2015/03/31

【インタビュー】「現実と希望の狭間で」 会津放射能情報センター代表・片岡輝美さん


2015年3月31日 クリスチャントゥデイ
http://www.christiantoday.co.jp/articles/15549/20150331/kataoka-terumi-interview.htm

東日本大震災、そして福島第一原発事故から4年。同原発から約100キロ離れた日本基督教団若松栄町教会(福島県会津若松市)の会員である片岡輝美さんは、2011年7月に会津放射能情報センターを立ち上げた。以来、その代表として、講演や著書などを通し、福島から放射能に関する情報を発信している。震災・事故後4年が経過した今、福島の現状はどうなのか。「現実と希望の狭間で、その振れ幅が大きい」と語る片岡さんに、福島の地でどう思い、何を感じているのか、話を聞いた。

4年たっても依然ざわつく心

4回目の3・11を迎え、心がざわつき、やはりあの時を思い出します。地震があったこともそうですし、津波のことも、そして何よりも原発が爆発したと聞いて、またそれを見て、「ああ、もう終わっちゃった」という、あの時の恐怖感がよみがえってきます。一種のトラウマ(心的外傷)だと思います。子どももそうですが、大人の場合も同じように、尋常ではないあの瞬間を経験したので、そのショックは大きかったと思います。

もう一つ思うことは、「この4年間、何をしてきたのだろう?」ということです。これは情報センターの活動に関わっている人も、関わっていない人も同じように言います。つまり、本当にその通りだと思える復興を実感していない。私たちが思い描く復興とは、ますますかけ離れてきている。無力感というか、この4年間の動きが無駄であったのではないかという思いすら持ちます。

最近のセンターの状況としては、ここ1、2年、会津若松市でも子育てをできないと判断した人たちが、県外へ移住することが続きました。会津若松市もやはり、安心・安全宣言が事故後早くに出され、観光の地・農業の地でもあるから除染はしないという、あきれた話が始まりました。その後、市に除染をするよう求めても、いっこうにやる気配はありません。福島県なのに、県民も教育現場も危機感をすでに持たなくなっている中途半端感。一致点を見いだすことができず、移住を決意した人たちがいます。
















甲状腺がん疑われる子どもたちのケア

一方、会津若松では、6人の子どもたちの小児甲状腺ガン、またはその強い疑いが発表されました。果たしてその子たちのケアはどうなっているか、私たちはとても気にしています。福島県は安全だと言われ、100人以上の子どもたちが小児甲状腺ガンの強い疑いと判定されても、それは原発事故との関連は考えにくいとされています。ましてや、会津は放射線量が低くて安全とされているのだから、その中でがんと診断されたら、やはり親としては揺れ動くのは間違いないでしょう。生まれながらにその病気を持っていたと言われれば、産んだ自分の責任だと母親は思うわけです。でも一方、本当に原発事故と関係ないのだろうかと思うこともあるわけです。

市役所との話し合いのときに、「小児甲状腺ガンと言われた子どもたちへの市としてのケアはどうなっているのですか」と聞いたら、「担当が違うから分かりません」と言われるのです。きちんとそれに向き合ってくださるような態勢を取ってもらいたいとお願いをしました。ただその態勢も原発事故との無関係を前提としたものであってはならないと思います。子どもたちの健康をしっかりと見守ることを、市に意識してもらいたいと思っています。

確かにある希望、しかし同時にある絶望

独りで放射能への不安を抱えている人がいるならば、その人が望む限り一緒に活動するなり、つながることができればと思っています。この丸4年間、人と人がつながることが大きな望みでした。それは信仰があってもなくても、宗教が違っても、やはり独りで抱えていける問題ではない。だから、人々のつながり、そこには大きな希望があり、喜びがあり、支えがあると思うのです。

だけどその一方で、福島第一原発は非常に危機的な状況が続いていて、毎日7千人近い作業員が被ばくしながら廃炉作業に当たっていますが、次々と困難な状況が生まれています。

私は高線量の厳しい環境で作業する人々の安全を祈ることしかできません。しかし、人間の手には負えそうもない原発事故の向こうには絶望的な状況も見えてきます。

今まで少なくとも私の経験の中では、何か困ったこととか、絶望までいかなくても、本当に心配することがあったとしても、それを何とか解決することができました。しかし、今の状態を見ると、私たちが希望を作り出そうとしても、原発サイトはかなり厳しい現実のまま。希望が絶望を小さくしていくことはあり得ないのです。

全文は↓
http://www.christiantoday.co.jp/articles/15549/20150331/kataoka-terumi-interview.htm


片岡輝美さんの著書『今、いのちを守る』と、
共著書『クリスチャンとして「憲法」を考える』
『わたしたちのこえをのこします』『原発とキリスト教 私たちはこう考える』






















片岡輝美さんが共同代表を務める「子ども脱被ばく裁判の会」の井戸謙一弁護士が、
福島の親たちに送るメッセージが記されたブックレット
『怖がっていい 泣いていい 怒っていい いつか、さいごに笑えるように』。
会津放射能情報センターで配布している。






























教会も社会的な問題に目を背けてはいけない

私は、教会こそ、社会的政治的な課題に取り組むべきだと思います。「配慮」によって取り組みや対話を避けるのであれば、私はその判断に問い掛けたい、「イエスはそのような生き方をしたのですか」と。

そのことに関わらないと判断した時点で、もう私はその事柄を容認していると思うのです。教会の中では原発のことには関わらない、話し合いもしないといったら、もうそれは、具体的にいえば、自分たちには原発が必要だということになるのです。

私は一キリスト者として、言わなければいけないと思うし、言える場があるのだったならば、言っておかなければいけないと思います。「やはりあの時、言えば良かった、やれば良かった」という後悔は、二度としたくないのです。「生命を守りたい」という思いから生まれる言葉や行為は、実は非常にシンプルでもあり、それは、まさに創造主から与えられた生命を最後まで生き抜くことになると信じています。


片岡輝美(かたおか・てるみ):1961年、福島県生まれ。2011年、「放射能から子どものいのちを守る会・会津」と「会津放射能情報センター」を設立し、代表となる。福島の約200人の親子が子どもの人権回復を求めて福島地方裁判所に提訴した「子ども脱被ばく裁判の会」の共同代表。

【詳細続報】原発事故が北関東のオオタカ繁殖に打撃

2015年03月31日
http://www.huffingtonpost.jp/science-portal/falcon_b_6969272.html

2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降、北関東で繁殖するオオタカの繁殖成功率が下がるなどの異変を、名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科の村瀬香(むらせ かおり)准教授らが確認した。繁殖の4段階の成功率低下を調査して、空間線量が特にふ化率と巣立ち率に悪影響を与えていた可能性を見いだした。

外部被ばくだけでなく、食物連鎖で放射性物質が移行したえさによる内部被ばくも長く繁殖率低下に関与している可能性を示した。原発事故は野生動物への打撃も大きかったといえる。NPO法人オオタカ保護基金(宇都宮市)の遠藤孝一(えんどう こういち)代表らとの共同研究で、3月24日付の英オンライン科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。






















研究グループは1992年~2010年の19年間毎年、福島第一原発から100~130km西南西に離れた北関東の野外の繁殖サイト約40カ所でオオタカのペアを探索して、そのサイトの繁殖(繁殖期は春から夏)がどの程度成功するかを調べた。オオタカの繁殖を、巣づくり、抱卵、ふ化、巣立ちの 4段階に分け、各段階の成功率から、オオタカの繁殖生態を明らかにした。これらのデータから、 4段階の成功率の平均値は、それぞれ72%(巣づくり)、89%(抱卵)、88%(ふ化)、88%(巣立ち)で、繁殖成功率は78%と推定された。

