2014/07/08

「原発事故子ども被災者支援法」の活用を 〜「原発いらない福島のおんなたち」が環境省申入れ&会見

【立ち上がる女性達】「原発いらない福島のおんなたち」が石原伸晃環境相の「最後は金目でしょ」発言を受けて会見



7月3日、石原環境大臣の「最後は金目でしょ」発言をうけて、「原発いらない福島のおんなたち」はバスツアーを組み、以下の4点を記した要請書を持って環境省に申し入れをし、宇野朗子さんと森園かずえさんが日本外国人特派員協会にて日本語と英語での会見を行った。以下、要請書の内容。

1.除染に偏らない被曝低減措置を早急に策定・実施すること
2.原発事故子ども被災者支援法の理念に則り、環境省の被災地/被災者支援政策、放射性物質対策を抜本的に見直すこと
3.今後の政策立案には被災者の声を反映させること
4.石原伸晃環境大臣は辞任すること

「原発事故子ども被災者支援法」の活用を

要請書にも記されている「原発事故子ども被災者支援法」は、被災者が住み続ける、帰還する、移住する、どの選択をしても支援を受けることができ、体調不良が原発事故によるものでないと政府が立証できない場合は医療費が減免されるなど、被災者の立場によりそった法律。
法律が成立してから2年、ほとんど活用できていないのが現実だが、新潟県など、地域的には子ども被災者支援法を活用している場所もある。新潟は支援法の理念に則り、被災者の保養や住宅支援を行い、それにかかった費用を政府に請求するという方法を取っているという。
宇野さんは、支援法はマスコミが報道しないこともあり知名度がほとんどないので、新聞広告をうって法律の知名度を上げたり、基本方針に被災者の声を反映させたり、全国各地に避難した方々に協力してもらい小さな勉強会を開いて、法律を活用できるようにしたいと言う。また、支援法13条に則り、健康被害に関する個別の法律を作っていきたいという。

金ではなく、311前の元の故郷、

元の暮らしを返して欲しい

会見で宇野さんは「汚染をこうむった地域の私たちが望むのは、金ではなく、311前の元の故郷、元の暮らしです。しかしそれは極めて困難である現実の中で、私たちが、身を切るような悲しみとともに求めているのは、人々の健康と環境保全のためにベストを尽くそうという姿勢の元での政策であり、未だ進行中である福島第一原発事故の被害の最小化であり、大きな余震等による次の危機への最大限の準備であり、このような悲惨な核災害を別の場所で再び起こさないための全力の取り組みです。しかし、日本政府は、被害防止ではなく被害の不可視化に全力をあげ、放射性物質の拡散を促進し、初期被曝および内部被曝を隠し続けています。そしてその上で、地殻の大変動期に入っている日本列島上の他の原発の再稼働、核燃料サイクル計画継続など、日本が核兵器保有能力を持つことに固執しており、さらには、同様の地震国であるトルコなど海外への原発輸出にも乗り出しています。これらは福島原子力災害の被災者を踏みにじるものであり、また、世界の人々のいのちをも軽んじる謝った政策だと言わなければなりません」と、未だに続く被災者の悲しみや、原発事故を反省しない政府の不誠実さを、ところどころ涙ぐみながら語った。

数々の健康被害が出てきた

森園さんは、自身が311後に経験した健康の変化について語った。原発から直線距離で60キロの郡山市に住んでいた森園さんは、当時は放射能について無知だった為、何の対策もすることができなかったと語る。事故から1ヶ月半で症状が出始め、緑の痰が出たり、口の中の薄い皮がはがれたり、頭痛がしたり、吐血をすることがあったという。体調を回復する為に、被曝2世の方から食事療法や入浴法やマッサージなどの対策を学んだという。
日本の最南端にある原発、鹿児島県の川内原発が秋にも再稼働される見込みであることや、東芝がブルガリアに原発を納入することが判明するなど、原発に反対する人々にとっては辛いニュースが続いている。


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