除後1年をめど」とする国の原子力損害賠償紛争審査会の指針を踏まえ、1人が受け取る精神的賠償の総額は事故後7年分に当たる一律840万円になる。
対象住民は「避難指示解除準備区域」(年間積算放射線量20ミリシーベルト以下)、「居住制限区域」(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)の住民計約5万5000人に加え、避難指示が昨年4、10月に解除された福島県田村市都路(みやこじ)地区と同県川内村東部地区も含まれる。また、早期に避難指示が解除された旧緊急時避難準備区域は対象から外した。帰還困難区域の精神的賠償はすでに1人一律1450万円が支払われることになっている。
避難指示解除には住民の合意が必要だ。精神的賠償の支払期間を明確にしたことで早期の住民合意につながれば、「避難者の帰還が進み、人口が増えれば復興が促進される」との期待がある。額賀氏は会合で「避難指示解除をきっかけとして避難している人がふるさとに帰って来る道を切り開きたい」と強調した。
しかし、川内村東部地区で避難先から帰還したのは今年1月現在で人口の10.5%。田村市都路地区でも昨年11月現在39.1%にとどまり、放射線や雇用環境への不安などから帰還が進んでいない。避難指示の早期解除が実現したとしても避難者の帰還が進むかは未知数だ。
自民党東日本大震災復興加速化本部(額賀福志郎本部長)は21日、復興加速化のための第5次提言案をまとめた。最も放射線量の高い帰還困難区域(年間積算放射線量50ミリシーベルト超)を除く避難指示区域については、避難指示解除の時期にかかわらず、避難者への精神的賠償の支払いを2018年3月までとすることなどが柱。週明けに与党間で合意し、今月末に政府に提出する。
東京電力福島第1原発事故に関する精神的賠償は現在、避難指示区域の住民1人当たり月10万円。提言では、除染やインフラなどの環境整備を進め、遅くとも17年3月に避難指示を解除すると明記。「(支払期間は)避難指示解除後1年をめど」とする国の原子力損害賠償紛争審査会の指針を踏まえ、1人が受け取る精神的賠償の総額は事故後7年分に当たる一律840万円になる。
対象住民は「避難指示解除準備区域」(年間積算放射線量20ミリシーベルト以下)、「居住制限区域」(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)の住民計約5万5000人に加え、避難指示が昨年4、10月に解除された福島県田村市都路(みやこじ)地区と同県川内村東部地区も含まれる。また、早期に避難指示が解除された旧緊急時避難準備区域は対象から外した。帰還困難区域の精神的賠償はすでに1人一律1450万円が支払われることになっている。
避難指示解除には住民の合意が必要だ。精神的賠償の支払期間を明確にしたことで早期の住民合意につながれば、「避難者の帰還が進み、人口が増えれば復興が促進される」との期待がある。額賀氏は会合で「避難指示解除をきっかけとして避難している人がふるさとに帰って来る道を切り開きたい」と強調した。
しかし、川内村東部地区で避難先から帰還したのは今年1月現在で人口の10.5%。田村市都路地区でも昨年11月現在39.1%にとどまり、放射線や雇用環境への不安などから帰還が進んでいない。避難指示の早期解除が実現したとしても避難者の帰還が進むかは未知数だ。
◇住民に帰還促す
自民党の5次提言は、原発事故で強制的に避難を余儀なくされている住民の帰還を後押しするのが狙いだ。現行の方針では、慰謝料の支払期間を「避難指示解除後1年」とし、避難指示が長引くほど多く支払われるため住民が帰還に消極的になると指摘されている。
自民党の5次提言は、原発事故で強制的に避難を余儀なくされている住民の帰還を後押しするのが狙いだ。現行の方針では、慰謝料の支払期間を「避難指示解除後1年」とし、避難指示が長引くほど多く支払われるため住民が帰還に消極的になると指摘されている。
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