http://www.minpo.jp/news/detail/2015020320758
東京電力福島第一原発事故に伴う甲状腺検査の評価部会(部会長・清水一雄日本医科大名誉教授)は2日、福島市で5回目の会合を開いた。一巡目の先行検査と二巡目の本格検査の結果を比較する現在の方法では、甲状腺がんと被ばくの因果関係を解明できないとの意見で一致。事故直後の初期内部被ばくを調べるよう、県「県民健康調査」検討委員会に3月末までに提言する。
渋谷健司東京大教授(公衆衛生学)は「全員の被ばく線量評価が望ましいが、無理ならば、地域などの集団レベルの線量を比較分析し、甲状腺がんの罹患(りかん)率を調べるのが必要」と強調した。部会員で検討委座長の星北斗県医師会常任理事も「一人一人の被ばく線量を明示できないまでも、相関関係の高いものを探し出し、推計するのは可能だろう」と述べた。
子どもの健康を守る目的で始まった甲状腺検査をめぐっては検討委などで、内部被ばく線量の分析を進め、甲状腺がんとの因果関係の検証に踏み込むべきだとの声が上がっていた。
また、部会では経過観察などで通常診療(保険診療)に移行した場合の医療費や甲状腺がんの手術費を公費で負担すべきとの意見でも一致した。県は既に、通常診療に移行した際の医療費は原発事故がなければ発生しなかったとして、県民の経済的負担を解消するよう国に財政措置を求めている。しかし、国から現時点で明確な回答はないという。
甲状腺がん手術基準で議論
02月02日 NHKニュースより
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054912431.html
原発事故の当時、18歳以下だったすべての人を対象に県が進めている甲状腺検査では、これまでに112人に甲状腺がんやがんの疑いがみつかり、このうち84人が手術を受けました。
これについて2日、福島市で開かれた専門家の会議で、現在の検査は自覚症状がない人も含めて幅広く行われているため直接、命に関わらず従来では手術の対象にならないがんを見つけている可能性があると指摘されました。
そのうえで専門家から手術すべきかどうか従来の基準で判断するのではなく今回の検査に応じた新しい基準を作るべきだという意見が出されました。
また、別の専門家からは治療による精神的な苦痛など検査で不利益をこうむるおそれがあることについても住民に丁寧に説明すべきだといった意見も出されていました。
専門家の会議では今年度中に検査や診療の進め方について提言をまとめることにしています。
甲状腺がん「過剰診断も」=子どもの健康調査で-福島県
2015 年 2 月 2 日 時事通信よりhttp://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200751&g=soc
東京電力福島第1原発事故を受け、当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査で、福島県は2日、有識者による「県民健康調査」検討委員会の評価部会を福島市で開いた。委員からは、現行の検査は本来治療の必要がない甲状腺がんを発見、切除する「過剰診断」の可能性が高いとして、検査方法や診療ガイドラインを見直す必要があるとの指摘が出た。
部会は3月末までに、過剰診断の有無や今後の検査方法などに関する提言をまとめる方針。
検査は36万人を対象にした1巡目がほぼ終了。甲状腺がんや、その疑いがあるとされたのは109人で、84人が手術を受け甲状腺がんと確定した。検討委は「放射線の影響は考えにくい」との見解を示している。
会合では渋谷健司東京大教授が、甲状腺がんなどとされた人数が想定より多く、過剰診断の可能性を指摘。治療による負担などの不利益が大きいと強調した。会合を欠席した別の有識者も同様の意見を書面で提出した。
これに対し、検査を実施している福島医大は、症状によっては経過観察にするなど慎重に判断していると説明。西美和広島赤十字・原爆病院前副院長も「発見された甲状腺がんがすべて過剰診断とは思わない」と話した。
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