2015/03/11

茨城/原発事故の影響深刻なまま 周辺10市町村から3000人避難

2015年3月11日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150311/CK2015031102000158.html

県内にも大きな被害をもたらした東日本大震災から十一日で四年。道路や港湾などの県内のインフラは、ほぼ復旧し、歴史的建造物も元の姿を取り戻しつつある。一方で、東京電力福島第一原発事故の影響は、深刻なままだ。多くの福島からの避難者が県内で生活を続け、農林水産物の一部は出荷制限が続いている。農林水産業や観光産業の風評被害対策も、いまだ終わりが見えていない。 

県の各担当課によると、震災後には計約百五十カ所あった国道と県道の通行止めは、昨年十二月に対策工事を終え、すべて解除された。被災した十六カ所の漁港は、北茨城市の大津漁港を除き、今月までに復旧工事を終える。被災した計八百八十校の小中高校などは、今年一月までに復旧した。

一方で、県内の公営住宅などで避難生活を続けている人は、二月十二日現在で四千二百六十四人。一年前から七百人程度しか減っていない。内訳は、県内の被災者七百二十人、岩手県からの二十五人、宮城県からの五十八人に対し、福島県からが三千四百六十一人で突出している。うち原発周辺の十市町村からが約三千人で、県内への避難者全体の七割を占める。

農林水産物では、基準以上の放射性物質が検出された十八品目は、国の指示や県の要請で、一定地域で出荷制限が続く。魚介類はこのほか、一部海域の八品目を漁協などが出荷を自粛している。水産加工業は被害回復が遅れ気味だ。水産庁のアンケートでは、県内業者で売り上げが八割以上回復したのは約四割しかない。一度離れた販売先がなかなか戻らないのが要因という。

八十四万六千八百三トンだった震災がれきは、昨年三月に処理が終了。しかし、一キロ当たり八〇〇〇ベクレル超の放射性物質を含む「指定廃棄物」は、十四市町で計三千六百四十三トンが一時保管されている。環境省は、県内一カ所に集めて処理するか、現在地で保管し続けるか、方針を決めていない。





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