2019/05/13

6/1(土)東京/「分野を横断した放射線疫学の研究会」2019夏

近年、低線量の被曝に注目した放射線障害の疫学的研究は着実に進んでおり、次々と新しい知見が報告されています。しかし、これらの研究は大規模集団を対象にした長期の調査に基づいたものであるため、研究に関与できるのは特定の機関に属する専門家に限定されてきました。これによって、研究がICRPやUNSCEARなどの見解に束縛され、自由な議論ができないのではないかという疑念を市民に与えることになっているのかもしれません。

幸い今日、科学データの公開はOECDの共通公約となり、わが国でもすでにさまざまな研究分野で取り組みが進んでいます。とりわけ、政府が資金を提供する研究では、研究成果とあわせて、データを公開することが求められるようになってきています。今後、放射線障害の疫学調査のデータが広く研究者に開放され、多様な視点をもった研究者や市民の参加が可能になれば、自由な議論の場がうまれることも期待されます。わたしたちは、既存の権威に縛られない自由で建設的な議論を通して,この分野の研究の発展に寄与することを願って,この研究会を開催します。

初回は歴史的な概観、疫学入門といった話題も取り上げますので、一般の方々もふるってご参加ください。


●日時 2019 年6月1日(土)13:00~18:00 (開場12:40 )

●会場 慶應義塾大学・三田キャンパス 南校舎445教室 
   東京都港区三田2-15-45 「三田キャンパス アクセス」で6番の建物

●参加無料(懇親会の参加もご検討下さい:会費5000円程度、当日スピーカー含めて15名程度限定)

●参加登録:必須 次のURLの当研究会ホームページ申し込みフォームから

https://www.shiminkagaku.org/jointseminar_20190601/
チラシはこちら


■プログラム(Q&Aは各発表後に15分)

13:00 永井宏幸(市民科学研究室・低線量被曝研究会):研究会の趣旨
13:10 柿原泰(東京海洋大学学術研究院):放射線影響調査と疫学に関する歴史的概観(仮)
13:55 濱岡豊(慶應義塾大学商学部):放射線疫学入門と広島・長崎原爆被爆者の課題
14:40 山内知也(神戸大学大学院海事科学研究科):福島原発事故後の甲状腺がん発症の問題

15:25 休憩

15:45 永井宏幸(市民科学研究室・低線量被曝研究会):喫煙習慣の異なる原発等核施設労働者の被曝線量と死亡率の関係-放射線影響協会のデータの解析-
16:30 【招待講演】 初坂奈津子(金沢医科大学眼科学講座):東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者の放射線被ばく量と水晶体混濁発症に関する調査(研究代表者 佐々木洋)

17:45 濱岡豊「次回に向けて」

講演概要はホームページに掲載予定です。

■研究会世話人
濱岡豊(慶應義塾大学商学部/マーケティング・サイエンス)
柿原泰(東京海洋大学学術研究院/科学技術史)
永井宏幸(NPO法人市民科学研究室・低線量被曝研究会/疫学・物理学)

■協賛、支援―当研究会は下記からの支援を受けて開催されます―
JSPS科研費JP16H03092「放射線影響研究と防護基準策定に関する科学史的研究」
NPO法人市民科学研究室・低線量被曝研究会
日本マーケティング・サイエンス学会:イノベーションとコミュニケーションの研究部会

■問い合わせ先:濱岡 hamaoka@fbc.keio.ac.jp

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