2014/08/27

8/24 県民健康調査検討委員会についての報告(福島民報より)


被ばく線量個人差が大 外部、内部との関連分析が必要
 福島市で24日に開かれた県「県民健康調査」検討委員会では、東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を調べる当時18歳以下の甲状腺検査で、甲状腺がんの疑いを含めた発症割合に地域差がなかったと報告された。県や福島医大が主張してきた「現時点で放射線の影響は考えにくい」との見解が裏付けられた格好だ。
 だが、被ばく線量は個人差が大きく、地域間の比較だけでは不十分との指摘もある。検討委では委員から「外部被ばくや内部被ばくとの関連の分析も必要」との意見が出た。
 検討委は甲状腺検査の時期や年齢、被ばく線量など多方面から慎重に分析を進める方針だが、基礎となる個人被ばく線量のデータ収集が進んでいない。県民全員の被ばく線量を推計するための「基本調査」では、問診票の回答率が6月30日現在で26・4%にとどまっている。
 4月から始まった二巡目の甲状腺検査は平成27年度までの2年で38万5千人を対象にしている。検査は20歳までは2年ごと、それ以降は5年ごとに実施する計画だが、対象者が進学や就職、結婚などでどれだけ継続して受診するかは未知数だ。長期的な検査に対する意識付けが急務となっている。


問診回答率26・4% 前回比0・5ポイント増
 全県民を対象とする県民健康調査の基本調査(対象者205万5533人)の問診票の回答状況も報告された。6月30日現在で54万1653人から回答があり、回答率は26・4%だった。前回の3月31日時点に比べ0・5ポイント上昇にとどまった。
 県は9歳以下の回答率が43・9%、10~19歳までが33・5%に上り、全体の微増につながったとみている。ただ、県が推進している簡易版の問診票による回答率は2・6%の5万2490人と伸び悩んだ。
 回答率には依然として地域差があり、最も高いのは相双地区の45・3%で、次いで県北地区の29・1%、いわき地区の24・1%など。最低は南会津地区の19・6%だった。


2次検査対象2237人 23~25年度市町村別
 検討委では、平成23~25年度の甲状腺検査の市町村別の検査結果を公表した。東京電力福島第一原発事故発生当時18歳以下の対象者36万7707人のうち6月30日現在の受診者は29万6026人で、しこりの大きさなどを調べる1次検査で29万5689人の結果が判明した。2237人が2次検査が必要とされる「B」「C」と判定され、1848人の検査結果が確定した。
 検査結果は【表(1)】の通り。
 23年度は福島第一原発周辺などの13市町村の4万1813人が1次検査をした。2次検査の対象は221人で、このうち12人ががんと確定し、2人ががんの疑い、1人が良性だった。
 24年度は中通りの13万9209人が1次検査を受け、986人が2次検査の対象となった。41人ががんと確定し、13人ががんの疑いとされた。
 25年度は中・浜通りを中心に会津地方を加えた11万5004人が1次検査を受診し、1030人が2次検査対象となった。このうち、4人ががん、31人ががんの疑いと診断された。


発症割合地域差なし 子どもの甲状腺がん 県内0・028~0・036%
 東京電力福島第一原発事故発生時に18歳以下だった37万人を対象に実施している県の甲状腺検査で、6月末までに受診した約30万人のうち甲状腺がんやがんの疑いと診断された人は104人になった。原発周辺で避難措置などが取られた13市町村、浜通り、中通り、会津地方に分けた地域別の発症割合が初めて公表され、0・028~0・036%と地域差はほとんど見られなかった。
 福島市のコラッセふくしまで24日に開かれた県「県民健康調査」検討委員会で、県が県内をほぼ一巡した検査結果を報告した。細胞や血液などの精密な2次検査を受け、甲状腺がんと確定した子どもは57人で3月末時点より7人増えた。1人は手術の結果、良性だった。「がんの疑い」は46人で7人増えた。
 検査を受けた子どものうち、がんの疑いを含めた地域別の発症割合は【図】の通り。原発周辺の13市町村は0・034%で、原発周辺を除いた浜通り(いわき市・相馬市・新地町)は0・035%、中通りは0・036%と地域差は見られなかった。原発から遠い会津地方は0・028%とやや低めだが、福島医大は「2次検査を終えた子どもが他の地域に比べ少ないため」と説明し、検査完了後はさらに差が縮まるとの考えを示唆した。
 検討委の星北斗座長(県医師会常任理事)は甲状腺がんの発症割合に地域差がないことから、現時点で原発事故との因果関係は考えにくいとの従来通りの見解を示した。一方で「詳細な分析が必要」とも述べ、年齢や検査時期、被ばく量との関係など、さまざまな条件を加味して今後も調べる考えを示した。
























62%が年1ミリシーベルト未満 原発事故後4カ月間 外部被ばく線量推計 

 原発事故発生後4カ月間の外部被ばく線量の推計も報告された。放射線業務従事者を除く42万1394人のうち、平時の年間被ばく線量の上限とされる1ミリシーベルト未満は26万1140人で割合が62・0%となり、前回の3月31日時点の66・0%より4・0ポイント下がった。

 基本調査の問診票を基に福島医大などが推計した。同大は「これまでの疫学調査で100ミリシーベルト以下での明らかな健康への影響は確認されていない」として「4カ月間の推計値であるが、放射線による健康影響があるとは考えにくい」とこれまでと同様の傾向にあると評価した。

 市町村別の外部被ばく線量の推計結果は【表(2)】の通り。地域ごとにみると、1ミリシーベルト未満の割合は県北20・5%、県中52・2%、県南88・5%、会津99・3%、南会津99・2%、相双77・5%、いわき99・1%だった。
















2014年8月25日 福島民報より
(太字大文字はすべてWEB上の各ページ見出しです)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014082517659
http://www.minpo.jp/news/detail/2014082517660
http://www.minpo.jp/news/detail/2014082517661
http://www.minpo.jp/news/detail/2014082517646
(図表等、サイトよりご確認ください)

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一言添えずにはいられない内容です。

他紙では、甲状腺がんが103人(良性含む104人)と大きく報じられた「検討委員会」報告ですが、こちらを見る限り、詳細な記事を読んで、なお、足し算しないと、出てこない数字のようです。他の紙面で報告しているのかと探してみましたが、見当たりません。これは、WEB版からいくつかの記事を拾って、まとめてアップさせていただいたものです。(もし、他にありましたら教えてください)
また、リードを読む限り、「被ばく量個人差が大」と出ていますが、別な記事中にあるように、「1ミリシーベルト未満の割合は県北20・5%、県中52・2%、県南88・5%、会津99・3%、南会津99・2%、相双77・5%、いわき99・1%」とあきらかに、地域で発表されている汚染度のちがいがそのまま数字に表れているように見えます。にもかかわらず、「個人差が大」…これは、個人線量で管理する方向の環境省の意向を先取りするかのようで、気になります。
どうぞ直接記事を読んでご確認ください。

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