2015/01/06

大熊と双葉両町民、避難先で自宅購入急増/福島



 立地する東京電力福島第1原発の事故で全町避難が続く福島県大熊、双葉両町の町民のうち、いわき市などの避難先で自宅を購入した世帯が急増していることが、復興庁が実施した町民意向調査で分かった。両町とも2013年秋の前回調査では購入済みの割合が約10分の1にとどまっていたが、今回、約4分の1を占めた。
 現在の住居形態を聞いた結果、「持ち家」と答えたのは大熊町が24.1%、双葉町が27.3%で、ともに借り上げ型の仮設住宅(大熊町34.2%、双葉町34.4%)に次いで多かった。
 前回の調査では、「持ち家」は大熊町9.1%。双葉町12.8%だった。帰還のめどが立たない中、落ち着いた生活を送るため、移住も視野に、自宅を求めている姿がうかがえる。
 一方、帰還の意向については、「戻らないと決めている」が大熊町で57.9%、双葉町で55.7%に上ったが、前回よりそれぞれ9.2ポイント、9.0ポイント低下した。
 「戻りたいと考えている」は大熊町が13.3%(前回比4.7ポイント増)、双葉町が12.3%(2.0ポイント増)。「判断がつかない」は大熊町25.9%(6.1ポイント増)、双葉町27.9%(10.5ポイント増)だった。
 こうした意向の変化には、両町で将来計画の策定が進んでいることや、今回から「戻りたい」の選択肢に「将来的な希望も含む」との注釈を加えたことが影響しているとみられる。双葉町の伊沢史朗町長は「避難先での生活の安定化が進み、町の復興への期待が逆に高まっているのではないか」との見方を示した。
 調査は昨年9~10月、両町の全世帯(大熊町5353、双葉町3371)に郵送で実施。回収率は大熊町52.8%、双葉町51.6%だった。


2015年01月06日
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201501/20150106_63021.html

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