たとえば、どれほど正確なセシウム測定技術があっても、福島県に置かれているモニタリングポストでは、低めの数値を表示する機器が採用され、その上、周りが除染され、現地の人の暮らしの本当の「安全・安心」に役立ってはいません。また、除染技術もどんなに開発されようと、現場では、当初と変わらない土壌の移動と「清掃」が中心で、現場の人たちが被ばくから守られ、有効な除染が行われる方向で技術が生かされているという報告には出会えません。
このニュースに出てくる、ストロンチウムを迅速かつ正確に測定する技術は、水産物の測定などで待たれているわけですが、この技術が原発の事故現場で本当に役立ち、人々の暮らしの安心に寄与するかどうかは、この技術が優れているか否かと同時に、それを生かすつもりが行政にあるかどうかなのだと思います。そこを見極めながら、今後のニュースを待ちたいと思います。
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福島大は27日、放射性物質のストロンチウム90の新たな分析手法を開発し、12月1日から東京電力福島第1原発で汚染水の分析に使用すると発表した。汚染水に含まれるストロンチウム90の濃度を測定する場合、従来は2週間から1カ月程度かかっていたが、新手法だと20分程度で測定できるという。
開発したのは、福島大共生システム理工学類の高貝慶隆准教授(分析化学)を中心とするチームで、日本原子力研究開発機構や海洋研究開発機構などが参加。平成23年夏ごろから開発を始めた。
従来手法は、ストロンチウム90が出す放射線の一種、ベータ線を測定し、その放射線量から濃度を調べていたが、他の放射性物質から出るベータ線と見分けるのに時間がかかっていた。新たな手法は、特殊な処理で汚染水からストロンチウム90だけを抽出した上で測定するため、大幅に時間を短縮できるという。
2014年11月27日
産経新聞
http://www.sankei.com/affairs/news/141127/afr1411270023-n1.html
ストロンチウムを測定する機器の前で説明する福島大の高貝慶隆准教授 |
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