2015/09/26

映画「種まきうさぎ」が完成 福島県伝える若者、復興思い強く

2015年09月26日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20150926-015672.php
 

高知県で朗読する「たねまきうさぎ」のメンバー=2013年3月


震災と原発事故後の本県の現状を伝える朗読グループの一員として活動した高校生が、全国の人たちとの交流を通して成長する姿を追ったドキュメンタリー映画「種まきうさぎ フクシマに向き合う青春」が完成した。メンバーは現在、県外の大学に進学、離れ離れとなったが、映画完成にあたり「福島のためにできることを考えていきたい」と古里復興への思いを強くした。映画は10月24日から福島市の映画館で上映される。

朗読グループ「たねまきうさぎ」は2011(平成23)年に結成された。メンバーは当時、福島東高に通っていた長島楓さんと矢葺優佳さん、福島南高の尾形沙耶子さん、福島西高の根津咲希さんの4人。高知県の高校生から、本県の被災状況を語ってほしいと依頼があったのが活動を始めるきっかけとなった。

当初、避難生活を送る南相馬市の中学生の作文を読み上げていたが、各地で活動するうちに原発事故に対する自分たちの思いを語るようになった。「原発事故後の福島にいる自分の苦しみや考えていることを感じてほしかった」と矢葺さん。「東京や高知など県外の人が共感してくれ、思いが伝わった」と振り返る。

映画は13年から今春にかけて撮影された。メンバーが南相馬市小高区や相馬市の松川浦などを訪問、原発事故の風評に苦しむ農家や漁師から現状を聞いたり、県外の高校生と交流する姿を収録。米国が水爆実験を行ったマーシャル諸島を訪れ、放射能と闘い続ける現地の人から生き方を学ぶ姿なども収められているという。根津さんは「朗読以外の別な方法でも福島のためにできることを考えたい」と前を向く。

監督を務めた森康行さん(65)=茨城県=は「福島の問題に向き合う若者の姿から同世代の人がどう連携できるか、中高年世代はどのようにサポートできるかを考えるきっかけにしてほしい」と話した。

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