毎日新聞 2014年07月04日 地方版
◇被災のストレス影響か
原発事故を受け、相双地区での鼻出血患者に放射線被ばくとの明らかな因果関係は見られないとの調査結果を、公立相馬総合病院(相馬市)の長谷川純医師(44)がまとめた。漫画「美味(おい)しんぼ」で主人公が鼻血を出すシーンが描かれた問題で、肯定・否定両面で議論が巻き起こっているが、長谷川医師は「少なくとも同地域では放射性物質の影響は考えにくい」と説明する。【高橋隆輔】
長谷川医師は、事故前から鼻血の他、めまいやアレルギー性鼻炎など、あらゆる耳鼻科疾患の統計を取っていた。同地区内に常勤の耳鼻科医師がいる医療機関は、同病院のほかに南相馬市に1医院あるが、統計は取っていない。
長谷川医師の調査によると、同病院の新患のうち、鼻出血によるものは、▽2010年度(震災後の3月分含む)116人▽11年度136人▽12年度128人▽13年度131人と、事故後は若干、増加していた。年代別に見ると、56歳以上が▽10年度51人▽11年度62人▽12年度65人▽13年度61人と、高齢層で増加傾向にあった。男女別では男性がすべての年度で事故前を上回ったのに対し、女性はほとんど変化がなかった。
長谷川医師は「外部被ばくの影響であれば高齢層での増加や性別の偏りは考えにくい」と指摘。一方で、ストレスで起きるメニエール病などのめまいの患者は13年度、事故前の約1・5倍になるなど明らかに増えているといい、「(鼻血の若干の増加は)長期間の避難生活によるストレスや生活習慣の変化が関係している可能性がある」と分析する。
また、放射性物質が付着した微粒子による出血の可能性を指摘する声もあるが、「そうであれば出血以前に鼻腔(びこう)内にびらんや炎症の所見があるはずだが、それが見られない」とし、「出血の仕方や治療法もすべて通常の鼻血で、微粒子の影響は考えにくい」と指摘した。
長谷川医師は「原発至近の住民や、事故直後のデータは取れていない」と話し、全県的な調査の重要性を強調。今後も県内の特定疾患と被ばくの関係を疑う声が出ることも念頭に、「個人の医師が集めるデータには限界がある。国や県はデータ蓄積にもっと力を入れるべきだ」と訴えた。
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■公立相馬総合病院の鼻出血の新患の数の推移
年齢層 10年 11年 12年 13年
〜15歳 41 39 34 45
16〜25歳 6 9 8 8
26〜35歳 5 5 6 5
36〜45歳 2 4 5 6
46〜55歳 11 17 9 6
56〜65歳 14 14 18 22
66歳〜 37 48 47 39
不明 0 0 1 0
計 116 136 128 131
性別 10年 11年 12年 13年
男 66 93 80 70
女 50 43 48 61
計 116 136 128 131
住所地 10年 11年 12年 13年
宮城県 9 12 12 5
新地町 21 12 18 15
相馬市 71 90 80 85
南相馬市鹿島区 8 4 3 6
南相馬市原町区 3 8 6 11
南相馬市小高区 1 3 3 4
双葉郡 1 0 0 1
飯舘村 1 0 0 3
その他 1 7 6 1
計 116 136 128 131
(いずれも年度。単位は人)
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実際に、「ふだん鼻血を出したことのないような子が出た」「ぶつけたらりした時とはまったく異なるような出方だった」「何度も出た」「なかなか止まらないほど出た」という声は聞きましたし、聞くといいます。チェルノブイリでも、事故当初、鼻血が出たという話が、現地の支援に入った団体の記事になっていたそうです。相馬地区では、まったくそうした「普段の鼻血とちがう」傾向はなかったということなのでしょうか。2011年の3月には、増えなかったのでしょうか。それは、受診しなかったのか、まったくなかったのか……
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実際に、「ふだん鼻血を出したことのないような子が出た」「ぶつけたらりした時とはまったく異なるような出方だった」「何度も出た」「なかなか止まらないほど出た」という声は聞きましたし、聞くといいます。チェルノブイリでも、事故当初、鼻血が出たという話が、現地の支援に入った団体の記事になっていたそうです。相馬地区では、まったくそうした「普段の鼻血とちがう」傾向はなかったということなのでしょうか。2011年の3月には、増えなかったのでしょうか。それは、受診しなかったのか、まったくなかったのか……
なぜ新患に限定した統計にするのか?
返信削除匿名さま
削除なるほど、「新患」と書かれていますね。それ以外の治療で通っていた人が鼻血を出したと診てもらっても、この統計には出てこないということになりますか。