2014/11/08
避難園児に石川の旅 福島→山形 親子を招待/石川
北陸学院大企画 来春閉園「思い出を」
原発事故の影響で福島県から山形県に避難している子どもたちが通う「あいびぃ保育園」(山形市)の親子らが七日、以前から交流している北陸学院大(金沢市)の招待で石川県を初めて訪れた。同園は二〇一五年三月末の閉園が決まっており、同大の学生有志らが「思い出づくりに」と企画。親子は九日まで滞在し、石川県内の親子や避難者とも親睦を深める。(酒井ゆり)
保育園は一二年九月、認定NPO法人「IVY(アイビー)」(本部・山形市)が、福島から避難した親子を支えるために開所した。現在は母親たちも保育士として働きながら、一~六歳の子ども三十二人を預かっている。財政面などから一五年三月末までという期限は開園当初から決まっており、医療支援団体の助成金や市民からの寄付をもとに運営してきた。
東北の被災地支援に力を注ぐ北陸学院大の田中純一准教授は活動の中で保育園の存在を知り、何度か訪問。放射線の少ない地域の食材を選んで給食に使っていることが分かり、昨年は学生らと栽培したサツマイモやコメ、キウイで作ったジャムなども届けた。
保育園の閉園が近づく中、「福島に戻る人、山形に残る人、ほかの地域に移る人とさまざまで、きっと親の不安も大きいと思う」と田中准教授。今回は、子どもたちにのびのびと遊んでもらうのと同時に「親が楽しいひとときを過ごしてもらえたら」と学生有志と企画した。
保育園の親子ら三十五人は、山形を七日朝にバスで出発。同日夕に宿泊する石川県羽咋市の国立能登青少年交流の家に到着し、学生らが出迎えた。
園児たちは長旅の疲れも見せず元気いっぱい。山形特産の西洋ナシ「ラ・フランス」の箱詰を手に「よろしくお願いします」とあいさつし、学生たちにプレゼントした。
山形から子どもと参加した母親(42)は「石川はなかなか来られないところだと思っていた。泊まりがけの家族旅行があまりできない中、こうして呼んでいただけてうれしい」と喜んだ。
八日は親たちにゆっくり旅を楽しんでもらおうと、学生らが子どもと遊ぶ間、親は金沢観光をする。夜は川上幼稚園(金沢市)の母親らでつくる自然育児の会「そらまめくらぶ」が加わり、そのメンバーでもある石川県内の避難者とも交流する。田中准教授は「この旅をきっかけに、またいろいろなつながりが広がってくれたら」と期待している。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014110802100006.html
中日新聞
11月8日
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