11年3月の原発事故以降、北関東でオオタカの繁殖に異変があった。オオタカの繁殖に関する4段階の成功率はどの段階でも低下していた。ただ、その様相は段階ごとに異なっていた。巣づくり率は 11年に49%と大きく落ち込んだあと、徐々に回復傾向が見られたが、震災前より低下したままだった。一方、抱卵率とふ化率、巣立ち率は、11年に例年の範囲内だったのが、12年、13年にかけて下がっていた。


















繁殖成功率は11年が75%だったが、12年に55%、13年に50%と著しく低下して、影響は2年以上続き、深刻化した。ランダムにサンプリングした13カ所のデータで解析し、「空間線量の効果」と「繁殖サイトの環境の効果」を比べたところ、繁殖の各段階の成功率の低下により寄与していたのは空間線量の効果だった。0.1uSv/hの空間線量の上昇は、最大で 10%の繁殖成功率の低下に寄与していると試算できた。時間の経過とともに空間線量は次第に下がったはずで、繁殖成功率もそれに伴って、東日本大震災前の水準に戻ると予想されたが、実際はそうならなかった。

村瀬香准教授らは「事故前の19年間のオオタカの繁殖データがあったので、原発事故の影響を判定できた。オオタカは森林生態系の頂点捕食者で、影響が長引いているのは、原発事故で放出された放射性物質が食物連鎖を経て到達するのに時間がかかったのではないか。また、野生動物の研究では、野外で生き残って淘汰がかかった後の集団を対象にせざるを得ない場合が多く、原発事故の影響を過小推定する恐れがある」と指摘している。

福島/湿地のフキノトウが高濃度汚染か 杉浦准教授が調査

2015年3月31日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/0331/news6.html
 
じめじめした湿地状の場所から採取されたフキノトウが、高濃度の放射性セシウムに汚染されている可能性が高いことが30日、福島学院大短期大学部の杉浦広幸准教授の調査で分かった。
 
杉浦准教授によると、伊達市保原町富沢地区の伊達花見山公園駐車場脇の場所では、1キロ当たり約960ベクレルを検出、基準値の1キロ当たり100ベクレルの約10倍の値に達した。一方、10メートルも離れていない乾燥地では、基準値以下の1キロ当たり約49ベクレルの濃度だった。このほか、福島市茂庭の「もにわ広瀬公園」などでも調査、湿地は乾燥地より、3倍程度高い値になったという。
 
「年間を通じて乾燥しない場所(湿地状態)での植物は、放射性セシウムを吸収しやすい」との仮説を立て、前年度から調査していた。杉浦准教授によると、湿地状の場所では、放射性物質の自然減衰に逆行するように、前年度よりも高い数値を検出しているという。「湿地状の場所は、雪解けも早くセシウムなどが集まりやすいのではないか」と分析している。





放射性物質へのギモンに答えます 環境省が冊子

2015年3月31日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/DA3S11679179.html


漫画冊子「なすびのギモン」

環境省は、4年前の東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質の現在の影響を解説する漫画冊子「なすびのギモン」を発行した。「体に取り込んだ放射性セシウムはたまり続けるの」といった問い合わせが今もあり、そうした疑問に答えるのが目的という。

「身の回りの放射性物質」「健康影響」「食品」の3編構成。福島県出身のタレントなすびさんが専門家に取材する形で、体に取り込まれた放射性セシウムは排泄(はいせつ)されることや、福島市内の浄水場の水の検査結果、食品中の放射性セシウム濃度が低くなっている理由などが解説されている。

環境省福島環境再生事務所は「単に安全だと言っても不安はぬぐえないので、科学的なメカニズムや事実関係を重視して作成した」と話す。環境省と福島県が共同運営する福島市の除染情報プラザ(電話024・529・5668)などで配布しているほか、ウェブ版をダウンロードできる(http://nasubinogimon.jp/)。



この冊子は少し前に発行され、話題になっていましたが、朝日新聞でも掲載したということで取りあげました。中を読んでいくと、福島県での取組みの詳細が報告されているなど、取材した形でていねいに漫画で説明されているので、わかりやすい面もあります。ただ、これだけ取り組んでいるから(努力しているから)安全だ、という流れに乗せられてしまう可能性があると感じました。どれだけ取り組んでも、結果、厳しく測定して安全が確保されていなければ、安全とは言えないはずなのですが。(子ども全国ネット)




←このシーンは突然はさまれているのですが、わざわざ赤ちゃんを育ててているママを登場させてこんな言葉を語らせているのが気になります。(子ども全国ネット)



←福島県内では環境省管轄の除染プラザのほか、身近なところで配布されているそうです。

2015/03/30

新潟/県、避難者の交通費支援継続


2015年3月30日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20150330171990.html
 
東京電力福島第1原発事故で福島県から本県に自主避難して二重生活を強いられている世帯を対象にした高速バス料金、高速道路料金の支援について、県は30日、期間を2016年3月末まで1年間延長すると発表した。
 
対象は本県に避難した高校生以下の子どもに会いに来る父、母。高速バス料金は、新潟―郡山線の往復料金5550円を週1回分補助。高速道路料金は、避難元と避難先の最寄りインターチェンジ間の、自動料金収受システム(ETC)往復料金を月1回分補助する。
 
希望者は補助金申請書に運転免許証の写しや世帯全員の住民票などを添えて県に提出する。対象になる避難元地域などの問い合わせは本県広域支援対策課、025(282)1732。

兵庫/講演会:避難の木田さん、福島懸念を訴え 姫路で


毎日新聞 2015年03月30日 地方版
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150330ddlk28040304000c.html

東京電力福島第1原発事故「4年のつどい」が28日、姫路市内であり、福島県富岡町から水戸市に避難している木田節子さん(60)が健康被害などへの懸念を訴えた。

木田さんは元バスガイドで、国連人権理事会で原発事故避難者の窮状を訴えるなど各地を巡回講演中。約30人の参加者を前に「福島の人は現状を仕方がないと思っているようだ。しかし、口を閉ざすのではなく、本当の思いを顔と名前を出して発言していかねば」と語りかけた。

2015/03/29

食品汚染の状況を知ろう! 3月2日厚労日報ダイジェストより(マダムトモコ厚労日報ダイジェスト)

【ダイジェストの読み方】 ダイジェストでは検出例だけを羅列するのではなく、子ども達の給食はじめ皆さんの身近にある食材の「状況」をお知らせしています。

ご覧になるときには○○Bq/kg」と赤字になっているものは検出
NaIまたはGeなど検査方法の冠がつき、「未満」の文字で終わり黒字のものは「不検出」というふうにご覧ください。みなさんそれぞれの「ものさし」を持ち、ベストの選択ができますように。

