2015/06/16

柏市、来月から助成 子どもの甲状腺エコー検査費用

 2015年6月16日東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150616/CK2015061602000145.html

柏市は七月一日から、子どもの甲状腺エコー検査費用の一部助成を始める。市内が東京電力福島第一原発事故により、放射線量が局地的に高い「ホットスポット」となり、特に子育て世代の健康被害への不安を軽減するのが狙いで、県内では松戸市に続いて二番目。ただ、同市のように受診者すべてが医師の説明を受けられるとは限らないため、利用希望者からは不満の声も上がる。 (三輪喜人)

検査は、東日本大震災発生時と現在、市内に在住する一九九二年四月二日~二〇一一年四月一日生まれの人が対象で、市立柏病院で来年三月末まで実施。希望者は保健所窓口や市ホームページなどから申し込む。

検査費用は、六歳未満は八千二百円、六歳以上は六千八百二十円。このうち市が三千円(生活保護世帯は六千円)を補助する。

市保健所は受診者を二百五十人と想定し、予算は事務作業の人件費を含め約二百八十万円。

昨年から助成を始めた松戸も市民の不安軽減が目的で、昨年六月~今年三月にかけて百四十七人が受診。甲状腺の画像撮影は医師が行い、その場で受診者全員、結果の説明を受ける。

一方、柏市の場合、撮影は検査技師が担当し、約二週間後までに結果が郵送される。医師から直接説明を受けられるのは、経過観察や二次検査が必要な場合のみ。松戸のケースを当てはめると、百四十七人中三人に限られる。

柏市の子育て中の母親らでつくる市民団体「環境とエネルギー・柏の会」が、先月行った市民向けアンケートでは、回答した百十六人のうち約九割に当たる百三人が、今回の検査を受けたいと答えている。

同会代表の座間愛さんは、柏でも助成が始まることを評価しつつも「結果が郵送されてくるだけでは、不安を打ち消せないと思う。せめて希望者だけでも説明を聞けるようにしてほしい」と要望。これに対して市保健所は「検査は現状を把握することが目的」と、受診者への説明は計画通り、限定的になるとの見通しを示した。

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