2014/08/01

除染の新目安 毎時0.3〜0.6マイクロシーベルト、きょう国が報告

福島県4市との話し合いを経て発表とされていた除染の目安について、

さっそく、個人線量をもとにした数値として昨日あげられていましたが
本日、発表するということです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

毎日新聞 2014年08月01日
 東京電力福島第1原発事故による追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑えるための除染の新たな目安について、井上信治・副環境相が1日、福島市で開く会合で関係自治体に報告する。31日、環境省が発表した。目安ではこれまで掲げてきた推計の空間線量「毎時0・23マイクロシーベルト」に代わって、実測値に即した「毎時0・3〜0・6マイクロシーベルト」としている。


除染目安、毎時0.3〜0.6マイクロシーベルト 環境省、空間線量を緩和

毎日新聞 2014年07月31日 東京夕刊
 環境省は、東京電力福島第1原発事故による追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑えるための除染の目安を見直すことを決めた。これまで掲げてきた推計の空間線量「毎時0・23マイクロシーベルト」に代わり、実測値に即した「毎時0・3〜0・6マイクロシーベルト」とする。除染作業の効率化が期待される一方で、従来の目安を「安全基準」と受け止めてきた住民の戸惑いも予想される。
 方針は近く、福島県の関係自治体との会合で提示する。併せて、同じ場所に住む人でも生活習慣によって被ばく線量が異なるため、個人線量計での実測を参考にして除染の度合いを決める新たな方針も打ち出す。事故から3年が過ぎ、一律的な除染よりも、個人の被ばく線量管理も重視する。
 環境省は2011年、除染を行う地域を指定する際、「1日のうち屋外で8時間、屋内で16時間過ごす」「家屋(木造)の遮蔽(しゃへい)効果で屋内の線量は屋外の0・4倍」を想定。「長期目標である年間追加被ばく線量1ミリシーベルトを空間線量に換算すると毎時0・23マイクロシーベルトに相当する」との目安を示した。
 これに従い、福島市や郡山市などの自治体は、汚染土をはぎ取るなどして空間線量を毎時0・23マイクロシーベルト以下に減らす目標を計画に掲げた。しかし、低線量の場所ほど除染の効果が少ないことが明らかとなり、除染後も目標値を下回らない例が続出。住民からは計画通り再除染を求める声が上がっていた。
 一方、伊達市や相馬市は住民に個人線量計を配布し、空間線量と実際に浴びた被ばく線量を比較した。環境省がこの数値を分析したところ、空間線量が毎時0・3〜0・6マイクロシーベルトの場所でも住民の追加被ばく線量の実測値はおおむね年間1ミリシーベルトを下回っていた。このため、環境省は「実態に即した対応をする必要がある」と方針転換に踏み切った。

 ◇個人の線量管理課題

 除染の目安とされてきた空間線量毎時0・23マイクロシーベルトは福島第1原発事故後、政府が一定の生活様式を仮定して算出した試算値に過ぎなかった。それが除染の「目標」「安全基準」として半ば独り歩きする一方、線量が比較的低い場所では除染効果が低い現実も見えてきた。今回の見直しは「0・23マイクロシーベルト」にこだわらず、自治体ごとに住民の被ばく低減策を促すことを求めている。
 この方針は、伊達市などでの被ばく線量実態調査や国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に沿っている。だが、住民一人一人の線量管理は手間がかかる。個人の被ばく線量管理の具体策として、環境省は「生活空間の中で比較的線量の高い場所などの情報を伝えたり、線量への理解を助けるための相談員の配置などリスクコミュニケーションを充実させたい」としている。
 産業技術総合研究所の試算では、除染には約5兆円かかるとしている。今回の方針転換を踏まえ、限られた予算をどう配分し、きめ細かい線量管理をどう実施していくのかが課題となる。

0 件のコメント:

コメントを投稿