●飯舘・比曽「農業再開は困難」
東京電力福島第一原発事故で居住制限区域になっている飯舘村比曽地区の38世帯160人が、賠償の増額や、被曝(ひばく)に対する不安への慰謝料を求め原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に集団で申し立てた。弁護団と住民が5日、福島市内で記者会見し明らかにした。
比曽地区は帰還困難区域の長泥地区の西隣。弁護団は、帰還困難区域並みの高い放射線量が検出される所があり、住宅まわりの除染が終わった所でも毎時8.4~16マイクロシーベルトあったと指摘。農地が除染で出た汚染土などの一時保管場所になっていることから、「農業の再開は相当長期間見込めない」としている。
そのため、月10万円の精神的慰謝料を月35万円にする▽被曝不安の慰謝料として妊婦・18歳以下の子どもには1人100万円、その他には50万円を払う▽田畑賠償の算定基準を上げる▽住宅を全損扱いにし、移住を予定した段階で住居確保損害を認める――などを求めた。
村で牛を飼い、稲作をして暮らしていた菅野初雄さん(76)は「村に戻っても元のように自給自足の生活はできず、食料も、山から引いていた水も買わなくてはならない。(賠償は)これから生きていくために必要だ」と話した。比曽地区では、さらに17世帯28人が12月上旬にも申し立てる予定という。
http://www.asahi.com/articles/CMTW1411060700003.html
朝日新聞
2014年11月6日
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