2014/11/11

福島県外進学者に賠償返還、強硬的に求めず

大学への進学で福島県外へ転居したとはいえ、実家が避難先で不自由な生活をしていることに変わりなく、学生への影響も大きいでしょうし、「精神的賠償」が不要だとするのは納得がいくものではないと思います。まして、「過払い」として返還を求めるなど、納得のいくものではないでしょう。そして、県内への進学なら賠償金が出るとなれば、せっかく進学を機に被ばくを避けられる地域へ子どもだけでも出そうというケース、経済的理由であきらめることにもつながりかねません。今後を見守りたいと思います。

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 東京電力が、福島第1原発事故の前に福島県外の大学への進学が決まっていた女性(21)に対し「転居で避難は終わった」として「過払い」分の精神的賠償の返還を求めている問題で、経済産業省資源エネルギー庁は「被災地を混乱させる」として、強硬的な手段で返還を求めないことなどを東電側と確認。東電は女性らに通知した。ただし、避難終了の具体的な基準は公表しないとの姿勢は変えず、問題の根本的な解決には程遠い。

 この問題は、第1原発から20キロ圏内の帰還困難区域に実家がある女性が今年9月、東電から「進学先は原発事故前に決まっており、進学(2011年4月)に伴う転居で避難は終わった」と言われ、同年5月以降の6年1カ月分の精神的賠償など計約900万円の返還を求められた。今年10月に毎日新聞が報じると、原発事故の賠償を監督する同庁原子力損害対応室に同じ状況に置かれた被災者からの相談が寄せられた。

 このため同室は東電に今後の対応を確認。同室によると、東電は▽間違って支払ったものについて粗探ししない▽現時点で判明している請求対象者に対し差し押さえなど法的手段は取らない▽他の賠償での相殺も同意なしに行わない−−ことなどを決め、女性をはじめ判明した返還請求の対象者に通知した。

 ただし、避難終了の基準についてエネ庁の森本英雄・同室長は「最終的には裁判所で決めてもらうしかない」と話す。東電は、避難終了の具体的な基準を公表しておらず、「今後もしない」としている。女性の家族は「加害者の東電が賠償の支払いを恣意(しい)的に判断できる状況がある以上、被災者に不利な先例となるわけにはいかない」と話している。

http://mainichi.jp/select/news/20141111k0000m040129000c.html
毎日新聞 
2014年11月11日

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