2015/02/07

福島/山形、新潟に本県が財源補助 県外避難者支援策を維持


2015/02/07 福島民報より
http://www.minpo.jp/news/detail/2015020720820

 県は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による県内からの避難者を受け入れている山形、新潟両県が行う避難者支援策を維持するため、平成27年度に補助制度を創設する。両県の事業に対する国の財政支援が圧縮される見通しのため、本県が補助金を交付して財源を補填(ほてん)する。今後、補助額を精査するが、最大で3億円規模を見込んでいる。
 避難生活が長期化する中、県は避難者の心身のケアや相談事業、県内の情報提供などをきめ細かく展開するためには、本県による生活再建などの施策とともに、他県が独自に実施する支援策の継続が不可欠と判断した。
 山形、新潟両県には、それぞれ約4千人の県民が避難している。両県とも、避難者宅の訪問活動や交流会の開催などの事業を国の財政支援を受けながら繰り広げている。
 しかし、27年度は国からの予算配分が減少するとみられている。山形、新潟両県は厚生労働省の地域コミュニティ復興支援事業から年間約1億円ずつを受け、避難者を支援してきたが、同事業は26年度で終わる。
 復興庁は同事業終了などを受け、避難者や子どもを支援する関連事業を統合した「被災者健康・生活支援総合交付金」を27年度に創設する。59億円を計上したが、統合した事業には26年度予算で40億円を確保した子どもの支援事業も含まれており、各県関係者は「避難者支援に使える予算は相対的に減少する」と分析する。
 県は27年度一般会計当初予算案に盛り込んだ「ふるさとふくしま帰還支援事業」の8億6千万円の一部を、山形、新潟両県への補助金に充てる考え。両県から不足額などを聞き取り、最終的な金額を調整する。
 新潟県の担当者は「避難者支援の予算をどのように確保するか悩んでいた。福島県からの補助金は大いに助かる」と歓迎している。
 ただ、原発事故を起こした責任のある国が予算を減額し、被災県が費用を肩代わりする形となり、本県関係者からは疑問の声が出ている。県幹部は「補助金の支出は被災者の生活を守るための緊急措置。この金額の返済を国に求めていく」としている。
 県は6日、避難者を受け入れている14都府県の担当者を集めた連絡会議を県庁で開き、補助制度創設の考えを明らかにした。




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