2014/08/01

避難区域の農産物、食品では初の流通品出荷/福島県

福島民報  2014/07/31
 東京電力福島第一原発事故の影響で全村避難している飯舘村は30日、同村二枚橋須萱行政区の避難指示解除準備区域で施設栽培したイチゴを31日から市場流通させると発表した。避難区域の農産物が販売目的で流通するのは川俣町山木屋地区のトルコギキョウに続いて2例目で、食品では初めて。
 村民でつくる会社「いいたていちごランド」が放射性物質が付着したビニールハウスのビニールを張り替え、昨年秋から広さ約10アールのハウス内で高棚を活用した栽培を再開した。イチゴは出荷制限の対象外だが、県や村などのモニタリング検査を4回受けた。いずれも放射性物質が検出されなかった。
 佐藤博社長と従業員の合わせて2人が避難先の福島市から農場に通って営農している。イチゴはケーキに使用する業務用で、12月まで1トンを名古屋市の市場に出荷する。来年は5月ごろから収穫を始め、約2トンの出荷を見込んでいる。
 佐藤社長と菅野典雄村長は30日、福島市飯野町の村出張所で記者会見し、収穫したイチゴを披露した。佐藤社長は「以前と変わらないおいしさ。農業に励んで村の復興に役立ちたい」と語った。
http://www.minpo.jp/news/detail/2014073117190
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大変な苦労をされて、ここまで出荷までたどり着いたに違いないのです。なにしろ、飯舘村ですから。
でも、このニュースを拍手で迎えるわけにはいかないのが辛いです。

「放射性物質は検出されなかった」
その言葉の意味するところは、文字通り、限りなく0ベクレルに近いのか、
それとも、100ベクレル以下であっても、決して0ではない数値が出ていたのか、
それがわからないから、判断のしようがないのです。
子どもたちのために、避けたい食品も、これなら買おうと思える食品も、
混ぜこぜになって、お店に商品として並んでしまうからです。

真の「風評被害」を乗り越えるには、
測定限界を最小にする努力を払い、正確に測定して、
測定下限値を示した上で、正しく公表する、
そうやって初めて、生産者の奮闘の成果として不検出になっている製品を
心から安心して、その汗水に感謝して、いただくことができるのかもしれません。

たとえ、行政のトップが汚染された地域の農産物を食べて見せても
何も解決しないことは多くの人がわかっています。
私たちも、生産者の労働と心に感謝して、安心して日々の食卓を囲みたいのです。
私たちは、原発事故の被害を受けた者として、
また、生産者と消費者として、敵対するのではなく、
時には、流通として間に入る人たちの協力も得ながら
この不安を乗り越える努力をしていきたいと考えます。 

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