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3月2日のダイジェストです。

【水産物】 海の魚は、引き続き概ね5Bq/kg未満の数値ですが、茨城県沖スズキは検査された6検体すべてから5.3~43Bq/kg検出されています。秋田県では流通品メバルから30Bq/kgの検出報告がありましたが、日本海側の海域でこのような数値が報告された例はなく、測定の精度が定かでない点からも誤検出の可能性が考えられます。
一方、川の魚数値が高く群馬県赤木大沼ワカサギ6検体すべてから49~85Bq/kgが検出されています。群馬県内その他の地域では、ヤマメやイワナなどから最大23Bq/kg、茨城県霞ヶ浦のワカサギ7.6および9.6Bq/kgの検出が報告されています。
【農産物】 原木シイタケは北関東中心に6県で17検体と検査数が非常に少なく、検出はうち6検体6.6~16Bq/kgでした。栃木県では通常通りその他キノコ類が検査され、ナメコ2検体から6.1および8.3Bq/kg、エリンギから8.1Bq/kgの検出が報告されました。その他の品目では、栃木県塩谷町の野生フキノトウ 11Bq/kg、茨城県産流通品サツマイモ 2.8Bq/kg、宮城県丸森町タケノコ 26Bq/kgなどが検出されています。
【畜産物・乳製品その他】 野生鳥獣肉は、千葉県君津市野生イノシシ3検体のうち1検体か47Bq/kgが検出されました。牛肉岩手県産399検体のうち2検体から10および18Bq/kgが、豚肉千葉県産から1.2Bq/kgが検出されています。原乳およびその他乳製品からの検出報告はありませんでした。また、群馬県産「清涼飲料水」から6.3Bq/kgの検出が報告されていますが、これは水ではなく、果汁を用いたジュースの類と推測されます。

世田谷こども守る会
事務局 堀


厚労省日報ダイジェスト3月2日(第919報)

  • 基準値超過なし

    【水産物】
    北海道・マダラ14検体 うち2件 0.38および0.87Bq/kg
    青森県・マダラ7検体 うち2件 0.39および0.57Bq/kg
    岩手県・マダラ2検体 いずれもGe0.67~9.8Bq/kg未満
    宮城県・マダラ5検体 いずれもGe3.7~16Bq/kg未満
    茨城県・マダラ Ge13Bq/kg未満

    茨城県・スズキ6検体 すべて5.3~43Bq/kg

    宮城県・ヒラメ7検体 いずれもGe6.6~CsI 25Bq/kg未満
    茨城県・ヒラメ5検体 うち3件 0.83~3.7Bq/kg
    千葉県・ヒラメ 0.34Bq/kg

    北海道・その他海産物37検体 いずれもGe0.68~7.8Bq/kg未満
    青森県・その他海産物7検体 いずれもGe0.71~11Bq/kg未満
    秋田県・流通品メバル CsI 30Bq/kg
    岩手県・その他海産物31検体 いずれもGe0.8~15Bq/kg未満
    宮城県・その他海産物26検体 いずれもGe1.5~12Bq/kg未満
    茨城県・その他海産物18検体 うち5件 3~27Bq/kg(キツネメバル)
    千葉県・その他海産物13検体 うち1件 1.9Bq/kg
    東京都・多摩川河口域アサリ Ge6.7Bq/kg未満
    静岡県・サバ、イワシ Ge1.8および10Bq/kg未満

    岩手県盛岡市、花巻市・ウグイ2検体 Ge8.0および9.6Bq/kg未満
    新潟県新潟市(福島潟)・ギンブナ、コイ4検体 いずれもGe8.7~9.2Bq/kg未満
    群馬県前橋市(赤木大沼)・ワカサギ6検体 すべて49~85Bq/kg
    群馬県中之条町・ヤマメ、イワナ6検体 すべて 6.3~23Bq/kg
    群馬県沼田市(利根川)・ヤマメ 6.4Bq/kg
    群馬県東吾妻町・イワナ、ヤマメ7検体 うち5件 5.6~22Bq/kg
    群馬県長野原町(熊川)・ヤマメ 7.6Bq/kg
    栃木県那珂川町・ウグイ2検体 9.1および13Bq/kg
    栃木県那須烏山市・ウグイ2検体 5.5および7.5Bq/kg
    茨城県神栖市、霞ヶ浦(北浦)・ギンブナ2検体 17Bq/kg
    茨城県霞ヶ浦(西浦)・ワカサギ2検体 7.6および9.6Bq/kg
    千葉県香取市(利根川)・ギンブナ 12Bq/kg

    【農産物】
    宮城県・原木シイタケ Ge17Bq/kg未満
    群馬県・原木シイタケ 11Bq/kg
    埼玉県・原木シイタケ2検体 うち1件 12Bq/kg
    栃木県・原木シイタケ8検体 うち1件 12Bq/kg
    栃木県・菌床シイタケ4検体 うち1件 6.6Bq/kg
    千葉県・原木シイタケ2検体 5.1および16Bq/kg

    栃木県・ナメコ2検体 6.1および8.3Bq/kg
    栃木県・エリンギ 8.1Bq/kg

    秋田県・流通品コメ2検体 Ge0.9および1.5Bq/kg未満
    新潟県湯沢町・流通品コメ(精米) Ge5.4Bq/kg未満

    栃木県・野生フキノトウ2検体 うち1件(塩谷町) 11Bq/kg
    茨城県・流通品サツマイモ3検体 うち1件 2.8Bq/kg
    宮城県丸森町・タケノコ 26Bq/kg

    【畜産物・乳製品その他】
    千葉県君津市・野生イノシシ肉3検体 うち1件 47Bq/kg

    岩手県・牛肉339検体 うち2件 10および18Bq/kg
    千葉県・豚肉 1.2Bq/kg

    岩手県・原乳12検体 いずれもGe2.2~2.9Bq/kg未満
    宮城県・原乳5検体 いずれもGe1.9~2.4Bq/kg未満
    新潟県・原乳2検体 Ge5.7および6.4Bq/kg未満
    群馬県・原乳3検体 いずれもGe3.5~4.3Bq/kg未満
    栃木県・原乳6検体 いずれもGe2.5~3.1Bq/kg未満
    神奈川県二宮町、大磯町・原乳 Ge0.42Bq/kg未満

    群馬県・清涼飲料水 Ge6.3Bq/kg






岡山/岡山で伸び伸び過ごして 被災地の親子ら1週間滞在


毎日新聞 2015年03月29日 
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20150329ddlk33040432000c.html

東日本大震災時の東京電力福島第1原発事故に遭った福島県などの人たちを岡山に招き、放射能などを気にせず伸び伸びと過ごしてもらう「保養プラン」が玉野市で開かれている。7泊8日の日程で、約40人が参加している。

原発事故後に避難区域となった福島県川内村から北区建部町に移住した大塚愛さん(41)が発足させた避難者支援団体「子ども未来・愛ネットワーク」が主催。春と夏に開き、今回が9回目。ボランティアがコンサートや観光を企画し、28日は渋川海岸近くで植物の芽や種を探すゲームを子どもたちが楽しんだ。

福島県郡山市から8歳と4歳の息子と参加した熊田芳子さん(39)は「ここでは何も気にせず親子で過ごせる」と目を細めた。地元では道ばたの泥などの放射線量が高く、子どもを思い切り外で遊ばせることはできないという。郡山市は内陸で津波の被害も受けず、「原発事故さえなければ元の生活に戻れていた」という思いもある。「支援してくれる人がいて、ありがたい。子どもたちが大人になるまで続けてほしい」と話した。

県内の高校生や大学生がスタッフとして参加するなど、迎える側の輪も広がっている。インターネットで活動を知り加わったという中国学園大3年の井上賢翔さん(20)は「被災地の人と話して、『もっと被災地のことを知ってほしい』という思いを感じた。岡山の良さを知ってもらい、のんびり過ごしてほしい」と話した。

「子の成長に責任」郡山市から県外避難


毎日新聞 2015年03月29日
http://mainichi.jp/select/news/20150329k0000m040153000c.html

東日本大震災から4年。福島県郡山市から静岡県富士宮市に自主避難している長谷川克己さん(48)は「郡山の放射線量は子供が安心して生活できるレベルではない。戻りたくても戻れない」と話す。

