2014/11/14

母子避難支援の保育園、年度内で閉園/山形

避難者に対して認可保育園への入所を考慮していた自治体もあるようですが、こうした避難者のためだけに特化した園が運営されてきたというのは珍しいでしょう。特化されていた分だけ、避難者同士の支え合い、支援については、よかったのではないでしょうか。今後、地域での子育てをしていくための支援がスムーズに行われることが肝心です。
閉園は民間による支援ではやむを得ないかもしれませんが、ただ、原発被害、放射能の影響を考えての避難に終わりはなく、3年半たった時期からでも避難移住はあります。次々と支援が終わっていく中で、せめて、そうした避難移住を選択した人たちが孤立しない、岡山の例のようなワンストップでそうした支援の窓口になるような常設の窓口が求められていくのではないでしょうか。

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 福島第1原発事故の影響で山形市に避難している子どもを対象とした保育施設「あいびぃ保育園」が、本年度末で閉園する。母子避難世帯などへの緊急支援として、同市のNPO法人が2年半の期間限定で運営し、育児や就労を支えてきた。母親らにとっては心のよりどころにもなっていた。
 保育園は、NPO法人「IVY」(国際ボランティアセンター山形)が2012年9月、民間企業や団体、個人などの寄付を受けて開設した。母子で避難する世帯が多いことから、低料金で保育サービスを提供。育児ストレスの軽減を目指すとともに、母親が就労できるまでの緊急支援として運営を続けてきた。
 2年間で、延べ約40世帯70人以上の子どもたちが通園してきた。福島に戻った世帯も多い一方、子どもを保育園に預けながら母親が就職活動をして仕事を見つけ、山形の認可保育所に移ったケースも少なくないという。
 保育園を担当するIVYの震災支援コーディネーター今野けい子さん(43)は「緊急支援の位置付けのため閉園はやむを得ないが、残りの期間、できる限りサポートを続けたい」と強調する。
 現在は22世帯の31人が在籍する。来年度以降は、7世帯11人が福島に帰還する予定となっているほか、12世帯15人は山形での生活を続け、認可保育所などに移る意向。3世帯は未定という。
 保育園は、貴重な交流の場にもなっており、母親らからは閉園を惜しむ声が上がる。
 福島市から避難し、昨年度には保護者の会の代表を務めた但木聡子さん(34)は「知らない土地で子育てする中、毎日、先生方や避難する母親たちと顔を合わせることで、精神的に救われた」と振り返る。「今後、保育園とは異なる形でも、避難する母子世帯のよりどころとなる場が存続してくれればうれしい」と願っている。


2014年11月14日
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141114_53011.html



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