2014/11/08

原爆症 新基準で認定率が13・8ポイントアップ 非がん疾病で顕著/広島

原爆症認定については、69年経った今ようやく、裁判で勝ちとり、基準が見直され、ようやく認定される被ばく者もいるのが現状です。新基準で、肝硬変、白内障、甲状腺機能低下症、白血病、心筋梗塞、などの非がん性疾病が放射線被ばくの影響として認定されていく推移には注目しておきたいと思います。

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 昨年12月に策定された新たな原爆症認定基準により、今年2~9月の広島市内の被爆者の認定率が65・1%と、旧基準時の51・3%を13・8ポイント上回ったことが8日、同市への取材で分かった。旧基準では1人も認定されていなかった慢性肝炎・肝硬変、白内障でも認定者が出た。

 原爆症認定制度では、平成20年度策定の旧基準時からがんや白血病など7つの特定疾病の積極的な認定を目指した基準を導入した。しかし、認定が却下されることが多く、却下された被爆者が認定を求めた訴訟で原告側が勝訴するケースが相次いだ。

 このため、新基準では、「非がん疾病」のうち心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変は、発症原因が放射線にあるとする「放射線起因性」の条件を旧基準から削除する一方で爆心地からの距離を狭め、白内障は爆心地から1・5キロ以内の直接被爆者を積極認定するなどとした。
 広島市によると、新基準が適用された2~9月の審査対象者532人中346人(うち複数疾病17人)が原爆症に認定。認定率は65・1%で、旧基準時の51・3%を上回った。また、新基準により、認定訴訟や異議申し立てをしていた被爆者12人が認定された。

 新基準で認定された疾病の内訳は、がんなどの悪性腫瘍が298人と最も多く、心筋梗塞24人、甲状腺機能低下症19人、慢性肝炎・肝硬変13人、白血病5人、白内障4人と続いた。

 慢性肝炎・肝硬変と白内障の認定者は、旧基準時にはいなかった。また、これまで認定者が少なかった心筋梗塞(旧基準時1人)、甲状腺機能低下症(同4人)では大幅に増えた。市の担当者は「新基準での認定状況の検証と、さらに多くの人が認定されるよう国に求めたい」としている。


http://www.sankei.com/west/news/141108/wst1411080061-n1.html
産経新聞
2014年11月8日

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