妻、長男(9)、長女(3)との4人家族。震災後、線量計を持って関東地方から北上すると線量がどんどん高くなった。周囲の人は「(郡山は)心配するほどではない」と避難を思いとどまらせようとしたが、被ばくの危険性を訴える市民団体の主張の方が正しいと思えた。

郡山では介護関連会社の現地施設責任者だった。社長から「埼玉や千葉に転勤してもいい」と言われたが、「自分だけ虫のいいことはできない」と退社を決断した。

静岡県に避難したのは、小学生まで住んでいた縁だ。2011年8月に転居した当初は、富士宮市内でデイサービス会社に勤務したがなじめず、自ら同様の会社を設立した。

開業資金は銀行融資。返済や日々の資金繰りは楽ではない。両親を残してきた郡山出身の妻の気持ちは聞かずとも分かっている。それでも避難の決断に後悔はない。「子供の成長に責任がある。会社の経営は自分の才覚の問題。避難者だから苦しいなんて言い訳はしたくない」

福島/県外避難者、被災時住居「戻らず」85%


毎日新聞 2015年03月29日 
http://mainichi.jp/select/news/20150329k0000m040151000c.html


東日本大震災後に福島、宮城、岩手3県を離れて全国各地に避難している「県外避難者」に毎日新聞がアンケートを実施したところ、被災時に住んでいた地区に「戻らないつもりだ」もしくは「戻れないと思う」と答えた人が計85%に上った。福島からの避難者の場合は「戻らない」「戻れない」人の7割以上が、残留放射線や東京電力福島第1原発の状態を理由に挙げており、原発事故の影響が最大のネックになっている。

毎日新聞は2011年秋から半年ごとに県外避難者アンケートを行っている。8回目となる今回は2月に実施し、144人(男女各72人)から回答を得た。被災時の居住地は福島120人、宮城18人、岩手6人。

帰還意思を尋ねたところ、「戻るつもりだ」が15%、「戻らないつもりだ」は46%、「戻りたいが戻れないと思う」は39%だった。「戻らない」「戻れない」理由(複数回答)は、宮城、岩手からの避難者(計20人)の場合、「戻っても仕事がない」「自宅が災害危険区域にある」が共に40%で最多だった。

一方、福島からの避難者(102人)は「残留放射線による被ばくが怖い」(75%)、「福島第1原発の状態」(71%)が突出している。次いで「被災地域のコミュニティーや経済が崩壊している」(29%)、「自分や家族が今の居住地になじんだ」(28%)が多い。

 ◇自主避難者多い避難区域外「戻らない」5割超

福島県からの避難者については、被災時の居住地が避難区域かどうかで帰還の意思を分析した。現在も避難区域の人は51%が「戻れない」、39%が「戻らない」と答えた。

一方で、避難区域になったことがない地区の人では「戻らない」54%、「戻れない」32%と割合が逆転する。この地区からの避難者の多くが被ばくを懸念して自主避難した人たちだ。

福島県からの避難者に、仮に戻る場合に許容できる年間追加被ばく線量を尋ねたところ、「ゼロ」が60%と最も多く、次いで「1ミリシーベルト未満」15%、「5ミリシーベルト未満」2%だった。22%は無回答だった。国は「20ミリシーベルト以下」を避難指示解除の要件の一つとしており、避難者の意識と大きな隔たりがある。



2015/03/28

全員1ミリシーベルト未満 内部被ばく検査の2月分結果

(何度も書いていますが、ホールボディカウンターによる内部被ばく検査で検出されるような被ばくは、現在の環境下では、よほど汚染されたものを食べつづけていない限りない可能性が高いのですが、しかもこうして、結果をそのままベクレルで発表せず、実効線量に換算し、1ミリシーベルト未満だったことだけ発表するのでは、実態が何もわかりません。厳しく測定し、結果を公正に公表することが大事なのは、食品測定と同じことです。 子ども全国ネット)

2015/03/28 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2015032821811

県は27日、東京電力福島第一原発事故を受けて実施しているホールボディーカウンターによる内部被ばく検査の2月分の結果を発表した。 

2443人を検査した。成人で今後50年、子どもで70歳までの内部被ばく累積線量を示す預託実効線量は全員が1ミリシーベルト未満だった。県は「全員、健康に影響が及ぶ数値ではない」としている。 

対象の市町村と人数は次の通り。 
 ▽福島184▽二本松6▽本宮337▽国見4▽川俣1▽郡山149▽田村4▽石川1▽白河687▽矢祭82▽南相馬7▽富岡2▽大熊33▽双葉4▽浪江678▽新地246▽いわき18


那須野が原のオオタカ、放射能で減少? NPOなどが発表


2015.3.28  産経新聞
http://www.sankei.com/region/news/150328/rgn1503280083-n1.html

那須野が原(那須塩原市と那須野町の一部)で準絶滅危惧種、オオタカの繁殖生態を調査するNPO法人オオタカ保護基金の遠藤孝一代表は27日、福島第1原発事故後のオオタカの繁殖成功率の低下は放射能の空間線量の増加による影響が主要な要因とする調査結果を発表した。

調査は名古屋市立大大学院システム自然科学研究科の村瀬香准教授と共同で行われた。村瀬准教授は「原発事故がオオタカの繁殖に与えた影響」のタイトルで論文にまとめ、国際科学雑誌に発表した。

同基金が那須野が原で野外調査を実施してきた震災前(平成4~22年)の19年間のデータを解析して計算した(1)造巣(2)抱卵(3)孵化(ふか)(4)巣立-の各成功率と繁殖成功率(抱卵した巣から幼鳥が巣立つ率)を推定。震災後(23~25年)のデータと比較した。その結果、いずれも震災後は著しく成功率などが低下していることが分かった。

また24年に空間線量を測定した13営巣地全てで繁殖成功率が低下。0・1マイクロシーベルト上昇で最大10%の繁殖成功率低下につながると試算された。

遠藤代表は「原発事故の2、3年目に影響が出ていることから、オオタカが食物連鎖で外部被曝(ひばく)だけではなく、内部被曝している可能性もある」と指摘。「今後も引き続きモニタリング調査を続けて推移を見守りたい」と話した。また村瀬准教授は「特定の県に限らない広域の調査が必要」としている。


2015/03/27

アセアンにおける福島県産食品などの輸出規制の現状


2015年3月27日 ASEAN情報サイト
http://portal-worlds.com/news/asean/2901

東京電力の福島原発の事故の影響により、事故の発生直後はアセアン地域を含む多数の国において輸出の制限が実施されていた。現在のアセアン地域における状況は、完全に解除されているマレーシア・ミャンマー・ベトナムなどがある一方で、厳格に規制が行われているシンガポール・ブルネイもあり、国毎に大きく異なる状況であった。

このブルネイでは、2月に福島県産以外の食品に関しては放射性物質検査証明を免除することを農林水産省および在ブルネイの日本大使館は発表しており、厳格な規制が緩和された。
アセアンの各国における現状(2015年3月3日時点)の概要は以下である。

【ブルネイ】
・福島県の食肉、水産物、牛乳・乳製品は輸出が禁止
・福島県の野菜・果実(生鮮・加工)、いも類、海藻、緑茶製品は放射性物質検査証明書が必要
・福島県産以外の全ての食品について、産地証明の提出が必要
・2015年2月までは、福島県以外の食品に関しては放射性物質検査証明が必要であり、福島県の食品の多数(野菜・果物など)が輸出禁止であった

