ポーランド出身のチェリスト、マレック・シュパキエヴィッチさんが20日、ロサンゼルス(LA)郊外で2011年に起きた東日本大震災で大きな被害を受けた福島の子供たちを支援するためのチャリティーコンサートを開催しました。
世界的チェリストのヨーヨ・マ氏から「エネルギー、モチベーション、真摯さ、そして寛容な心を持っていることが自明なアーティスト」と評されたシュパキエヴィッチさんは、東日本大震災の発生直後から気にかけている福島の子供たちが活動する「相馬子どもオーケストラ」にチェロを寄付するために開いたリサイタルで、シューベルトのアルペジオーネ・ソナタ イ短調D821やフランクのチェロ・ソナタ イ長調などを披露し、素晴らしい演奏に多くの人たちが酔いしれました。
2年ぶりとなる日本でのリサイタルを控える中、大学の小さなホールで行った普段とは違うアットホームな演奏会にはLAで暮らす日本人も訪れ、優雅でダイナミックな演奏や驚くほど表現力豊か音色に感動した人も多かったようです。
6歳でチェロを習い始めたシュパキエヴィッチさんは21歳の時に才能を見いだされて、音楽家として奨学金を得て渡米。メリーランド州ボルティモアにある国際的に有名な名門ジョンズ・ホプキンズ大学ピーボディー音楽院で学び、その後は南カリフォルニア大学ソロートン音楽学校で音楽修士号と音楽芸術博士号を取得。
6歳でチェロを習い始めたシュパキエヴィッチさんは21歳の時に才能を見いだされて、音楽家として奨学金を得て渡米。メリーランド州ボルティモアにある国際的に有名な名門ジョンズ・ホプキンズ大学ピーボディー音楽院で学び、その後は南カリフォルニア大学ソロートン音楽学校で音楽修士号と音楽芸術博士号を取得。
数々の国際コンクールで優勝し、現在はLA郊外のアズサ・パシフィック大学音楽学校で弦学部及び室内楽のディレクターを務める傍ら米国や欧州を中心にチェリストとして演奏会を行う一方、アカデミー賞作曲賞を受賞したジョニー・デップ主演の映画「ネバーランド」(04年)やリチャード・ギア主演でリメイクされた忠犬ハチ公の物語「HACHI 約束の犬」(09年)など映画の楽曲演奏にも携わるなど多方面で活躍しています。
また、日本でも今春に放送されたドラマ「崖っぷちホテル」や松井久子監督がメガホンを取った彫刻家イサム・ノグチを育てた母レオニー・ギルモアさんを描いた映画「レオニー」(10年)などでも印象的なソロ演奏を披露しており、今月25日には東京・銀座のヤマハホールにてチェロ・リサイタルを開催します。
旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所にほど近い町で暮らしていたシュパキエヴィッチさんは、16歳だった1986年に原発事故を経験。家族は避難することができずに同地にとどまらなければならなかった体験から、福島の現状には誰よりも心を痛めていたと言います。
11年にはいち早く在ロサンゼルス日本国総領事館の後援を受けて東日本大震災チャリティーコンサートを企画した他、福島の子供たちがオーケストラやコーラスなど集団での音楽活動を通じて生きる力を育む音楽教育活動「エル・システマジャパン」にも12年の設立当初から関わり、支援を続けています。
2014年11月に初めて相馬市を訪れて以来、継続的に福島を訪問して現地でも支援活動を続けているシュパキエヴィッチさんは、自身の原発事故経験から、音楽を通じて子供たちがつながり、子供たちの音楽演奏を通じて地域がつながることが復興につながると信じ、そして音楽が人をつなぎ、地域や社会を変えていくことを願って活動を続けているそうです。
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