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原子力災害対策指針において、原子力災害発生時における緊急事態応急対策の防護措置の一つとして位置付けられている「甲状腺被ばく線量モニタリング」について、原子力規制委員会の「緊急時の甲状腺被ばく線量モニタリングに関する検討チーム」は29日、実施体制に関する報告書をまとめた。
対象は20μSv/h以上の地域の19歳未満
それによると、甲状腺被ばく線量のモニタリングの対象は、即時避難が必要な放射線量(毎時500マイクロシーベルト)に達する地域や、継続的に毎時20マイクロ・シーベルト以上となり一時移転が求められる地域の19歳未満の子どもと妊産婦。必要に応じて、乳幼児と行動を共にした保護者も対象とする。
屋内退避区域は、安定ヨウ素材の服用の国際基準(7日・50ミリシーベルト)を下回るなどとして、対象外とした。また、汚染した地域の食品はの摂取制限が行われることを前提に、経口摂取による被ばくは考慮しない。
100mGyをスクリーニング基準へ
検査ではまず、3週間以内に、NaI(TI)サーベイメータによる「簡易検査」を実施。のどにサーベイメータのプローブを密着させて計測し、バックグラウンドの値を引いてた数値が0.2μSv/hを目安に、一定の基準を上回った場合、詳細調査の対象とする。
最も放射線の感受性の強い1歳から7歳の場合でも、摂取から17日以内に計測して、その値が0.2μSv/h以下であれば、100mGyを超えないとして、この数値をスクリーニング基準に設定したという。
「詳細調査」は、4週間以内に、甲状腺モニタが設置されている高度被ばく医療支援センターや原子力災害医療協力力機関で実施。甲状腺モニタは子どもを計測することが困難ため、子どもと行動を共にした保護者を測定する。「詳細調査」の結果をもとに、甲状腺被曝線量の推計を行い、将来、甲状腺がんが発症する可能があればフォローアップを行うほか、健康調査の対象とするか判断する。甲状腺被曝線量の推計に関する検討は環境省が行う。
報告書の内容は原子力規制委員会で承認を受けた後、原子力災害対策指針の改正を行う。
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