【シンガポール】
・福島県内の一部地域(南相馬市など)からの輸出は禁止
・茨城県・栃木県・群馬県の水産物、林産物においては、放射性物質検査証明の提出
・その他の都道府県では、産地証明書などの提出が必要
・なお、シンガポール政府は自国内でもサンプル検査を実施しており、検査の結果で放射性物質が検出された場合には、輸出品は返送される

【フィリピン】
・福島県のヤマメ・コウナゴ・ウグイ・アユに関しては輸出禁止
・福島県の他の水産物および茨城県、栃木県、群馬県の水産物に関しては放射性物質検査報告書が必要
・福島県・茨城県の牛肉・野菜・果実・植物・種苗などに関しては、放射性物質検査報告書が必要

【タイ】
・福島県・宮城県・群馬県においては放射性物質検査報告書が必要(酒類・食品添加物などは対象外)
・その他の県に関しては産地証明書が必要
・2011年3月11日より前に加工された食品の場合に限っては、日付証明書のみで対応することも可能である

【インドネシア】
・品物により、放射性物質検査報告書もしくは政府作成の放射性物質検査証明書が必要
・これらの報告書・証明書が無い場合には、インドネシア政府による検査を実施

【マレーシア】
・現状では規制は完全に解除されている
・2013年2月末までは、福島県産に関しては産地証明書の提出およびマレーシア側での全ロット検査を実施
・ただし、今後の放射性物質検査の結果によっては、必要に応じて規制措置が講じられる可能性がある

【ミャンマー】
・現状では規制は完全に解除されている
・2011年6月16日までは、ミャンマー側(ヤンゴン港およびヤンゴン国際空港)にて検査を実施

【ベトナム】
・現状では規制は完全に解除されている
・2013年8月末までは、福島県・茨城県・栃木県産はベトナム側で全ロット検査を実施、3の県以外に関してはサンプル検査を実施(放射性物質検査報告書を提出していた場合には検査を省略)



韓国で報道「日本食品からセシウム検出」 基準値未満でも「安全ではない」と専門家

2015/3/27  フォーカス・アジア 
http://www.focus-asia.com/rss/413320/

2011年3月の原発事故以降、輸入を停止している福島など8県の水産物50種について、韓国政府が解禁の是非を検討していると報じられる中、韓国のテレビ局KBSはこのほど、日本で販売されている農水産物を独自に検査し、「魚などの食品からセシウムが検出された」と報じた。中国・央視国際が26日伝えた。

報道によると、KBSは東京都内の市場などで魚や干ししいたけなど計20種以上の食品を購入し、横浜にある研究施設に成分分析を依頼。検査の結果、干ししいたけと干し柿、また魚の干物からセシウムが検出されたと報じた。含まれていたセシウムの量は韓国が日本産食品に対して定めた基準値を下回っていた。

ただKBSは、「基準値を下回っていれば安全だというのは、間違った考えだ」と指摘する専門家の声も合わせて紹介している。


岡山/復興語る「学生サミット」 未来作る若者交流 県内の310人、福島の高校・大学生40人招き 29日

(学生同士の交流&話し合う機会は大いに歓迎だし、それを岡山で行うことも賛同できるが、測定しているからといって、基準値以下を安全として「食べて応援」で風評被害を解消しようとするのであれば、再考願いたいところです。 子ども全国ネット)

毎日新聞 2015年03月27日 地方版
http://mainichi.jp/edu/news/20150327ddlk33040552000c.html

東日本大震災で被災した福島県の高校・大学生約40人が29日、岡山県内の同世代約310人と岡山市内で復興を語り合う初の「学生サミット」(実行委主催、福島県など共催)に参加する。昨年4月から1年間、福島県に派遣された岡山県職員、八木慶市さん(43)が呼び掛け、学生や教員などの協力で実現した。食イベントなども同時開催し、八木さんは「岡山の若者が復興に関わり、交流を育てるきっかけにしたい」と期待している。

 ◇県職員が企画

サミットはJR岡山駅西口の岡山コンベンションセンター(北区)で開く。福島側は特産品を使った商品開発や仮設住宅支援など、岡山側は福島の物産販売などの活動を紹介し、今後の交流や協力について話し合う。また、学生の夢などを描いた「復興フラッグ」を作り、岡山市内で展示する。一方、JR岡山駅東口前の広場では28、29の両日、両県共通の特産物・桃をデザインした「ももだるま」作りや、福島の食を味わえる催しもある。

八木さんは福島県商工総務課で、国と県が復旧費用を補助する「グループ補助金」を申請する中小企業の支援を担当した。東京電力福島第1原発事故の影響で事業再開の判断が遅れたケースも多く、生活再建の難しさを感じた。また、農産物などの風評被害を痛感し、「農水産物の放射性物質検査を徹底し、基準値以下の物だけを出荷する、などの情報が被災地外で知られていない」と気付いたという。

仮設住宅訪問などのボランティアにも参加。被災地外で震災への関心が薄れる危機感ももったことから、福島と岡山を結ぶ企画を考え、昨年夏から岡山県内の高校などに交流を提案。福島県の協力も得て、学生サミット開催にこぎつけた。各地からの派遣職員と関わる福島県商工総務課の今村雅隆さんは「『地元と福島のつながりを』と考える人は多いが、企画を実現させるのは難しい。復興を進めるうえで、未来を作る若者の交流は重要」と歓迎する。

八木さんと、学生サミットなどに参加する岡山理科大の学生約10人は26日、北区で準備作業をした。工学部3年の井口陽平さん(23)は震災後に年3、4回、東北の被災地に通ってきたといい、「震災の記憶が薄れる中、被災地について伝え続けることが大事。今回の催しを通し、現地に行くのが難しい人も支援に関わることができる、と知ってもらえたら」。理学部1年の松本息吹さん(19)は「震災から4年が過ぎ、自身も含めて風化が進むのは大変と思い、初めて支援活動に参加した」と話していた。

放射線気にせず遊んで 福島・南矢野目にインドアパーク 29日にオープン

2015/03/27  福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2015032721787

子どもたちが元気いっぱい遊べるインドアスポーツ設備とカフェ、音楽ライブスペースなどを併設した福島市南矢野目の複合施設「CHANNEL SQUARE福島インドアパーク」のオープニング式典は26日、現地で行われた。

同施設は、震災と原発事故で運動が不足している本県の子どもが放射線を気にせず体を動かせるようにと一般社団法人F-WORLDが「福島インドアパークプロジェクト」と銘打ち、全国から支援金を集め整備した。延べ床面積は約880平方メートル。県産の木材を使って温かみのある空間を演出している。

スケートボードパークやボルダリング(岩登り)、スラッグライン(綱渡り)などをそろえた。

式典には約100人が出席した。F-WORLDの平学代表理事が「施設を人と人がつながる場所にしていきたい」とあいさつ。関係者がテープカットした。

「CHANNEL SQUARE福島インドアパーク」は29日にオープンする。営業時間は午前11時(土・日曜、祝日は午前10時)から午後10時(日、祝日は午後8時)まで。料金は3時間で大人が1000円、中高生が500円、小学生以下は無料。


新潟/避難者支援 県広域支援課を再編 県「支援は従来通り継続」

2015/3/27  新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20150327171348.html


新潟県は4月1日付で、東京電力福島第1原発事故の影響で福島県などから本県に避難している人を支援する広域支援対策課を、中越・中越沖地震の被災者を支援する震災復興支援課の広域支援対策室とする組織再編を行う。ピーク時に1万人以上いた避難者は約4千人に減少。県は「支援は従来通り継続する」としている。

広域支援対策課は東日本大震災が発生した2011年5月に発足した。避難所から借り上げ仮設住宅への転居や更新手続きのほか、避難者交流会、自主避難世帯を対象にした高速バス料金の助成などを行っている。

