滋賀県高島市の放射能汚染チップ問題で、びわこ123キャンプもされている八木美砂子さんが、嘉田知事へ適切な対応を求めて要望書を提出くださいました。
要望書は県内外の53団体と239人の賛同者の連盟で提出されました。
八木さん、みなさんありがとうございます☆
その後の記者会見の動画がアップされています。
八木さんが冒頭で要望書を読み上げてくださっていますが、とてもとても響きますので、是非見てください。
滋賀県高島市放射能チップ問題に対する申し入れ行動後の記者会見及び放射能チップ滋賀県庁前緊急集会(動画)
●読売新聞報道
→
放射性チップ、確実な撤去と業者公表求める(2014年1月18日 読売新聞)
環境行政の専門家である嘉田知事だからこそ、毅然とした対応、問題の解決に向けての取り組みを期待していただけに、このような不透明で不可解な状況に残念でなりません。
県が依頼した汚染チップの処理業者も不明で、しかもトラックは東日本に向けて出発したものの どこにも処理されず、また元の河川敷に戻ってきたという不可解さ。
8000ベクレル以下は問題ないの一点張りだそうです。
これは滋賀県だけの問題ではなく、がれきの広域処理と同じく、
全国にすでに起こっている問題の氷山の一角です。
瓦礫のときも「福島や東北が困っているから・・・」という痛み分け、風評被害を呼ぶからとの言い訳がまかり通りました。
痛み分けは日本中への放射能拡散であり、風評被害と言うことで「実害」を隠すことに加担します。
八木さんは「びわこ123キャンプ」で福島の子ども達の保養活動もしています。
毎回大勢の子ども達が、春、夏、冬の休みの長い期間、きれいな空気の中で思いっきり遊んで、からだにいい手作りのご飯をたくさん食べて過ごしています。
汚染されていない地域に放射能を拡散することはなんとしても止めなくてはいけません。
福島県では除染作業によって出た除去物の置き場所が定まらず、公園や校庭、自宅の裏庭などに置かれている現状を一刻も早く解決しなくてはいけないことは自明の通りです。
しかしながらそれがために、事故以前には放射性廃棄物とされ厳重管理されていた、100ベクレルを大きく上回る数千Bq/kg以上に汚染されたパークなど木質有機物が、今回のように不明瞭なルートで各地に運ばれ不法投棄されながら、持っていきようがないなどの理由で行政の曖昧な姿勢や対応を看過する訳にはいきません。
また現在の基準値8000Bq/k以下の資材については、全国各地でリサイクルを目的にこのような木材チップや堆肥、建築資材やバイオマスエネルギーへと流用が進んでいるのではないかという懸念も大きくなっています。
がれきの広域処理に続いて、こちらも注力していかなくては行けない問題と思います。
これ以上汚染を拡散することはなんとしても止めなくてはいけません。
<参考資料>
●昨年のニュース報道
→
河川敷放置の木材チップから放射性セシウム 滋賀・高島市(msn産経NEWS 2013/09/17)
●これまでの経緯はこちらが詳しいです。
→
滋賀・高島市河川敷放置の木材チップから放射性セシウム 3000ベクレル
●フライデーの記事も参考に
→
滋賀県鴨川河川敷にセシウム木材を不法投棄した元郵政省官僚
●チップの測定方法についてはこちら
→市民の緊急要請が2県、近日行なわれる模様(細々と彫りつける)
以下、要望書です。
******************************
(放射能から子どもと大地・水・空気を守る会)
ーーーーー
滋賀県知事 嘉田由紀子様
高島市・鴨川の河川敷およびその周辺における木材チップの不法投棄と
処理についての要望書
緊急に対応される現状について、切実な要望と意見を述べさせていただきます。
県は「当該チップを県外の某一般処分場等で処理する」としており、実際に現在チップを乗せたトラックが搬出を開始しています。どこに行くのか知らされないままのトラックの出発に対し、第二の高島市が生まれるだけではないか、滋賀県自体が同じ過ちを繰り返しているだけではないかと、私たちは納得できないでいますし、ますます福島の人々に対し申し訳ない思いです。何故なら、福島の人々が望んでいることは汚染や処理の痛み分けではなく、これ以上汚染を増やさないこと、拡散しないことですし、水、空気、大地、食材、遊び場所、保養場所等、安心して自然に飛び込める当たり前の日常と笑顔を守ることだからです。
滋賀県は若狭原発を頭上に控え、県独自のシミュレーションでも風下になることがわかっています。それにもかかわらず放射性物質に対して非常に甘い危機感で、住民だけでなく県外に対しても、自己防衛を促すどころか、不安をあおらないように情報を出そうとしていません。この状況からは、3.11のあと福島の人々が、県からも国からも情報が出されないどころか「安全だ」と聞かされたために、子どもに着けさせていたマスクをとり、外遊びを許してしまい、予防できたはずの余計な被ばくを子どもたちにさせてしまったと後悔に苦しんでおられる現状に対し、いったいどのような認識でおられるのか疑問が尽きません。
国の設定する基準値が上がっても下がっても、身体の放射能に対する耐性が変わるわけでもなく、身体の外からも、内からも、遺伝子が傷つけられる事実は変わりません。影響が分からないのであれば、予防原則の対応をとるべきではないでしょうか。
どうか、今後の汚染チップ撤去作業の過程を、第三者まかせにせず、大変有害な毒物である放射性物質が、焼却や埋め立てによって新たな汚染場所を増やすことがないように、また不明にならないように、もとの場所にもどるところまで確実に県が関わり見届けていただきたいと思います。また、放射性物質に汚染された木片チップが再処理、加工などで繰り返し汚染が拡散される事態にならないよう、途中経過の公表も含め、厳重な管理をすることをお願いいたします。
この件に対する滋賀県の誠実で毅然とした対応によって、県外、日本全国において、新たな不法投棄による放射能汚染が拡大することを防ぐことができると考えます。全国規模の問題であるという認識のもと、よいモデルとなる対応をお願いいたします。
要望内容
1:県外の無関係な施設での処理を直ちに中止し、搬出元(木片チップが生産、搬出された場所・不法投棄を行った業者が搬出した場所)に返却してください。
大変有害な毒物である放射性物質の焼却や埋め立て、再利用等の処理によって、県外で汚染される場所(無関係な他府県)、処理施設周辺住民への被害、放射能汚染物質の流通・拡散場所などが新たに増やされることは、犯罪行為に匹敵します。
私たち、滋賀県民はこのような県政を許すわけにはいきません。
2:近畿1400万人の水源である琵琶湖を放射能汚染させることのないように、一刻も早く高島の木材チップを撤去してください。このチップは、非常に高濃度であるだけでなく、放射性セシウム以外にも有毒な放射性物質が含まれています。
3:不法投棄された放射能汚染がある木片チップは、搬出元に返却されても、焼却、再利用されることなく、3.11以前の放射性廃棄物の規則にのっとって、ドラム缶につめて厳重な管理の下に保管する等、適正に管理されるところまで確実に県が関わり見届けてください。
4:不法投棄事業者は明かに廃棄物処理法に反しています。
法的責任を問い、告発してください。
以上全ての経過を情報公開してください。
呼びかけ人代表
八木美砂子(放射能から子どもと大地・水・空気を守る会)
呼びかけ人(順不同) 畑 明郎(日本科学者会議滋賀支部代表幹事) 井野 文(ネットワークあすのわ副代表)