2015/1/26 日本経済新聞より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO82415800W5A120C1TJM000/
福井大学 松尾陽一郎特命助教らは、生体に対する放射線の影響を可視化する技術を開発した。DNAを模擬した分子鎖に放射線を当て、分子鎖が切れた場合に出てくる蛍光を観測する。従来は難しかった低線量の生体影響を調べる計測手法として応用が期待できる。
DNAの断片である分子鎖オリゴヌクレオチドの一方の端に蛍光物質、反対側の端に消光物質をつけた。約30の塩基対からなり、長さは約10ナノ(ナノは10億分の1)メートル。放射線を受けたとき、鎖が切れなければエネルギーが消光物質で熱に変わり、切れると蛍光が出る仕組みだ。
数十ミリグレイ(グレイは吸収線量の単位)のガンマ線や陽子線を当てたところ、蛍光を確認できた。線量の依存性は現在検証中。複数の蛍光物質を使えば、異なる現象を一度に調べられるとみている。放射線の影響評価はこれまで、プラスチックなどの非生体物質が使われてきた。
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