現在は兼務を含む6人で業務に当たっているが、改組後の広域支援対策室は4人態勢になる。広域支援対策課の加藤千栄子課長は「時間の経過とともに避難者のニーズが多様化している。中越・中越沖地震のノウハウを生かして、支援を継続したい」と話した。

6日の県のまとめでは、本県への避難者は昨年3月7日から646人減って4076人となった。

新潟/福島帰還 迫る親友との別れ 本県へ避難 震災直後から共に支え合う


2015/3/27 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20150327171351.html

東京電力福島第1原発事故で福島県から本県に避難している人の中には、年度が替わるのに合わせて福島に戻る人もいる。福島県南相馬市から新潟市西区に娘3人と共に避難している西村礼恵(ひろえ)さん(40)も4月上旬に帰ると決めた。家族そろって暮らせるようになるのは安心だ。ただ、次女の彩那ちゃん(10)は震災直後から共に避難生活を支え合ってきた親友との別れが近づき、寂しさを募らせている。

    ◇    ◇

「日菜(ひな)と離れるのはいや」。彩那ちゃんは、親友の杉浦日菜ちゃん(10)と別れるのがつらい。2人は幼稚園の頃から仲が良く、家族ぐるみのつき合いだった。原発事故直後、礼恵さんは日菜ちゃんらが新潟に避難したことを知り、彩那ちゃんらを連れて新潟を目指した。

避難生活を始めた新潟市の体育館では隣同士だった。その後移った借り上げ仮設住宅のアパートも近所。2人はいつも一緒だった。彩那ちゃんは、新潟市の小学校でも日菜ちゃんがいるからなじむことができた。

新潟での暮らしにも慣れたが、彩那ちゃんの姉(12)の中学進学が今春に迫った。礼恵さんは悩み抜いた末に、2月上旬の家族会議で帰還を決めた。毎週末、車で新潟を訪れていた夫(40)の体も気遣った。

南相馬に戻ることを決めたが、礼恵さんの不安は消えない。放射線量が高い場所はまだあり、医療機関も新潟より少ない。そして、何より日菜ちゃんと離れることになる彩那ちゃんが心配だ。礼恵さんは帰還した後も、月に1回は新潟を訪れようと思っている。

引っ越しまであとわずか。彩那ちゃんはそれまで、日菜ちゃんと毎日遊ぶことにしている。シャボン玉やおままごとをしながら、「日菜は宝物だよ」と告げた。「私もだよ」。2人はぐっと涙をこらえた。

    ◇    ◇

<なお4076人が避難>

県によると3月6日現在、東京電力福島第1原発事故や東日本大震災で本県には4076人が避難している。福島県からが3925人(病院や福祉施設は除く)を占め、うち南相馬市からが891人と最も多い。そのほか郡山市693人、浪江町452人、福島市442人などとなっている。

新潟日報社の調べでは、本県への避難者は震災発生直後の2011年3月は1万人を超えたが、4年間で半数以下になった。

自立へ、親子の背中押す 避難者支えた保育園閉園 山形

毎日新聞 2015年03月27日 
http://mainichi.jp/shimen/news/m20150327ddm013040010000c.html


東京電力福島第1原発事故で福島から避難した母子の支えとなってきた山形市の認可外保育施設「あいびぃ保育園」(枝松直樹園長)の閉園が決まり、21日、卒園式と同時に閉園式があった。東日本大震災から4年。今も続く避難生活の中、親子はそれぞれの思いを抱き、新たな一歩を踏み出す。

「これからいっぱいお手伝いをして、ママを助けたいです」。卒園式では、園児がこんな感謝のメッセージを披露。保護者や保育士が涙を拭った。

あいびぃ保育園は、震災後に福島県から山形市に避難した保育士たちの要望を受け、2012年9月、同市のNPO法人「IVY」が米国の団体などから助成金を募って開園した。

保育料は1人で月額1万円。通常の認可外保育園に比べて4分の1から6分の1と安く、園児は一時40人にまで増え、最後は19人が通った。また、見知らぬ土地で1人で子育てする、同じ境遇の避難者の母親たちにとっても心の休まる場だった。どうしてもたまる家庭や仕事のストレスを、愚痴をこぼして発散することができた。避難生活を乗り越える支えとなった。

だが、開園時から、助成金が切れる今月末での閉園は決まっていた。園のプロジェクトマネジャー、今野けい子さん(43)は「緊急支援として始めた保育園なので、私たちの役目はそろそろ終わりの時期を迎えている」と避難者の自立を促す。園の継続を望む親もいるが、震災から4年がたち、避難者たちもその課題に向き合い始めている。

福島市から避難し、園に通わせた娘(6)が山形市の小学校に入学する母親(42)は「園を続けてほしい思いはあるが一区切り。いつまでも甘えてはいられない」と話す。

福島県伊達市に夫を残す母親(28)は長女(6)と長男(4)を同園に預けた。母親同士の絆が深まったことに感謝しつつ、4月からの長女の小学校入学を機に帰郷する。「閉園は自立に向けて踏み出す時」と前を向く。



無症状の甲状腺結節の経過観察は必要か 既存のガイドラインの改正を提案

(このような情報を見かけたが、通常の状況と、大量の放射線による被ばくを受けた後、また、低レベルではあっても被ばくをし続けている場合とでは、素人が考えても条件が異なるように思われます。「日本でも甲状腺結節をどの検査をするかは関心事なので」とありますが、これが福島県民健康調査を差しているのだとしたら、とんでもない!とつい予防線を張りたくなってしまいます。子ども全国ネット)

健康と医療の情報サイト
http://www.mededge.jp/a/drge/10765

       
無症状で、検査で無害であると証明された甲状腺結節は大きさの変化もあまりなく、がんであることもまれで放置すべきであるようだ。イタリアの研究グループは現行のガイドラインの改正が勧めている。

無症状の甲状腺結節の5年間の経過観察
イタリアの研究グループが、ジャマ誌2015年3月号で報告した。

無症状の甲状腺結節が発見される場合が増えているようだ。従来、医学的に無害であることが証明された甲状腺結節をどのように検査を続けていくか意見が一致していない。現行のガイドラインでは経過観察を行い、再評価するよう勧められている。研究グループは甲状腺結節の大きさの変化に関して、変化の頻度、大きさ、要因について検討した。

研究グループは、イタリアの8施設で、1個~4個の無害な甲状腺結節のある992人を2006年から2008年の間に対象として登録、最初の5年間の経過観察を行った。大きくなった結節は1割程度、がんは0.3%。その結果、結節が大きくなったのは153人で、最初に見つかった結節1567個のうち174個(11.1%)だった。5年間で平均4.9mm大きくなった。結節の数が多い人ほど結節の大きさが大きくなった。

年齢が60歳以上では、45歳以下の人と比べ、大きくなるリスクは低かった。184人では、結節は自然に縮小した。

最初にあった結節のうち5個からがんが発見された(0.3%)が、大きくなったのは2個だけだった。93人から新たな結節が見つかり、そのうちがんと診断されたのは1個だけだった。

超音波検査、細胞学的検査で無害と分かった甲状腺結節は、大部分が大きさに変化がない。がんであることはまれで、無症状の甲状腺結節に継続的に検査するよう勧めている現在のガイドラインを改正することが勧められると研究グループは指摘している。

日本でも甲状腺結節をどの検査をするかは関心事なので参考になりそうだ。

文献情報
Durante C et al. The natural history of benign  thyroid nodules. JAMA. 2015;313:926-35.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25734734

