2015年2月5日 東京新聞より
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150205/CK2015020502000168.html
チェルノブイリ原発事故による住民の健康被害を調べているNPO法人「食品と暮らしの安全基金」(さいたま市中央区)が、現地ウクライナから関係者を招き、28日にさいたま市で講演会を開く。東京電力福島第一原発事故から間もなく4年。同基金代表の小若順一さん(65)は「福島の未来のためにも、チェルノブイリで今、何が起きているか知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
小若さんらは二〇一二年から計五回、チェルノブイリ原発のあるウクライナを訪問。原発周辺の村々を回り、住民から健康状態の聞き取り調査を行ってきた。
小若さんによると、現地ではがんや心臓病、白内障などこれまで放射線の健康被害とされてきた症例以外に、手足の痛みや関節痛、頭痛などを訴える住民を数十人確認した。現地の空間放射線量や土壌汚染の値は首都圏とほとんど変わらない。このため小若さんらは現地で採れた農産物や、それらの農産物を使った食品に含まれる放射性物質に原因があると考えた。そこで放射性物質をできるだけ少なくした食材の食事に変えてもらうと、多くの人の症状が改善したという。
講演会には、小若さんらの調査に痛みを訴えた一人で、現地での活動をサポートしているタチアナ・アンドロシェンコさん(48)と、次女サーシャさん(25)が参加。チェルノブイリ周辺の住民の生活や健康状態、自らの体験について語る。
小若さんは「チェルノブイリ周辺の住民は、森でキノコを採ってきて食べるなど、原発事故で出た放射性物質を含む食品を食べる機会が多い。日本は食料自給率そのものが低いので、すぐに同じ被害が出るとは考えにくい」と断った上で、「日本でも同様の健康被害が出ていないのか、調査はするべきだ。調べずに『安全だ』というのは、おかしい」と訴えている。
講演会は二十八日午後一時半から、さいたま市中央区の市産業文化センターで。参加費は資料代として千円。問い合わせは、同基金=電048(851)1212=へ。
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