2015/02/08

福島/環境美化で自然に関心 阿武隈川「渡利水辺の楽校」

[福島市渡利周辺は、汚染度の高い地域と聞いています。空間線量で1μSv/h近い数値だったということは、その周辺の土壌はかなり汚染されているとみて間違いありません。川には周辺からの汚染された土砂が集まりますから、川べりなどの土砂の汚染は、測定して確認する必要があります。阿武隈川は、その河口の新潟県にまで汚染土壌を運んでいるのです。また、ヨシやススキを刈り取る作業でも、埃が舞い上がり、周辺線量はあがった可能性もあります。残念ですが、まだまだ子どもたちが一緒に活動するには、安心できない環境だと言わざるを得ません。ほんとうに豊かな自然のなかで、子どもたちにも守り育む知恵を伝える実践が重ねられていたことと思うと、放射能汚染をばらまくことが自然を破壊すると同時に、そこにつながる知恵や文化や世代のつながりさえも破壊するということを考えないわけにはいきません。福一の事故後についてもそうですが、今後起こりうる事故についても、各自治体の首長をはじめ、そのリスクをくれぐれも慎重に考えて欲しいと今さらながらに思います。子ども全国ネット]


環境美化で自然に関心 阿武隈川「渡利水辺の楽校」

2015年2月9日 福島民友より
http://www.minyu-net.com/news/topic/150209/topic5.html

 福島市の阿武隈川沿いにある「渡利水辺の楽校」で7日、河川敷に生えているヨシやススキの刈り取り作業が行われ、参加者が環境美化に汗を流した。刈り取ったものを乾燥させて一時保管し、市民家園のかやぶき屋根などに活用する。
 渡利水辺の楽校は、地域住民が自然に親しんだり、子どもたちが自然体験する場として活用されてきた。ただ、東京電力福島第1原発事故による放射線への不安から、最近は利用する人が少ないという。
 福島河川国道事務所によると、水辺の楽校の空間放射線量は先月時点で、毎時0.7~0.9マイクロシーベルト。河川の安全性を知ってもらい、自然への関心を高めてもらおうと、同事務所が刈り取り作業を企画。各行政機関のほか水辺の会わたり、ふるさとの川・荒川づくり協議会などに協力を呼び掛けた。「河川環境と文化財の保全。『一石二鳥』が狙い」と同事務所担当者。
 同日にはボランティアら約70人が集まり、作業に取り組んだ。水辺の会わたり会長の横山寿昭さん(72)は「みんなでやることに意義がある。自然とどう向き合っていくかを考えるきっかけになれば」と話した。




児童の笑顔、川辺に戻れ 震災後初のカヤ刈り取り 福島
2015/02/08 福島民報より
http://www.minpo.jp/news/detail/2015020820845

 福島市渡利の阿武隈川河畔の「渡利水辺の楽校(がっこう)」で7日、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後初めてヨシやススキなどのカヤ類の刈り取りが行われた。市内の民家園のかやぶき屋根の補修に使う。参加した地元住民や県、市の関係者は川辺に再び児童の笑顔があふれる日々を思い描いた。
 「またここで、子どもたちと交流したい」。地元の環境団体「水辺の会わたり」会長の横山寿昭さん(72)は、次々と刈り取られる約3メートルのカヤを見詰めた。同団体は平成8年の「渡利水辺の楽校」開設に合わせて地元の町会長らが設立した。自然を大切にしてもらおうと毎年、地元の渡利小児童と一緒にハヤ、サケの稚魚放流、合同清掃、川の水質調査などに取り組んできた。しかし原発事故後は、放射線の不安から児童の行事参加が見送られた。
 「渡利水辺の楽校」を管理する国土交通省福島河川国道事務所は原発事故後、カヤの刈り取りを自粛した。放射性物質の測定値が高く、焼却施設に搬入できないためだ。原発事故から4年近くとなり、周辺地域の除染や放射性物質の自然減衰が進んだため、久しぶりに再開した。活用方法を市に相談すると、民家園のかやぶき屋根の補修材としての活用が決まった。
 7日の作業は「水辺の会わたり」などの環境団体、国、市から約70人が参加した。広さ約1・2ヘクタールの「渡利水辺の楽校」の10分の1に当たる12アールでカヤを刈り取った。長くて半年ほど保管して乾燥させ、民家園に運び込む。保管場所を確保でき次第、残りの1・08ヘクタールでも作業を進める。
 横山さんは「児童と一緒に稚魚を放つのが楽しみ。カヤの刈り取りは防犯にも役立つ」と心地よさそうに汗を拭った。同事務所の渡辺敏彦河川管理課長(46)は「地元の団体と連携し、川に親しむ催しを企画したい」と話した。


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