海底土から放射性物質取り込まず 魚の飼育実験、汚染想定

海底土から放射性物質取り込まず 
魚の飼育実験、汚染想定
2015/03/26 北海道新聞

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/science/science/1-0116105.html

東京電力福島第1原発事故後の福島県沖の状況を想定した魚の飼育実験で、汚染した海底の土から直接、魚に放射性物質が移行することはほとんどなかったとの研究結果を横浜市にある水産総合研究センター中央水産研究所のグループが26日までにまとめた。27日から東京海洋大(東京都港区)で開かれる日本水産学会の大会で発表する。


グループは今後、餌の生物を通じて魚がどの程度セシウムを取り込むか調べる必要があるとしている。


実験は福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で実施。



放射性物質、土から魚に移らず 
福島の水族館で実験
2015年3月27日  沖縄タイムス
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=109049

東京電力福島第1原発事故後の福島県沖の状況を想定した魚の飼育実験で、汚染した海底の土から直接、魚に放射性物質が移行することはほとんどなかったとの研究結果を横浜市にある水産総合研究センター中央水産研究所のグループが26日までにまとめた。27日から東京海洋大(東京都港区)で開かれる日本水産学会の大会で発表する。

実験は福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で実施。第1原発近くの海底で採取した放射性セシウム濃度が1キログラム当たり400ベクレル程度の土と、いわき市四倉沖の同100ベクレル程度の土を二つの水槽にそれぞれ敷き詰め、いわき市沖の海水でヒラメ約80匹とクロダイ約200匹を約50日間飼育した。餌はセシウムを含まない配合飼料を与えた。

その結果、ヒラメのセシウム濃度は1キログラム当たり0・5~2・5ベクレル、クロダイは同1ベクレル以下で、土から魚にほとんど取り込まれなかった。(共同通信)



3/14 映画『A2-B-C』急遽上映中止に〜3/23 上映委員会解散

これまで各地で上映されてきたのも、イアン監督だから引き出せた本音等、貴重な発信だったからと思います。背景など詳細はわかりませんが、3/14にイアン・トーマス・アッシュ監督より発信があったとのことで、そちらを受けて記事をアップしました。その後、上映委員会解散と23日に監督ブログの更新および映画公式サイトにてお知らせがありましたので、追加してアップいたします。子ども全国ネット)


<イアン・トーマス・アッシュ監督の3月23日付けブログ記事>
http://ianthomasash.blogspot.jp/2015/03/a2-b-c-screening-committee-dissolved.html



<イアン・トーマス・アッシュ監督のツイートより>



























<映画公式サイトより>
http://a2bc-movie.tumblr.com





子どもたちの甲状腺問題はタブーなのか?~映画『A2-B-C』急遽上映中止に

http://www.labornetjp.org/news/2015/0322ian 
(レイバーネットより)

福島の子どもたちの被ばく・甲状腺問題を描いたドキュメンタリー映画『A2-B-C』(監督=イアン・トーマス・アッシュ/米国人)は、昨年レイバー映画祭2014でも上映され大好評だった。「福島の現実を知る上で重要な作品」と高い評価を受け、国内外で上映が進んでいる。ところが、イアン監督のブログによれば、日本での配給をしている会社(『A2-B-C』上映委員会)が一方的に配給を取りやめ、まだ2年以上残っている監督との上映契約も破棄し、3月16日以降の上映が中止に追いこまれた。いったい何が起きているのか。イアン監督は、3月14日付のブログ「検閲?自己検閲?」(英文)でこのことを発表した。イアン監督は「私を黙らせようとする企みがあっても、それは、私にますます大きな声を上げさせる結果になるだけのことだ、ということは、確信を持って言うことができます」と結んでいる。以下、本人の了承を得て転載紹介する。(レイバーネット編集部)

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<イアン・トーマス・アッシュ監督の3月14日付けブログ記事>
http://ianthomasash.blogspot.ca/2015/03/censorship-self-censorship.html

検閲?自己検閲?


●配給会社都合により、急遽『A2-B-C』上映中止せざるを得なくなってしまいました。

福島に住む子どもたちについての私のドキュメンタリー『A2-B-C』の日本の配給会社 http://www.a2-b-c.com/ が、この作品のすべての上映を中止しました。さらに、契約期間が2年以上残っているにもかかわらず、日本での配給契約はキャンセルされてしまいました。

この決定が、どこまで実際の検閲の結果なのか、どこまで自己検閲によるものなのか、私にはよくわかりません。将来的に検閲の問題が起こる恐れがあるということによる自己検閲なのではないか、という気がします。もしそうなら、秘密保護法の恐ろしい、広範囲に及ぶ影響の一例ということになります。この法律の影響を感じさせるのには、施行することは必要ではありません。この法律があるというだけで、人々は自己検閲をして、法案を作った連中が思い描いていたとおりの弾圧を自らに対してするのです。


●言論の自由は?


福島で起こっていることについて、うそのない、オープンな議論をすることは、もう不可能です。そして、『A2-B-C』の国内での上映が全部キャンセルされてしまったことは、日本の言論の自由を蝕んでいる病の症状でしかありません。


配給会社は、この週末に予定されていた全国5箇所(佐賀、伊豆、大阪、長野、三重)での上映会は実施することを認めました。しかし、3月16日以降に予定されていた上映は全部キャンセルされました。昨日、私が飛行機で移動している間に、配給会社は、キャンセルにした全部の上映会の主催者に連絡をとってしまいました。


●3月16日以降『A2-B-C』上映全て中止になりました。


私は、今日の長野での2回の上映に参加することにしていましたが、配給会社からは、その場で初めて、上映中止についての公のお知らせをするように言われました。上映会の参加者の中にいた2,3人のジャーナリストをよんで、Q&Aの時間を、急遽記者会見にします。この文章をブログにアップしている今、手が震えています。私のこの映画が日本で上映される最後の機会となる今日の、ここ長野での上映では、上映後のトークが2回ありますが、その一回目のトークのために、これから舞台に出て行こうとしているところです。


自分がトークで何を言うかわかりません。でも、私を黙らせようとする企みがあっても、それは、私にますます大きな声を上げさせる結果になるだけのことだ、ということは、確信を持って言うことができます。


*翻訳=レイバーネット国際部・和田智子







2015/03/26

一部で上昇、最高440ベクレル 土壌セシウム濃度、山形大・山形県調査


2015年3月26日 朝日新聞アピタル
http://apital.asahi.com/article/news/2015032600027.html


山形大学と県は24日、県内30地点で実施した土壌中の放射性物質調査の結果を公表した。今年度の最高値は尾花沢市市野々と天童市田麦野で、1キロあたり約440ベクレルのセシウムが検出された。県は「健康に影響しない数値」としているが、前年度より数値が増えている地点もあり、調査を継続する予定だ。

東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質の影響を確認するのが調査の目的で、2012年度から始めた。今年度の調査地点は30カ所。県内各地の地表から深さ5センチまでの放射性セシウムの平均濃度は、村山地区が最も高く153ベクレル。置賜地区は59ベクレル、最上地区が55ベクレル、庄内地区ではほとんど検出されなかった。

経年変化を見ると、前年度最高値の690ベクレルだった山形市松原が166ベクレルとなるなど、ほとんどの地点で数値が下がっているが、一部の地域で上昇している。

特にトップの尾花沢市市野々と天童市田麦野は、前回調査の数値に比べて、それぞれ3・4倍、1・8倍の増加。土壌を分析した桜井敬久・山形大教授は「くぼ地に雪や水が集まるなどの集積効果で、放射性物質が蓄積した可能性がある」と話す。

調査地点と数値は県のホームページで公表している。
(朝日新聞 2015年3月25日掲載)



(県によるリリースは、こちら↓)
http://www.pref.yamagata.jp/pickup/interview/pressrelease/2015/03/23141215/press_file01.pdf
<以下、該当部分のみ抜粋>
土壌環境放射性物質調査(山形大学との共同調査)
(1) 調査概要 ア 調査地点
平成 24 年度から平成 25 年度にかけて学校のグラウンドや公園の広場等で調査を実施した 233 地点から、濃度や地域バランス等を考慮して、平成 26 年度も継続して調査する地点として 絞り込み、30 地点とした。
イ 調査内容
・ 地表~5cm、5~10cmの土壌の放射性物質濃度(放射性ヨウ素(ヨウ素 131)、放射性セシウ

ム(セシウム 134、セシウム 137))の測定
・ 土壌採取地点の空間放射線量率の測定

(2) 結果概要 ア 土壌
・ 放射性ヨウ素(ヨウ素 131)全地点において不検出 ・ 放射性セシウム
セシウム 134+137 :地表~ 5cm、不検出~440Bq/kg 乾土: 5 ~10cm、不検出~234Bq/kg 乾土
※ 乾土:含水率が異なると測定値の正しい比較ができないことから、乾燥処理して から測定を行っております。
イ 空間放射線量率( Sv/h 地上 50cm 及び 1m)
地上50cm: 0.04~0.11 Sv/h 地上 1m: 0.04~0.12 Sv/h

<参考> 国際放射線防護委員会(ICRP)の一般住民の放射線被ばくの安全基準 : 年間1ミリシーベルト ( = 0.19 Sv/h)以下 

地方移住者が4年で約3倍、人気上位の移住先はどこが魅力なのか


2015年03月26日 週プレNEWS
http://yukan-news.ameba.jp/20150326-11/

ここ最近、都会での暮らしに見切りをつけて、田舎で第二の人生を始める人が増えているらしいーー。 ちょっと興味はあるけれど、都会で生まれ育った人が地方移住の実際をイメージするのは難しいはず。そこで、ブームの背景から人気の移住先まで、NPO法人「ふるさと回帰支援センター」副事務局長・嵩(かさみ)和雄さん、『田舎暮らしの本』(宝島社)編集長・柳順一さんのふたりに聞いてみた。 

●なぜ今、地方移住が盛り上がっているの? 

移住者の数は2013年度で8169人、この4年間で2.9倍に増えたというデータがあるが「それはあくまで自治体の支援策を利用して移住した人の数。自治体を経由せずに移住した人を含めると、実数は2万人近くに膨らむのでは」と嵩さんは分析する。 

「2000年代前半は定年退職後に地方移住する中高年層が比較的多く、団塊世代の大量退職が始まった07年以降、この層の移住がさらに加速しました。その後、08年のリーマン・ショックを受けて、今度は20代、30代の単身移住者が一気に増えます。『東京で仕事がなくなったから地方で農業でもしようかな』といった、ある種の“消極的な田舎暮らし”を選択するパターンですね。当時、地方の新規就農イベントにはリクルートスーツ姿の若者が殺到しました。 

そして東日本大震災が発生すると、今度は小さな子供を持つ首都圏のファミリー層を中心に“疎開的移住者”が急増。放射能汚染や震災リスクを避けるように西日本へ移住する人が現れました。同時に、震災を機に若者の間でライフスタイルを見直す傾向が強まり、『閉塞感のある都会より地方にこそ可能性がある』と積極的に移住する若者も増加しました。 

現在、リーマン・ショックと震災というふたつの山を経て、20代から団塊まで幅広い世代が移住を望むようになっています」 

また、各自治体が移住支援を拡充させている点も増加の要因だ。 

「『移住世帯に20万円交付』『新築住宅に最大100万円の補助』『保育料の減免』など自治体の移住支援策は年々充実しています。安倍政権が掲げる地方創生には、地方への人の流れを作るための施策が盛り込まれており、今後は若者の移住者を獲得するための地域間競争がますます激化するでしょう」


●人気の移住先はどこか? 

『田舎暮らしの本』2015年2月号「住みたい田舎ベストランキング」によると、若者(20代、30代)が移住したい都道府県は、1位長野、2位北海道、3位沖縄、4位岡山、5位千葉となっている。 

この順位について、柳さんが解説する。 

「長野県は信州ブランドで人気No.1。日本アルプス、古民家、棚田、そば…と古きよき日本のイメージにピッタリなんです。首都圏と中京圏両側からのアクセスがいい点も人気の理由」 

北海道、沖縄は観光地としても人気だが…。 

「『雄大な自然や現地の人々の温かさに癒やされたい』といったイメージで移住する方が多いんですね。ただ、真冬の北海道の予想以上の寒さ、意外にシャイな沖縄の方にギャップを感じ、都会に戻られる方もいます」(嵩さん) 

4位の岡山県は震災後、首都圏から“疎開的移住者”が増えたことが人気の理由だ。 

「特に岡山市は活断層がない上に太平洋沖で巨大地震が起きても津波被害が少ない可能性が高く、原発からも120km以上離れている。災害リスクが低い街として認知されています」(嵩さん) 

市町村別では、「108の手厚い移住支援メニューがある大分県豊後高田市、都市機能が充実していて首都圏へのアクセスもいい千葉県館山市などの人気が高い」(柳さん)という。

「ただし、地域によっては面談や書類審査を通じて“定住への本気度”や“人間性”を見極め、移住希望者を選別する動きも」(嵩さん) 

地方の衰退が深刻化する中、増加する移住者によって希望場所の格差も生じているのか…。

*週刊プレイボーイ14号(3月23日発売)「2015年、地方移住はアリかナシか!?」では、移住先の家や仕事、ユニークな支援策など最新情報のほか田舎暮らしのプラス面とマイナス面を実例をまじえて大特集で紹介!




福島/ 「帰還意向」46% 小高区住民調査

(元のデータは南相馬市HPにも見当たらないが、記事をきちんと読むとわかるのは、「戻る」は20.2%、「戻らない」は28.8%なのだから、単純に比較しても、戻らないと考えている人のほうが多いとわかります。「条件が整えば」という人は、「整わなければ戻らない」のです。「帰還意向」46%だけを見ると印象がちがいます。子ども全国ネット)

2015/03/26 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2015032621774

南相馬市は25日、東京電力福島第一原発事故の避難指示区域となっている同市小高区の住民を対象に実施した帰還などに関する意向調査の結果を発表した。地元に「戻る」と「条件が整えば戻る」とした回答は合わせて46.6%となり、「戻らない」の28.8%を大きく上回った。

「戻る」は20.2%、「条件が整えば戻る」は26.4%だった。帰還を希望する回答者は50代以上が多く、49歳以下は市外での生活を希望する傾向が見られた。「戻る」とした回答者が挙げた帰還時期は「すぐ戻る」が50.7%、「3年以内」が34.5%、「5年以内」が6.3%となった。

「条件が整えば戻る」とした回答者に、その条件を聞いたところ「日常生活に必要な環境が十分整ったら」が34.1%で最も多く、「自宅の修復や清掃が終わったら」が28.5%、「空間線量が下がったら」が23.9%で続いた。市外での生活を選んだ理由は、「放射能汚染が不安」が17.7%で最多。「商業施設などが元に戻りそうにない」が14.2%、「廃炉の見通しが立っていない」が13.9%などだった。

調査は1月から今月にかけて、小高区に住民登録をしている全世帯3426世帯を対象に行い、2541世帯から回答があった。回収率は74.2%。